アガート帝国〜厄災のアガルフ 2〜
「お前だけは僕がどうなろうとも今ここで!」
「それは妾のセリフ。マルガレーが妾のものになる気がないなら今ここで殺す!」
マルガレーの攻撃を避けたあと、アガルフはマルガレーの顔面に向けて魔法を放とうとする。
「これで終わり」
「そんなわけないだろうが!」
アガルフの手をマルガレーが斬り落とし、魔法の発動を無効化する。
「うぐっ!」
「厄災と呼ばれてるお前の魔法だろうが当たらなければどうということはないし使われなければ意味もない」
マルガレーはアガルフに言うとアガルフはきられた腕の先に力を入れると魔法ではなく普通に再生するかのように腕が再生した。
「流石はつくられた存在。腕まで再生するのか」
「妾をそう作ったのはお前達人間だよ。これで終わ、」
アガルフは魔法を発動しようとすると再生したはずの腕が爆発する。
「!?」
「僕の武器のこと、忘れたわけじゃないよね?僕の武器には呪いを付与する効果があるんだよ。それでお前の腕が魔法を放つごとに爆発する呪いを付与した。再生したことは少し予想外だったけどね」
「そうだったわ。妾久しぶりにマルガレーと戦うし忘れていたわ。あんたの武器は呪いを付与するのに特化しているんだったわ。アールマスから聞いていたのを忘れていたわ」
「忘れすぎだろ。......アールマス?どこかで聞いたような」
マルガレーはアガルフの前で攻撃をやめるともう片方の手で魔法を放とうとするアガルフに剣を抜き、アガルフのもう片方の手も斬り落とした。
「これで終わりだアガート帝国にとっての厄災。もうこれ以上攻撃するのはやめろ。僕はできるならもうお前を斬りたくない」
「......何を、今更。今更そんなこと言われても、妾は、私は」
「もういいんだアガルフ。お前はよくやった。今もお前が放った魔法が帝国を壊そうとしている。よくないことだがお前の魔法はすごいよ」
「ほんとに、ほんとに遅い、のよ。私は、私はマルガレーがいてくれるだけで、それでよかったのに」
「......すまない。あの時は、お前のことを憎まずにはいられなかったんだ。お前が前の帝王を殺したことを。他のやつを恨もうと思えば恨めたし僕がわるいこともわかってはいる。だけどとどめを刺したアガルフ。お前は許せなかった」
「......もういいわ。生きるのも考えるのも疲れた。私はもうここで終わる。マルガレー。あんたはまだやることがあるなら生きなさい。あんたのとこの第二王子は地下牢にいるだろうから。まだ多分帝国が滅ぶ前には間にあうわ」




