モブはいじめをやめさせる
僕がカイリちゃんと初めて喋ったのは冒険者になる前だったかな。あの頃アルバイト生活をしていたんだけど、アルバイトが終わった帰りにたまたま路地裏から声が聞こえて通りかかった。
「おい!このクソ豚平民!調子乗ってんじゃないわよ!」
僕は路地裏の方を見るとそこにはギャルをいじめる陰キャっぽい大柄な女が三人いた。え?ギャルがいじめられてんの?普通逆じゃない?
「私、私調子にのってないもん!私はただあなた達に身の程を知ってほしいと」
「それが失礼なのよ!そんなこともわからないの!」
大柄な女の子達がギャルの女を蹴りはじめたくらいに僕の体は自然と動いてギャルを庇うように前にでる。体が自然に動いたのは多分彼女が僕と似ていると感じたからだ。カース君の扱いに。
「だ、誰ですか?も、もしかして私のファン?」
いや初対面......いやこのギャルクラスで見たことあるような。
「違うよ。僕は君のファンとかそんなんじゃ」
「いや、言わなくてもわかるわ。私のファンなんでしょ?もう私って隠れたファンが多くて困っちゃう」
ギャルは照れながら僕に言うがファンじゃないと言うのに勝手に思い込んでる。助けたの間違いだったかな。
「あんた何?あたしらそいつむかつくから今からボコボコにしてやろうと思ってるんだけど」
「まぁ話聞いてたらボコボコにしたくなるのはわかるけど複数でやるのはあまり感心しないかな」
僕は大柄な女達の前でかまえると女の子達は
「......いいわ。なんかしらけたし。カイリ。あんたこれからは調子にのらないことね」
「え?私調子にのってないって。モモアちゃん。私に嫉妬してるからって」
大柄な女のリーダー格的女にギャルの女、カイリはモモアというとモモアと呼ばれた女は
「やっぱあんたむかつくわ。あんた二度と私には関わらないで」
「そんな!モモアちゃん私の友達じゃないの!」
「違うわよ。あんたはもう友達じゃない。だから関わらないで」
モモアとモモアが率いていた女性二人が僕達の前から去るとカイリと呼ばれてたギャルがその場で地面にくずれおち泣きはじめる。
「う、うぅ!モモアちゃん。私はモモアちゃん大好きなのに。なんでこんなにうまくいかないの。私はただ友達がほしいだけなのにみんな私からはなれていく」
な、なんかさっきまで自信満々だったのに今は可哀想にしか見えないな。
「大丈夫だよ。えーとカイリちゃん?」
「うん。私はカイリ。よろしくね。えーと」
「ステイラン。僕はステイラン・スーだよ」