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魔女クエスト(3)諸国漫遊の旅はやめたのカナ?

「もうっちょと待つのじゃー」

「ご飯冷めちゃいますよー」


 おやびんは絵本に夢中です。こんなのでも幼女ですからね。魔法少女の活躍が心にぶっ刺さったんですね。


「あぁ。コルサちゃん逃げるのじゃ」


 どうやら悪の幹部の方に感情移入しているようですけど。

 魔法少女メルリの敵は、大天使コルサなのです。作者かパトロンの貴族が、魔女信仰者なのか、カワサキの市場に合わせたのか。ヨコヤマから輸入したものなので、その辺は良く分かりませんが。

 いずれにしても、女神であるおやびんにしてみれば、異教徒の創作になるのですが。その辺は、どうでもいいのかな?幼女な上に女神だしね。


「コルサちゃん、うしろー!」


 そんなシーンあったっけ?ああ、ダモン神獣のツノでおしりをぐりぐりするシーンですかね。ちょっと、幼女の情操教育には良くない気もしまうー。


「ほら!取り上げますよ!」

「ああー」


 こうしてると、ニンゲンの幼女と変わりませんねー。でも、おでんが冷めちゃうので。ね?


「うわっ、あっっち、熱いんじゃ!ぼけえ!!」


 熱々のゆで卵を、ぎゅーっと陛下の口に押し付けたら、キレちゃいました。んー?おっかしいですねー?堕天使から聞いた日本という異世界では、おでんをこうやって食べさせるはずですがー?


「陛下ー?リアクションがなってませんよー?あとガラが悪過ぎます。クリーム閣下にまた折檻されますよー」

「ふええ?わしほんまに皇帝なんじゃろかぁ…」


 楽しいですけどね。マジギレされちゃうとね?


「巫女共にリアクション芸は理解が及ばなかったようだね。ごめんね?陛下」

「じぶんで食えるからいいよ、もう」


 うっかりアハトちゃんが、ふぅふぅして食べさせようとしましたが、いじけたおやびんは自分で食べてます。まだ箸がうまく使えないので、フォークで食べてますが。ゆで卵はつるっと逃げるので、泣きそうになってます。ウケるー。


「しかしなんじゃなあ。絵本も500ページもあると、アニメ1話分くらいじゃのう。ほんまに1人の絵師が描いたん?あれ」

「んー、さすがにスタジオ制作じゃないかな?」


 あにめ、というのは絵がぬるぬる動く芸術なんだそうです。リーザ山の地下から円盤とぷれいやーが出土したので、後はもにたーさえあればー、って以前騒いでましたね。私も、あにめ見てみたいです。


「アニメといえば、モニターの発掘を急ぎたいね?」

「そうじゃのー。プレイヤーも壊れてたんじゃろ?」

「数台出て来たから、パーツを組みあせて修理出来たよ」

「まじか!?でかしたのじゃ!あとはモニターさえあればじゃなー」

「魔女よりも、遺跡の発掘の方がよくない?」

「ぼーじゃのう」


 おやびんと、うっかりアハトちゃんが意気投合してますね。行き先はリーザ山の地下に変更になるのかな?


「ヨコヤマに行けば、メルリの紙芝居が見れますよ?」

「なんじゃとー!?そっちも魅力じゃのう」

「我としてはリーザ山地下遺跡の方がオススメなんだけど」

「ヨコヤマ行ったこと無いですし?アハトちゃんは行きたくないんですかー?」

「国交が無い国だからね。陛下が行って、ただで済むと思う?」

「あー、それはそうですねー。巫女を5人位連れて行けば、5回までは自爆攻撃でどうにかなりますよ?」

「他国に皇帝陛下が自爆攻撃かけた時点で、もうアウトでしょ」


 私達巫女は、生まれてからずっとカワサキなので、国外の事は全く分かりません。堕天使のアハトちゃんの言う事の方がきっと正しい。


「ヨコヤマといえばー、ヨコヤマから留学するつもりで来てる娘が居なかったっけ?」

「あー、なんか身分高そうな生意気なクソガキですね?」

「そうそれ。そいつを盾にすれば?どういう身分なのか知らんけど。ヨコヤマもそうそう手を出せないでしょ」

「クソガキとは私の事かしらー?」


 ありゃ?居ましたよ?噂のヨコヤマ貴族のクソガキが。そういえば、ここに泊まってるんでしたっけ?

 留学するつもりでカワサキまで来たものの、学園はおやびんが粉々にしちゃいましたからね。他にも何人か他国の留学生が路頭に迷って、この学園再建本部に泊まってます。このビルは本来はマンションなので、泊めるのに都合がいいのです。


「ヨコヤマに行くのであれば、連れて行ってくださらない?そこの貧相なおやびんさん」


 おやびんは女神の神々しさとか高潔さとは無縁な感じの貧相な幼女です。幼稚園児みたいな紺色のワンピースをよく着ているので、その辺の幼児と区別付きません。超重要人物のはずなのに、変装とか一切しなくてもバレません。かわいいんですけどね?貧相なのは確かです。


「向こうで案内してくれんなら、連れていけばいいんじゃない?陛下」

「ほうじゃのー。袖触れ合うも異世界の縁じゃ。違うかも知れんけど」

「助かるわ。いつ出るのかしらあ?」

「んー?明日?いや…明後日」

「明日の朝です」

「え?ちょっと勝手に決めんなファズ」

「ファズじゃないです。オーバードライブですー」

「まあまあ、明日の朝にしようよ。陛下は一度先送りにすると2度と動かないからね」

「まあ、そうかも。ほいじゃあ明日の朝ヨコヤマに行くのじゃー!」


 ヨコヤマで何が起こるんでしょうね?いつ死んでもいいように、きれいなパンツを履いていきましょう。

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