モブは過大評価され続ける
「そんなに怒らなくてもいいよアゼンタ。あれがカース君だから」
むかつきはするけど多分変わらないだろうからな。王族なんてそんなもんだと思うけど。
「マスターは寛大すぎます。マスターの神のような目、そして頭脳、行動。それをあんなガキに制限される必要はないですよ」
ちょっとどころか過大評価がすぎるよアゼンタ。僕は小物だからそんなもちあげないでほしい。
「カース君のことはどうでもいいからどうしようか。ミルターが来るまで待つかい?」
「それは私にとっては嬉しいことですけどお忙しいマスターは大丈夫なんですか?」
僕は別に忙しくないよアゼンタ。むしろ学校とカース君と一緒に行動してないとダメな時間以外は暇だよ?
「ギルドマスター!ちょっといいかい!」
ギルドマスター室にいきなりおしかける女冒険者がいた。彼女は確か顔に傷があって赤い髪が特徴で姉御肌のアルビダさんだったかな?
僕はアルビダさんに気づかれる前に仮面を被るとアルビダさんは
「あれ?ギルドマスターいないのかい?それにサブマスターも」
「ええ。いませんよ。それよりどうしましたか?シルバーランクのアルビダさん」
「アゼンタ。あんたがいるなら心強い。あたいの後輩がテイス高原で強い魔物と遭遇したらしいんだよっ!後輩は血まみれで帰ってきて今は治療中だけどそんなやつがテイス高原にいるってなったらいつこの王国に入ってくるかわからないよ!だからあたいらで討伐しよう」
テイス高原に強い魔物!?まじかぁ。どうしようか。でも僕には
「わかったわ。後この仮面をつけている人も強いから連れていきます」
アゼンタが僕にウィンクしながら言う。待って待て。僕役に立てないよ?
「アゼンタが連れていくって言うなら大丈夫だろう。期待しているよ!」
アルビダさんはギルドマスター室から出ていくと僕はアゼンタに
「......僕も行くの?」
「当たり前ですよマスター。マスターがいないと私が強い魔物に勝てるわけないじゃないですか。アルビダさんの実力は認めてますけど私の戦いからは足手まといにしかならないです」
それなら僕はもっと役に立てないと思うんだけど?
「大丈夫ですよマスター。私はわかってますから。その表情すら演技だと」
みんな僕のことかいかぶりしすぎだって。僕そんなに強くないから。
「では私も準備して来ますからミルターが帰って来たら出発しましょう。ミルターもつかえますから」
そうだね。僕より全然使えると思うよ




