モブのかえってきた日常
アガート帝国との戦いが終わって数週間、僕達は王国に帰った後、カース君をサース様のもとに送り届けた。サース様のそばにはキョースもいた。
「アガート帝国ではご苦労だったね。仮面君」
僕はキョース達がいると思って仮面はつけたままカース君を送り届けた。
「俺は、兄者、俺は」
「愚弟。お前はしばらく城に住め。寮からは出るんだ。ただ前とは違い城に住んでる際行動は制限させてもらうぞ」
「な、何でだ兄者!俺は第二王」
カース君がいいきる前にサース様はカース君の顔にひらてうちをくらわせる。
「な、」
「王族だからと好き放題した結果こうなったことがなぜわからん。お前はそんなにバカだったのか?」
「ち、違う!俺がバカなんじゃない!アールマスのやつが王国を裏切ったから」
サース様はいいわけをするカース君に対しさらにビンタをあびせる。
「お前はやはり教育が必要らしい。余に対し劣等感を感じるのはかまわん。仕方ないことだ。だが王国の民に対し暴言をはいたり一方的に見捨てることはとても王族のやることではない」
「れ、劣等感なんて感じてなんか。俺は兄貴に」
「お前は余に劣等感を感じ余には勝てないと、越えられないと思ったから自分より身分の低いものを従え、見下したりしていた。余にも責任はあるからあまり口出しはしないようにはしていたが今回のことでお前には監視と行動制限をする必要があるとわかった。だから今回からは余に従え。わかったな」
「......わかったよ。兄貴に従う」
珍しく素直に従うんだな。なんか悪いものでも食べたのかな?
「俺も、今回は、少しだけ、ほんの少しだけ悪く思ってるよ」
ほんの少ししか思わない時点で酷いとは思うけどまぁいいか。反省って単語を覚えただけまだましか。
「今回は助かった。仮面の人にアークストームの皆さん。報酬ははずませてもらう」
大変な思いはしたけど報酬が高いならそれでいいや!
ところでカース君はアールマスに会ったって言ってたけどあいつはどこに?
「帝国はじきに滅び、余達テイス王国の領土になるだろう。ちなみに調査はしたがほとんど生きているのはまぁまぁなレベルの騎士だけでアールマスなどはいなかった。やつの特徴は今や顔に包帯をぐるぐる巻きにしているところ。そんなやつはいないと調査隊から報告がきた。おそらくだがどこかに逃げたんだろう」
サース様が僕達に言った後、頭を下げ
「改めて今回は助けられた。また何かあれば余からそちらに向かおう。君達はしばらく休むといい」
サース様に言われた後僕らはテイス王国の城から出て、僕は寮に、アークストームのみんなは冒険者ギルドに戻った。




