モブのいないところで転校生は密談する
ステイラン達が学食に向かった後、ステイランのクラスに転校してきた二人、シンクとグリグリは教室の端っこの席で喋っていた。
「グリグリ。どうしよっす。意外とステイランの調査、難しいっす。父さんに言われてるっすけど」
「そうね。さっきもうちがフォローに入らないと多分あの女にバレてたわ。流石はアークストームの一人、感情快楽のカイリ。人の感情を自由に操作してくるあの女は要注意ね」
グリグリはシンクに言うとシンクは焦った顔で
「本当にどうするっすかグリグリ!今回の機会を逃せば自分らは父さんに、ファミリーに見捨てられるっす!自分らが安定するためにはナンバーズに入らないと自分らは」
「シンク。少し落ちつきな。うちはあんたを見捨てない。うちらは二人で生き残る、その為にうちらはマルガレーファミリーにはいるんだ。わかっているだろう?」
グリグリはシンクの頭を撫でながらいう。
「ご、ごめん。ごめんっすグリグリ。ちょっと不安になったっす」
「仕方ないさ。うちらは下級貴族。それに親には見捨てられた何も持ってないうちらだ。冒険者で安定する為にはでかい組織に入る必要がある。マルガレーファミリーは認めてさえくれれば家族として受け入れ家族の身の安全は保障してくれる」
マルガレーファミリーは大きな、それもギルド並みに安定している組織だ。ファミリーの中にはまだ家族としては受け入れられていない下っ端も多いけどマルガレーファミリーのナンバーズ、家族とも呼ばれているやつの中に入るか。もしくはナンバーズのお気に入りになるか。いずれにせよシンクとグリグリはそれに縋るしかなかった。二人にはゴールドランクの冒険者になることは無理だと自分自身らでわかっていたからだ。二人は自らの生活のためにマルガレーファミリーに入ることを決めた。
「マルガレーファミリーの人がうちらに出した課題はステイラン・スーの調査。この調査次第によってうちらはナンバーズ入りできるかもしれないとファミリーの人は言ってくれた。だから頑張るよ。シンク」
「もちろんっす。自分はやれることを精一杯やるっす。だからグリグリ。フォローはお願いするっす」
シンクは笑顔でグリグリにいうとグリグリはまたシンクの頭を撫で
「もちろんよ。うちがいる限りシンク。あんただけは絶対に守って見せる。絶対にね」
グリグリはシンクに言った後シンクは自分の席に戻りグリグリも自分の席に戻る。
「ステイラン・スー。うちらが必ずあんたの何かを暴いてみせる。必ずね」