モブとバイトと
グリグリがあわれんでいるのかどうかよくわからない目で僕を見た後すぐにチャイムが鳴り授業が始まる。
午後の授業もあっという間に終わると僕は急いでバイト先に向かう。
「お疲れ様です」
「お疲れ様ステイラン君。今日も学校終わりかな?」
僕のバイト先は王国にあるカフェでそこまで目立つ場所にはないが固定客とかいて売り上げは安定している。バイトは僕ともう一人、そして今僕が話しかけたのは店長のコナカさんだ。
「はい。学校終わりです」
「そう。それはお疲れ様。学校終わりなのにいつも頑張るわね」
コナカさんは僕に言った後僕の前にコーヒーを出す。コナカさんはいつもバイトが始める前にコーヒーを出してくれる。ありがたい。
「いつもありがとうございます。僕コナカさんのコーヒー好きですよ」
「はは。ありがとう。そう言ってくれると嬉しいな」
僕はコナカさんのコーヒーを飲んだ後、バイトをする服に着替えて作業に入る。僕の主な作業は注文をとってコナカさんに報告すること。オーダーのものをコナカさんがつくってくれる。
「お疲れ様です。先輩」
「お疲れ様。アンチちゃん」
今入ってきたのはもう一人のバイトの子、アンチちゃん。見た目はピンクの少し長めの髪に背中には小さな黒い羽根のアクセと腰から黒い尻尾のアクセをつけている。
「先輩一番最初に会うってことはそんなに私に会いたかったんですか?もう先輩の寂しがりやさん」
「違うよ。そういうのじゃないから」
「もう先輩照れ隠しはいいですから。私知ってるんですよ。先輩が私のこと大好きだってこと」
うん。好きだよ。異性としてじゃなくて後輩で可愛いって意味でね。
「ソダネー。アンチチャンカワイイモンネ」
僕はカタコトでアンチちゃんに言うとアンチちゃんはほおを膨らませ
「もう先輩のそういうところは嫌いです!」
「はいはい。わかったから早く支度してきて。アンチちゃんはすごく仕事のできる子なんだから」
「ふふ。そうですよ先輩。私は可愛いくて先輩のために働く可愛い後輩なんですから」
アンチちゃんはそう言って更衣室に入ってバイトの服装に着替えてくる。ちなみに背中に黒い羽と尻尾はつけたままだ。
「どうですか先輩。先輩の後輩、アンチちゃんはメイド服も似合う可愛い女ですよ」
「ソダネー。カワイイネー」
僕はまたカタコトでアンチちゃんに言うとアンチちゃんは僕の肘に蹴りをかましてきた。痛いよアンチちゃん。
「先輩。正直なことは言わないとだめですよ。アンチちゃんはいつだって可愛いって」
んー。だから可愛いって言ったじゃないか。カタコトだけど。