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身体測定③ 東京 大阪 北海道
「うっしゃあああ、一五四センチー!」
「嘘やー! わいが一五三センチなんて悪い夢やー! 誰か夢と言うてえなあああ!」
泣きながら否定する大阪を見下すように東京は笑い、饒舌に語る。
「ふはははは、いくら否定したところで俺の勝ちは変わらねえんだよ、これにこりたら二度とデカイ口きくんじゃねえぞチビ助」
「うっさいわ! 一センチくらいその時の計り方でいくらでも変わるわボケ! 阿呆! ハゲ!」
「はーはっはっはっ、なんと言うがいい負け犬め――」
フッと、二人を影で呑み込んだのはやはりというか、なんというか……
白い髪、立派なガタイには不釣合いな、だがメガネの似合うのは、
「俺は二一〇センチだったから五センチ伸びたが、お前らはどうだったんだ?」
勝った東京も、負けた大阪も、去年から一センチしか伸びてない二人は等しくその場に崩れ落ちた。




