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非正規探偵と魔法の種  作者: すぎやまかおる
第一部 メガバンク編
1/5

1話

僕の名前は風宮薫だ。

仕事はフリーター。

フリーターっていっても、日雇いバイトだ。毎日違う職場に行って働いている。スマホで申し込んで、スマホで勤怠などの報告する。

気楽なもんだ。

嫌な職場ならもう行かなきゃいい。

ストレスフリーな毎日を送っている。


今日は来週の予定を入れている。

日給3万!!

僕の目に衝撃の情報が入ってきた。

このサイト、こんなの扱ってるの。

これ、今話題の闇バイトじゃねえのか?

えっと、雇い主はエム探偵事務所。

仕事内容は指定の場所に座って周りを観察するだけ。誰でも簡単!!

怪しい。怪しすぎる。

でもな~~。

ただのおいしい仕事だけかもしれん。

1日だけなら⋯⋯。

誘惑に逆らえず、ポチッとクリック。

即決定!!

ヤバいかもと思い、取り消そうと思ったが。

あれ?

いつもある取り消しのボタンが見当たらない。僕は仕方なく、運営サイトに問い合わせた。返ってきた答えは企業様のご都合という返事。企業様に無断で欠勤するとこのサイトが出禁になると注意された。運営サイトでは欠勤処理ができないとのこと。

意味がわからん。

仕方ねえ。

このサイトは優良サイトだ。間違いはないだろう。とりあえず1日だけ行こう。


こうして、僕の探偵生活が始まることになった。



 朝起きるとスマホにメッセージが入っていた。都内某所にあるメガバンクのとある支店の指定された椅子に午後3時まで座って周りを観察するように。おかしな点は必ず終了後報告すること。まあ、そのメガバンクの支店はうちから近いし、1日だけだからいいや。明日以降は別の職場に応募したからね。こんな取り消しできない職場はパス。パス。パス。


僕は開店時間にその支店に入る。スマホで開始時間をクリック。これで後は指定された席に座っているだけ。僕は暇なのでスマホでネット小説を読む。なんだろ。みんなタイトル長えな。みんなタイトルが長いと逆に目立たないのに⋯⋯。そんなことを思っていると昼時になる。おかしい。絶対おかしい。僕がここにずっと座っているのに誰も僕に声をかけてこない。警備員さんも素通り。よく分からん。

店内は昼時だけあって混んできた。でも、僕の隣に座る人はいない。僕の隣に立って待っている人はいるのに⋯⋯。


やがて、閉店時間を迎えて僕は立ち上がり帰りがけにスマホで退勤時間をクリック。報告事項は特になし。特になしなんだからそう書くしかない。そのまま家に帰り寝た。その日の夜更け。部屋のドアをノックする音がする。僕は不審に思ったがドアを開ける。誰もいない。ドアを閉めてベットに戻る。


「ちょっと、ちゃんと仕事しなさいよ。特になしって、あんた何見てたのよ?」


女の声がする。僕がキョロキョロしてるとふたたび女の声がする。


「日給3万も払ってんだからね。あんた、ちゃんと仕事しなさいよね。この給料泥棒!!」


はあ?


僕が戸惑っていると女は続ける。


「とにかく明日やり直しね。サイトは手続きしといたから。明日、同じ席でちゃんと観察してなさい」


ちょっと待て。

待て。


僕はスマホを取り出しサイトを見る。変わってる。明日の仕事が日給3万に変わってる。

応募もしてねえのに。


すると、ドアが開いて、閉じた。僕は不審に思いドアの外を見た。誰もいない。


何だったんだろ? 

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