モブのせいで被害が増える
「この顔を見ろ!俺はステイランに関わったせいでこんな顔になった。全てはステイランのせいだ!」
アールマスは僕とカイリちゃんに言う。確かに顔にかなりの切り傷があってあんな顔じゃ外を歩くのはきついだろうし今僕達に見せているのも相当苦痛だと思う。
「は?なんであんたのそれとステッチが関係あるの?」
「そんなもの俺がそいつを排除しようとしたからに決まっているだろ!全てはカース様の為」
アールマスが叫ぶと教室の席に座っていたカース君は立ち上がり、アールマス君の目の前にナイフを突きつける
「余計なことをいうな。なんで俺がこんな下級貴族にそんなことしないといけないんだ?それをして俺になんのメリットがある?」
「メリット?それは」
アールマスがカース君に何か言おうとするとカース君の片腕が急に燃え始める。
「あ、熱い!俺の!俺の片腕が!」
「あまり俺の品位を下げるようなことをいうなカスが」
アールマスは地面を転がって片腕の火を消した後ちょうど担任の教師が教室に入ってきてアールマスを保健室に連れていく。
「まぁあいつは自業自得だね。あ、そうだ。私ステッチにいうことあったんだ。でもステッチならわかってると思うし言わないでおくね」
え、言ってよ。わかんないからさ。頼むから言って。お願いしますだから。
カイリちゃんは自分の席に戻ると僕も自分の席に座る。カイリちゃんの言っていた僕に言うことってなんだろ?って考えてると教師が教室に入ってくる。
「えー。アールマス君のことは一旦おいておいて今日からこのクラスに新しい生徒、つまりは転校生だ」
担任の教師が僕らに言った後、教室に二人の女子生徒が入ってくる。一人は赤い髪に髪の毛をポニーテールに結んでいる子、もう一人は緑の髪のショートヘアー。手にはグローブをつけている。
先に赤い髪の女子が前に出る。
「自分はシンクと言うっす。冒険者をしてるっす。よろしくっす」
赤い髪の女子、シンクは軽い自己紹介の後、後ろに下がると緑の髪のショートヘアーの子が前に出て
「うちはグリグリ。よろしくねー。あ、名前あだ名とかじゃなくてグリグリって名前だから。うちもシンクと同じ冒険者だよ。よろしくね」
緑の髪のショートヘアーの子、グリグリは自己紹介した後後ろに下がると担任の教師は
「それじゃ二人とも、あそこのステイラン君の後ろの席が空いているからそこに座りなさい」
シンクとグリグリは「はい」と返事をした後に僕の後ろの席に座る。ん?僕の後ろの席って別の人がいたような。