破れた青春の一ページ 東京 大阪
この物語はバカな作者の独断と偏見と誇大妄想であり実在のあらゆる存在とは何の関係も無い完全なるフィクションです。
どんな展開でも文句を言わない聖者のような心でてきとうに流し見てください。
「よし、今日から俺も高校生だ」
高校の校門で東京は握り拳を作りこれから始まる三年間を思い浮かべる。
「やっぱ高校生になったらみんなと一緒に街で遊んで彼女作って学校際で盛り上がってそれからそれから……」
ドドドドドドドドド!
心の中で青春の一ページを開こうとする東京に砂塵を纏いながら猛進する影、そして次の瞬間に――
「死ねぇえええええ! 東京者!!!」
大阪の足が東京の後頭部を蹴り抜いた。
「ぶぶるぁああああああ!!」
と、ギャグマンガのような悲鳴を上げて東京はうつ伏せに倒れ込む。
たった今、東京に飛び蹴りを見舞った小柄な、それこそ小学生と見間違うような男子は東京と同じ制服を着ている事でかろうじて高校生だと認識できた。
「って、てめぇは一体何しやがんだー!!」
東京が勢いよく起きて怒鳴る。
立ち上がって大阪を睨みつけると、目線はほぼ同じ、つまり東京も大して変わらない背丈なのである。
「ワイの名前は大阪や、なんか文句あるんか!?」
「おおありだボケ! なんで俺が見ず知らずのお前からいきなり飛び蹴り喰らわなきゃなんねーんだよ!!?」
真剣に問い質す東京に、だが大阪は真顔で……
「そんなんお前が東京者だからに決まってるやろ!!」
「そんな理由で人を蹴るな!!!」
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