モブと第二王子とひきがね
「試作品だというのにそれはすごい魔道具だな」
ミルターはゲインに言った後ゲインは
「俺様の役目はもう終わった。これからは楽しい楽しい戦闘の始まりだよ。奥にいるお前らの大将らしき人に感謝しておくよ。こんな簡単に敵国の王子を人質に取れるような機会、そしてお前のような強者と戦える機会をくれてね」
ゲインはそこまで言うと舌を噛み、その場で自殺した。
「ステイラン君。少しやばいかもしれない」
ウェルの体を使っていたゲインが自殺した後すぐにミルターが僕のところまでくる。
「やばいって何がやばいのさ」
「今回の件、この勝ち抜き戦がアガート帝国のやつらに利用されたかもしれないんでやす」
アガート帝国のやつに利用された?どういうことだ?
「アガート帝国のやつに利用されたってのは何で?」
「ステイラン君にはわかってるかもしれないでやすが第二王子のカースは多分さらわれたでやす」
カース君がさらわれた?というかカース君にさらう価値があると?
「カースには人質としての価値はありやせん。ですが第二王子というものがカースを人質たらしめているんでやす」
そうだろうね。カース君にはそれしか価値がない。上級貴族なんてアガート帝国からすればどうでもいいからね。
「第二王子だけならいいでやすが第一王子は」
ミルターはきょろきょろと観客席を見渡し誰かを探していると
「ミルターよ。余は大丈夫である」
「第一王子!ご無事でしたか」
僕達のところに第一王子のサース様が現れ、来た瞬間に僕達に頭を下げる。
「今回はまた愚弟が君たちに余計なことをしたようだね。兄として、王族として愚弟にかわり謝らせてもらう」
「サ、サース様!頭をあげてください!サース様は悪くありませんから」
僕はあたふたしながら言うとサース様は軽く笑い
「ミルターより強いお前がそんな弱気でどうするのだ。余にはもっとフレンドリーでかまわぬ。ギルドマスターならもっとドンとかまえておけ」
サース様、僕がギルドマスターって知ってるのか。後僕はミルターより強くないよ。
「愚弟はアガート帝国の奴らにさらわれたが余は何とか逃げてきた。後そこで今は倒れている奴が倒した貴族も始末されていた。余はそれを見てしまって消されそうにもなったから本当にあぶなかった。今はやつが戦ってくれている」
サース様が言うと競技場に白く髪の長い赤の軍服をきた男ともう一人は僕達の仲間である理想を求める男
「あれは、プルトールか?」
「そうだ。奴が余を守ってくれたのだ」