諦めなければ
※前回、生まれた邪神の顔なのですが、目口のない顔、ではなく、目鼻のない顔です。修正しましたのでご理解のほど、よろしくお願いします。
少し、回想入りますね。
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アイドル衣装を手渡された私が、タビノスケさんをサンドバッグにしていた時の話です。
「あ、ポロラ殿、ちょっとタンマ」
6本の刃の尻尾で攻撃していた私は、彼の触手によってがんじがらめにされてしまいました。……触手プレイがお好きなのですか? この変態め!
「いや、こうでもしないと話きいてくれないじゃないでござるか~。苦肉の策でござる。別に興奮してないで候う」
え~、本当でござる~?
じゃあ、攻撃をやめますから、解放してくださいな。能力も停止させますから。
そう言って、私は黒籠手を手袋の状態に戻しました。刃の尻尾と、増えた分の尻尾が消え去り、通常の狐さんモードに戻ります。
それを確認したタビノスケさんは私の身体から触手を引かせていきました。
「これで話ができるでござる……。ポロラ殿、ちょっと真面目な話がしたいのでござるが……時間は大丈夫でござるか?」
その時は、不届き者を始末することくらいしかやることがなかったので、私は問題ない事をタビノスケさんに伝えました。
すると、彼は一つ目をにんまりと細めたのです。ちょっと怖かったですね……あれ……。
「それは良かったでござる! それじゃあ今から、身体の動かしかたのコツを教えてあげるであげるでござるよ! きっと、もっと上手に能力が使える様になるでござぁ!」
動かしかたの……コツ?
私は最初、何を言っているのかわかりませんでした。
このゲームは私程度の脳みそでは理解できない、最先端の技術により作られたフルダイブ型のVRゲームです。
ざっくりとした仕組みとしては、プレイヤーの脳波を読み取り、プレイヤーキャラを動かしているそうです。
なので、コツも何も、思った通りに身体が動くので、何も教えてもらうことはありません。
……しかし、そんな考えを打ち壊すかのように、タビノスケさんはこう言いました。
「人間には、尻尾も生えてなければ、触手もないでござる。なのに、拙者達は当然の如く動かせているか、考えた事はあるでござるか?」
その言葉には、不思議な説得力があったと思います。
私もそれを聞いてハッとしながら尻尾を動かしました。……もふりもふりと自由に動かせます。
あれ? そう言えばなんで動かせてるんですかね? 普通に腕や手と同じように動かす事ができてるんですけど、よく考えてみたら不思議です。
……ん?
それを言ったら、タビノスケさんは大量の触手をどうやって操っているのでしょうか? ……もしかして、火星人だったりします?
「しないでござる。リアルは普通に人間で候う」
タビノスケさんは否定をするように、くにっくにっ、と触手を左右に振りました。
「どうやら、非人型のプレイヤーキャラの動きは、普通の人間の動きと同期しているそうでござる。例えば、拙者が移動しようと考えると、勝手に触手が動いて前進することができるのでござる」
えーと、つまり普通の身体を動かすように意識すれば、その身体でも不自由なく動けるということですかね?
私が答えると、タビノスケさんは拍手をするように触手を動かしました。
「正解! この触手も、指を動かす感じで個別に扱えるのでござるよ。システムからの補助のおかげという話でござるな。なんか擬似的な神経みたいなのを作って、それを脳に繋げているとかなんとか……」
脳に繋げる……。
なんか、えぐいワードが出てきたのですが、大丈夫ですか? このゲーム。
小説のVRMMOみたく、デスゲームとか始まりそうで怖いんですけど?
「なんか今の技術じゃできないらしいでござるよ? 夢の中で死んだときみたいに、ビックリして飛び起きる程度しかできないとか」
実際に試してみた方がいたのがビックリなのですが……。
えーと、とりあえず私が尻尾を動かせるのは、擬似的な神経が作られているから、ということですね?
それが、私の身体の動きと何が関係あるのですか?
その質問に、タビノスケさんは落ち着いた声で答えます。
「これは推測でござるが……、ポロラ殿が能力を使うと増える尻尾……これは擬似神経が増えているのと同じだと思うでござる。つまり、ポロラ殿は自由に動かせる腕を、3本多く持っているということで候う」
まぁ、そういうことになりますかね。
それで何が言いたいのですか? まさか、尻尾に武器を持たせて戦えと?
「まっさか~、でござる。……逆に、3本しか自由に動かせないという事でござるよ。さっき6本の尻尾で攻撃しているとき、まったく自分が動いていない事に、気付いていたでござるか?」
……え。
思い返してみれば、私が大爪や尻尾を展開していた時、それを動かす事だけに集中していていました。
言われてみると、その場に立ち止まって攻撃していたと思います。
いえ、1個や2個なら私も動きながら操作することができます。別に集中しなくても、まるで自分の身体を動かすように……。
「ポロラ殿の能力は、疑似神経を接続できる武器を作る事だと推測しているでござる。つまり、3本の尻尾と両腕の神経を武器に繋げて操作しているのでは? だから、多くの武器を使おうとすると、本体の動きが止まってしまうのでござる」
ほぇ~……。
ちょっと感心してしまいました。
できるものはできる。私としてはそうとしか考えていませんでした。なぜ思った通りに動くのかなんて、まったく考えていなかったのです。
流石、身体が触手でできているだけはありますね……。
「あ、拙者のは『プレゼント』の能力で、自由に動かせるているだけでござるよ? めっちゃシステムの恩恵を受けているで候う」
あ、そういう感じですか。
ちなみになん本位動かせるんです?
「ん~、武器を装備できるのは13本でござるな。全力で攻撃すれば1回の攻撃で、最大で52回攻撃判定が出るでござるよ」
おぉ……。凄いですね……。
追加行動の効果がある装備を付ければ、攻撃判定が2回出るようになるのです。そしてスキルの『二刀流』を鍛えても同じ効果が発生します。……私も二刀流は鍛えてますし、同じことができるのでは?
尻尾と両腕、5つの大爪か尻尾で攻撃ができるというわけです。
5の4倍で、最大20回の攻撃判定……。タビノスケさんには届きませんが、充分な火力を期待できるでしょう。
それじゃあ、私は沢山の武器を操作しながら戦う練習をすれば良いのですね! それでは、早速……。
そう言って大講堂に向かおうとする私を、タビノスケさんは触手で引き留めました。お腹に巻かれて持ち上げられます。
「それは、違うでござる。もうちょっと拙者の話を聞くでござるよ」
ええ~。
もう、お説教はいいですから、早く殴らせてくださいよ~。
私は持ち上げられたまま、手足をじたばたさせました。
「はいはい、後でいくらでも殴らせてあげるでござるって。……ポロラ殿、手数の多さと強さは、決してイコールになるとは限らないでござる。自分の全力を出せる身体の動かしかた……プレイスタイルを探すので候う」
プレイスタイルですか~……。
爆発物とか大技で圧倒して、捻り潰すのが大好きなんですけど……、アリさんを潰すようにウジ虫さんをキルするのが、もう、楽しくて楽しくて……。
私は恥ずかしながら、自分の趣味を打ち明けました。これ言うと、大体引かれます。
しかし、それを聞いて目の前の触手さんはウンウンと頷きます。思うところがあるそうです。
「わかるでござるよ? 雑魚を蹂躙しながら戦場を駆け抜けるのは、癖になるでござぁ。……けど、強敵相手には、そういう戦い方は通じないで候う。堅実な戦い方も覚えておいて損はないでござる」
確かに……それはあるかもしれません。
それでは、新しいプレイスタイルの開拓の為に、ちょっと手伝ってもらってもよろしいですかね?
「もちろんでござるよ! 拙者もレベル上げをしたかったところでござる! 一緒に修行するで候う! いぇ~い!」
いぇ~い!
そんな感じに意気投合した私達は、疲れはてるまで、お互いに殴り合って修行をしたのでした……。
そういう経緯があり、色々と試した結果。
本気で戦う時は、両手両足の疑似神経は武器に接続しない事にしました。尻尾の分の3本を使い、大爪を展開するべきだと。
そして、大爪は武器として使うよりも、盾にしたり、移動するための足場に使うなど、戦闘の補助として使用し、武器は手に持って使うスタイルにしました。
こちらの方が、様々な状況に対応できます。
ちょうど、現在のような状況ですね。
さて、どこまで通じるのやら……。
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生まれ落ちた邪神は、へその緒で繋がった母体を引きずったまま、私と戦っていました。
そのせいなのか、移動スピードは遅いようです。……が。
「uAaaaaaaaaaa!」
邪神は赤ん坊のような叫び声を上げながら、その長い爪を使い、私に切りかかります。
その攻撃の速さは、私が反応できるギリギリのものでした。……くっ!
手にもった槍では受け流す事はできない。そう考えて瞬時に大爪で攻撃をガードします。
大爪は攻撃によって砕け散りますが、こちらのHPは減っていません。
私は一度距離を取り、残りの2本を邪神に向かって射出しました。これで少しでも相手のHPを削っていくつもりだったのです。
けれども、大爪はその身に届く前に、邪神の攻撃によって砕け散りました。……ちっ、どんな反射神経してるんですか。
舌打ちしながら、私は大爪を再度展開します。少し違う攻め方を試した方が良いでしょう。
深呼吸してから、腰のベルトに装備していた新しい武器に手を伸ばします。先程オススメされて買った爆発物……。
破片手榴弾です。
私は一気に邪神との距離を詰め、敵の間合いギリギリまで接近しました。
口で手榴弾の安全ピンを引き抜き、大爪を一本射出しながら、相手の足元へと転がしました。
予想通り、邪神は飛んできた大爪に反応し、手榴弾に対してはアクションを見せません。……よし! そのまま吹き飛べ!
私は爆風から身を守るため、大爪二本を壁にするように地面に突き刺しました。
周囲を震わせる衝撃と共に、耳をつんざくような爆発音が響きます。地面の石畳が吹き飛び、その破片が広場に散らばりました。
でも……これで終わりじゃ、ありませんよ?
私は壁にしていた大爪の形を変化させ、槍の形にして打ち出しました。……どうせ死んでいないのでしょ!? だったら死ぬまで、徹底的にやってやりますよぉ!
新しい盾用の大爪も生成し、私は邪神に襲いかかる為に壁から飛び出ました。
そして、そこに居たものに驚き、ぎょっと目を見開きます。
確かに、邪神はそこにいました。手榴弾による爆発は効いていたようで、身体から血が流れていました。
しかし、打ち出したはずの槍は、あるものによって防がれていたのです。
それは、邪神の爪によって固定され、まるで盾の様にも見えました。突き刺さった鋭い爪が、背中から飛び出しています。
……まさか、母体を使って……防いだというのですか?
私は驚きを隠せませんでした。
それを理解したのでしょうか、邪神は私の事を見て口元を歪めると、気味の悪いニンマリとした笑みを浮かべたのです。
邪神は脚に力を込めるように屈むと、弾丸のように私に突っ込んできました。
先程と比べ物にならない速さに、慌てて大爪を盾にします。
しかし、邪神は一振りで全ての大爪を凪ぎ払ってしまいました。その後、続けざまに私に向かって膝蹴りを繰り出してきたのです。
その攻撃は避けることができず、私は後方へと吹き飛ばされました。
地面を何度かバウンドして、建物の壁に衝突します。その衝撃で壁は崩壊し、中の壁に衝突してやっとで私の身体は止まったのでした。
……そ、そんな。ここまで強いというのですか?
HPも殆ど無くなっていました。
ギリギリのところで盾を作り出して受け止めたのに、このダメージ。……何もしなかったら死んでましたね。
そう思っていると、勝手に笑い声が出てしまいました。ははは……。
文字通り、レベルが違いすぎます。
装備を変えて、耐性も防御力も上がりました。戦闘スキルが上がる効果も付いた物を選び、火力も少し上がっているはずです。
なのに、ここまで何もできないとは……。
まるでゲームを始めた時に戻ってしまったかのようです。
これはダメですね。
私が持っている手札では対抗することはできません。あることにはあるのですが、それはまだ貰えていませんし、効果があるのかもわかりませんでした。
最後の希望として、今は逃げてしまうのもアリですね。……その希望への道も、無くなったのですが。
壊した壁から、こちらに歩いて来る邪神の姿が見えました。邪魔だった母体を手に持ったおかげで、機動性が上がったようです。
意地でも私を殺すつもりなのでしょう。くっそしつこいです。……やってやればいいんでしょう? 足掻いてやりますよ。一擊入れてやります。
私はゆっくりと立ち上がり、先程と同じ様に3本の大爪と一本の槍を作り出しました。
もう盾にして使うとか、そんな面倒な事はしません。今、出来ることは……特攻のみ!
私は大爪と共に、邪神に飛びかかりました。
まずは大爪が着弾します。
しかし、それは母体の盾によって防がれてしまいました。……よし! 開け!
私がそう念じると、大爪は形を変え、邪神を覆う様に広がったのです。
当然、邪神はその手に生えた爪で、刃の幕を切り捨てました。……その隙があれば、充分なのですよ。
私はタイミングを合わせて、手に持った槍を突きだしました。
目隠しから繰り出す攻撃、既に相手の間合いに入っている、捨て身の一撃。
攻撃を繰り出した時点で、私の視点は変わっていたのですが、そんな事はどうでも良い話です。
第三者の視点から見えた光景は、邪神と刺し違える狐娘さんの姿でした。
私が繰り出した攻撃は、しっかりと邪神に届いていたのです。槍の穂先が、邪神の胸に突き刺さっていました。その代わりに、母体を貫通していた爪が私のお腹を突き刺してしまっていましたが。
命を投げ出さなければ、攻撃は届くことはなかったでしょう。そして、この命は最後まで利用させていただきます。
私の身体が弾ける直前に、ごとりと地面に何かが落ちました。死ぬ前に身体から離れましたから、私と一緒に消えなかったみたいですねぇ?
……ははっ、くらえ!
転がり落ちた手榴弾が、私の残骸を巻き込みながら、炸裂したのです。
邪神はその爆発を至近距離でくらい、噴水広場に吹き飛ばされました。
どうですか! レベルが低いからって何もできないわけじゃ無いんですよ! 結構なダメージが入ったはず……。
え……マジですか?
視点を移動させて確認できたのは、何事もなく立ち上がる、邪神の姿でした。
槍と手榴弾で与えた傷は残っていましたが、致命傷に至る事はなかった様です。そのまま歩きだし、噴水広場から去って行きました。
私は愕然としながら、その様子を見ていたのです。
どう足掻いても、これしかできなかったのですか……? 全力を振り絞ったのに……。命まで投げ出して……。
…………。
仕方がないですね。ゲームなんですから、弱かったら負けるに決まっているでしょう。
私がまだ、弱かっただけという話なのです。
そう思って、自分自身を納得させます。じゃないと、イライラでどうにかなりそうでしたからね。
そもそも、私は楽しみたいからゲームしているんですよ。この力で暴れまわって、スッキリしたいんです。
こんな主人公が戦うような、中ボスを相手に立ち回る予定なんてなかったんですよ。こういうのはトッププレイヤーの方々が何とかするものですし?
べ、別に負けたからって悔しく無いですもんねー!
ねー……。
…………。
いや。いやいやいや。
やっぱり……無理ですね。
だぁあぁぁぁぁぁぁ、もぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!
めっちゃ悔しいんですけどぉ! なんですかあれ! 攻撃は通じないわ、やたら一撃がキツいわ、見た目グロいわで……。
ふざけんじゃ無いですよ!
あんなん倒せるわけないじゃないですか! レイド戦だって言われても納得できませんからね! 勝てるレベルで調整しなさいよ! 運営め~!
それから死に戻りしてきた奴ら! 見てないで戦いなさいよ! こっちも見えてますからね!?
私が死ぬのを見ながら、宴会すんなー!
だー! 誰でもいいですから、誰か私を復活させなさい! ゾンビアタックしてやります! 不死身のプレイヤーをなめるんじゃないですよ! 諦めなければ終わりではないのです!
何日かかってでも、何をしてでも……!
絶対に、ぶったおして上げます!
『わかりました。その願い、叶えましょう。……『パーフェクト・リターン』!』
はへ?
誰かの復活呪文が聞こえたと思ったら、私はビギニスートの教会にいました。
綺麗なステンドグラスに見覚えがありますから、間違いではないでしょう。
どうしてここに? というか、さっきの声って……。
「狐さん、貴女の覚悟……聞き届けました」
!?
貴女は……!
聞こえてきた声に反応し、私は振り向きました。
そこには、青く柔らかな髪をした、純白の翼を生やした少女がいました。私の事を優しく微笑みながら、まっすぐに見つめています。
この世界の主神であり、最後の邪神……『聖母のリリア』……。
私が会いに行こうとした存在が、そこにいたのでした。
「既に私の正体に気付いているそうですから、細かい説明は省きましょう。……貴女は『怠惰』の邪神を打ち倒したいのですね?」
そう言いながら、彼女は私に向かって手を伸ばします。……もちろんです! 負けたままというのは嫌ですから!
私の答えを聞いたリリア様はコクりと頷きました。
「わかりました。貴女に、私の邪神に対する力……『強欲』のギフトを差し上げます。この世界を守るために、力を振るいなさい」
そう言い終わると、リリア様の手から光の玉が飛び出して、私の中に入って行きました。
そして、目の前にウィンドウが表示され、幾つかのスキルを修得したと、表示されたのです。
「さぁ、お行きなさい。今ならその力を自由に使えるはずです。貴女の旅路を……私は祝福します!」
そう言って、ステンドグラスから伸びる光に照らされたリリア様は、キラキラと輝いていて……最後の邪神なんて嘘みたいな……。
とても素敵な、女神様の姿をしていたのでした。
「あ、力の代償は私に毎日お菓子を捧げる事です。死活問題ですので頼みますね? 貰えないと拗ねちゃいますから!」
ああ、リリア様……せっかく女神様らしかったのに……。
結局ただの幼女じゃないですか~……。
・女神の分霊
女神達は本体と分霊が存在する。願いによって降臨した女神は本体であるが、プレイヤーを見守っているのは、各人を担当している分霊であり、仲間にした女神も分霊である。ちなみに、分霊の体験した事は本体も知っているが、分霊には本体の情報は入ってこない。
・とある分霊のお話
?「リリア様、今日から3時のオヤツはありません。少しダイエットしてください」
リリア「え"。冗談ですよね? というか太ってないです! ちょっとふくよかになっただけです!」
?「残念ですが世間ではそれを太ったと言うのです……。そのくらいが良いのに……」
リリア「あ! 今の子猫ちゃんに言いつけるから! チクって欲しくなかったらお菓子ちょうだい!」
?「でも、あげたらカルリラ様に怒られちゃうんで……、俺死にたくないんで……」
リリア「う~! 私とカルカルどっちが大事なのですか~!」
?「どっちも大事ですよ? 当然じゃないですか、女神様はみんな可愛いと思ってますが?」
リリア「このどっちつかずの浮気者め~! 子猫ちゃんに言いつけてやる~!」
?「だからそれだけは……、って、どこ行くんですか!? ちょ、マジでやめて!?」
……平和である。




