モブと第一王子と
「なぜ君の許可がいるのかな?」
「な、なんででもだしー!マブだからだしー!」
その、だしーってやつやめてくれないか。あんま可愛くないぞ。
「まぁよい。余は三年生、お前らは一年生だ。だからもし余を頼りたければ三年の教室に来るといい」
にこ歳上だったのか。それでカース君よりは大人っぽいのか。口は悪いけどでも悪人には見えないな。
「余はこれで戻る。ステイランよ。愚弟のことどうか見捨てずにいてやってくれ。そんなやつでも余の弟。いずれは王家として役に立ってもらわねばならんからな」
カース君を見捨てないでいてくれ、か。ちょっと難しいけどまぁ家族にも頼まれているから最低限一緒にいてはやるけど。ただもうちょいどうにか何ねぇかな。
サース様が戻って言った後、ダルケンはカース君を背負って教室に入っていく。カイリちゃんは何か思い出したかのように
「謝らせるの忘れてた!」
「いや気にしてないからいいよ別に。後あまり騒ぎにはしないようにね。僕の家族にバレると面倒だし」
カース君の父親、王は話のわかる人だけど他の取り巻き達がバラす確率もあるからなぁ。ま、下級貴族の親になんか会う気はないか。あんなプライドの塊みたいな奴ら。
「それより今日は学校終わったらどうする?ギルドに行く?」
カイリちゃんは僕に聞いてくると僕は
「いや。僕は今日バイトがあるからバイトに行くよ。もしギルドに行くならアゼンタ達によろしくね」
僕はカイリちゃんに言うとカイリちゃんは寂しそうな顔をした後
「ま、まぁヴィヴィのことも報告しないとダメだしギルドには向かわないとねー。わかったよ!それじゃまた後でね!」
カイリちゃんは元気よく教室の中に入り、僕も教室に入るとシンクとグリグリが近づいてきて
「ステイラン。今日はギルドに行くっすか?」
「いや、バイトがあるからバイトしに行く」
「え、冒険者なのにバイトしてるんすか?」
別によくないか。僕がバイトしようがしまいが。
「シンク。そんなことを言ってはいけない。バイトしながら冒険者をしているものはいくらでもいる。だからステイランをバカにしてはいけない」
いやシンク僕のことバカにしてないよ?グリグリが僕に対してそう思っているんじゃないかな?
僕はグリグリを睨んでいるとシンクが
「グ、グリグリ。グリグリの方が僕よりひどいこと言ってるような気がするけど」
「ん?ひどいことは言ってないしバカにはしてないよ。ただうちはステイランも苦労しているなと思っただけ」