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プレイヤーキラーの狐さん

「『戦闘狂』、ここに呼ばれた理由はわかっているか?」


 イベントの打ち上げから数日後の事です。


 私は『ノラ』の会議室に呼び出されておりました。


 中に入ると、チップちゃんとチャイムさんを除く幹部の皆さんが重苦しい表情で私を見てきましたので、何かあったのだと言うことはすぐにわかりました。……さて? なんのお話ですかね?


 心当たりが多すぎて何から謝れば良いのかわかりませんよ。ここ最近は街を歩いているだけでウジ虫が(たか)って来ますので、私も困っているのです。


 例外なくミンチにしてきましたけれど、なにか問題ありました? まさか殺されたからってクランの方に苦情が来たとかそんなお話ではないですよねぇ?


 私がそうやって軽口を叩くと、幹部の一人がため息と共に言葉を漏らします。


「そういう話なんだよ……お前に殺されたって奴等がここぞとばかりに苦情を入れてきた。真偽はわからないが、クランの運営をしているこっちからしてみればいい迷惑さ」


 ……ツキトさんとの決戦が終わってから、私は色んな方々に勝負を挑まれていました。


 街中を歩いている時に堂々と勝負を挑まれるなら良い方で、中には私がログインしてきた瞬間を狙って攻撃を仕掛けて来るような輩も居りましたからね。容赦する理由が全くありませんでした。


 しかしながらこのゲームにおいての命の価値なんてその辺に落ちているクズよりも低く、返り討ちにあった?それで?程度の話で終わります。


 普通ならば。


「君の名前は有名になっちゃったからね。有名人の常識外れな行動一つで、常識人の皮を被ったバカははしゃげるんだ。……クランの評判が少し下がる位にはね」


「しかも『魔王』様にも手を出そうとした事で、かなりのプレイヤーを敵に回した。クラン内部でも、お前の事を良く思っていない集団はいる……」


 それはそれは、迷惑な話ですねぇ。


 それで、結局何が言いたいのですか? 具体的に私にどうしてほしいというのです?


 苦情を言ってきた奴等のクランを根こそぎ斬り殺して来れば良いのですか? それとも、よって来るウジ虫共を狩り尽くしましょうか? それとも、子猫先輩を狙ったことを謝ればいいんです?


 言ってみればいいでしょう、もしかしたら素直に言う事を聞くかもしれませんよ?


 そう言って私はニコリと笑顔を作りました。


 すると幹部の皆様の顔は苦しいものに変わります。それは怯えているような、戸惑っているような印象を抱かせました。


 しかしながら、私の目の前に座っていた方が覚悟を決めた様に口を開きます。




「『ペットショップ』の二の舞を踏むふむわけにはいかないんだ……! 頼む、『ノラ』から出ていってはくれないか?」




 ……なるほど。そういうお話ですか。それは仕方ありませんね。


 私は今更感を覚えながらも、肩を竦めながら続けます。


 チップちゃんとチャイムさんは何と仰っていたのですか? 貴方達の独断で決める事はできないおはなしでしょう。


 こんな常識知らずの身ではありますが、お二人とは仲良くさせていただいています。にも関わらずこの場にはいないじゃありませんか。


 どういうことか説明をいただけますか?


 理由によってはこの部屋が赤い花で染まることになります。


 私は大爪を展開して幹部の皆様の周囲に撃ち込みました。


 しかしながら、クラン『ノラ』の幹部の皆様は『ペットショップ』時代からチャイムさんと一緒に活躍してきた猛者達です。この程度では黙って震える位です。


「ちゃ、チャイムさんは今みんなに君がクランを去らなきゃいけない理由を説明しているよ。ついでに反抗する人達を力で説得している頃だね」


「お前はこのクランに必要な人材だ。だからこそこの選択は皆反対するだろう。……止められるのはチャイムさん位だ」


「それと長については……察してくれよ、一番反対したのはあの子なんだから」


 皆さんの表情は真剣です。


 彼らが言っている事に嘘、偽りは無いように見えます。部屋の外が騒がしいですし、反対している人が多いという予測も当たっているのでしょう。


 というか部屋の扉……もとい部屋の壁が吹き飛んだので確定です。チャイムさんはいったい何をしているんですかね?


「ウゴォォォォォォォォォ…………!!」


「直談判に来ました! 命が惜しかったらポロラさんを追放するなんて戯言を撤回してください! しなきゃリスキルです! 覚悟!」


 巨大化したオークさんと、その肩に乗った金髪ちゃんです。貴方達どちらかと言うと新入りでしょうが、問題起こしてどうするんです。


「経験値の元を逃がすとか何考えてんだ! ここは効率良く修行できるクランじゃなかったのかぁ? ああん!? ところでゴキ部屋増設の案はどうなった?」


 修行中毒の方々です。


 流石ステータスを上げることに命をかけている狂人は違いますね。私の事を都合の良いアイテムとしか見ていません。


 チャイムさんの妨害を越えて来た方々の迫力に、幹部の皆様も慌てた様子を見せました。チャイムさんが全力を出せば彼らを止めることも難しく無いと思ったのでしょう。


 彼らは慌てて戦闘態勢に移行しようとしますが……その内の一人の首がコロリと落ちました。


 見ると黒子がクナイを構えてそこに立っています。……貴方もですか、黒子くん。


「オレにはポロラねぇちゃんを追い出す意味がわからない。だって何もおかしな事はしてないじゃんか、追い出そうとしている奴が出ていけばいい」


 声は冷静ですが目がギラギラと輝いていて正気を失っていることは一目でわかりました。怒りで我を失っているみたいですね。


「弟くんの言うとおりだ! 楽しくプレイする事の何が悪い!」

「そうだぜ! 妹ちゃんのせいでクランが危険になるってぇならよぉ、俺達が守ってやるよ!」

「悲しいなぁ……幹部とあろうものがこんなにも消極的とは……!」

「こちとら刺激が足りねぇんだよ。ようやく楽しくなってきたところじゃねぇか」

「ということだ! 幹部共! 俺達お兄ちゃんは妹の味方だ! テメェらの言うことなんか聞くわけがねぇ! 死ねやぁ!」


 自称お兄ちゃん’sが現れ、リーダー格の魔術師さんが杖で地面を叩きました。


 すると部屋中に魔法陣が現れました。どうやらクランハウスの至るとことに魔法を仕込んでいるみたいですね。……仕方ないですねぇ、もう。


 私は大爪を操作して幹部の方々の周りに防護壁を展開しました。


 魔法からの攻撃をギリギリで防ぐことができたようで、地面に伏せながら安心した様な表情を見せる幹部の方々の姿を見ることができました。なっさけないですね。


「っ!? 妹ちゃん! なんで……!」


 ……なんでって、私が納得しているからですよ。


 私は、私の為に駆け付けて来てくれた方々にゆっくりと振り返りました。


 実のところ、事前にそういう話は聞いていたんです。ですから、いつになったらこの話をされるのかと思っていました。嘘じゃありません。


 チャイムさんも言っていませんでしたか? 私は彼に暫くお暇をいただくという事をちゃんと伝えていましたよ?


 それを言うと皆さん気まずそうな顔をしました。痛いところを突かれた感じの顔ですね。


「い、いや、その聞いてはいましたが……」


 オークさんも身体を縮めて弁解に入りました。


「だって、ポロラさんが納得するわけ無いと思ったんです! チャイムさんだって止めに行きたいなら止めないって!」


 おや? そうなのですか?


 けれども、私も考えていたんです。


 これ以上、私がしてきた事が原因で皆さんに迷惑をかけるわけにはいかないと。


 チップちゃんから直々にお話もされていましたから、皆さんも納得してくださると嬉しいです……。


 そう言いながら私は部屋の外に向かって歩き始めました。


 すると皆さんが私の邪魔をするように目の前に立ちはだかりました。……だから言ったじゃないじゃないですか。もう全部、納得したことなんですよ。




 ねぇ、チャイムさん?




「ああ。残念……だがな」


 私の視線の先にはチャイムさんが立っていました。


 その姿を見て、集まっていた方々も動きを止めました。それはそうですね、その手には神器のレイピアを携えていますから。返り討ちに合うのは目に見えています。


「クランの戦力、運営の観点から考えてもポロラの存在は惜しい。しかしだ、彼女は初心者向けである『ノラ』の枠に収まる存在ではない。……俺は次の舞台に彼女を送るべきだと思っている」


 チャイムさんは顔をしかめながらそう言いました。……そう言ってくださると助かりますよ、チャイムさん。今までありがとうございました。


 私はそう言って彼の横を通り過ぎます。


「ぽ、ポロラさん! これでお別れじゃありませんよね!?」


 金髪ちゃんが叫びました。


「そうだぜ! 死んだらここに戻ってくんだろ? だったらその時には武器を作ってくれよな! 待ってるからよ!」


 楽しそうな修行中毒のプレイヤーさんの声も聞こえて来ました。


「待ってよ! イベントの時には戻って来るよね!? オレ、ねぇちゃんがいないのは寂しいよ!」


 黒子くん……。


「……覚悟が決まっているのなら止めはしない! 行け! 妹の活躍を俺は期待しているぞ!」

「いくなよぉ! もっと俺達と遊ぼうぜぇ!」

「黙れ! ここは喜ぶとこだろうが! 俺達が口出すところじゃ……ねぇんだよ……!」

「放置プレイか? ……辛いな」

「馬鹿野郎! 俺達が追いつくんだ! ……待っててくれ! 俺達も妹ちゃんと同じ位強くなるから!」


 変態共……。


「いつの日か……いつか貴女を越えて見せましょう! だから、その時まで自分は修行を続けます! きっと会いにいきます!」


 オークさん……。


 今までお世話になった方々の声援を受けながら、私はクランを後にしました。


 もう決めていた事なのに、私がいると皆さんに迷惑がかかるとわかっていたはずなのに……。




 自然と目から何かが零れ落ちてしまっていました。情けない話です。




 まったく、これじゃあ全然覚悟なんて決まっていないじゃないですか。


 流れ落ちる涙を拭って外に出ると、そこには狩人の様な服装をしたチップちゃんの姿がありました。


 彼女は私の手をとって優しく声をかけてきます。


「お別れは……もういいの?」


 ……ええ、大丈夫です。行きましょう。




━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━




 本当に良かったのですか? 私と一緒に来るなんて……。


 街の路地裏を歩きながら、私の隣にいるチップちゃんにそう問いかけました。


 本来ならばクランの長であるチップちゃんが長期間留守にするなんてないのですが……。


「いいのいいの。アタシ……いや、私が居なくてもチャイム達がいれば大丈夫、結局はお飾りのリーダーだったしね。それに、ポロラは放っておいたら何をするかわかんないじゃん。お目付け役ってやつだよ」


 そういう感じです?


 更に裏路地を奥に進みながら私はそう返事をしました。


 どうやら私が問題を起こすのを止めるならば、チップちゃん位の実力が無いといけないということでこういう形になったみたいです。……ま、そういう事なら助かるんですけれどね。


「そうそう、それにクランでジッとしてるのも飽きちゃったから。私も冒険に行きたかったんだ。……ところで今はどこに向かっているの?」


 チップちゃんは周囲をキョロキョロと見回しますが、ここはコルクテッドの路地裏なので周りは壁しかありません。


 ですので、チップちゃんには絶対にわからないと思います。……今はですね、ツキトさんと子猫先輩の拠点に向かっているんですよ。


 私がそう言うと、チップちゃんはキョトンとした顔をして、んー?と言いながら首を傾げました。なにこの子、可愛いな。


 何か変だと思っていたんですよ。


 ツキトさんって滅多な事じゃ自分から手を出したりしないでしょう? ましてや格下に対しては油断しまくりでしたし。普通なら絡まれても相手にすらしないのではないのですか?


 にも関わらず、私はこの裏路地で彼に殺されたのです。変だと思いません?


「それは……確かに変な話だとは思っていたけれど……」


 そして、私が初めて子猫先輩と出会ったのもこの裏路地でした。


 いくらコルクテッドの裏路地が入り組んでいて姿を隠すのに最適とはいえ、あの二人と何度も出会うだなんて出来過ぎています。


 この場所にいたのには理由があるのです。


 ここまで言えば……わかりますよね?


 私がそう問いかけると、チップちゃんは真剣な顔でコクリと頷き、




「実はご近所さんだった……?」




 冗談なのか本気なのかよくわからない事を言いました。そんなわけないでしょ。というかキャラ、キャラの方向性が迷子。


「完全素の私はこんな感じだからよろしく。……ま、冗談はおいとくとしてなんとなくわかった。いつもいきなり現れるから、どこかにあるとは思ってたけど」


 だいぶキャラ違くないです?


 しかしながら心当たりがあるのならば話は早いですね。


 私が殺された理由はツキトさんが言ったとおり邪魔だったからです。そこにいられるとマズイからこそ私は殺されたのですよ。


 何をするのかを見られると都合が悪かったんです。


 では、一体何をしようとしていたのか?




 簡単です。彼等は自分達の世界に帰ろうとしていたのですよ。




 『帰還』の魔法を使えば一瞬で拠点に帰ることは可能です。しかしながら、彼等の拠点は裏ダンジョンにあって、生半可な実力では入口で追い返されてしまうレベルだと言っていました。


 いくら彼等が強いとはいえ、最初から簡単に攻略し、拠点を設置できていたとは考えにくいです。


 ですので、中間地点の様な物を作っていたと考えるのはおかしなことではないと思います。


 そこからこっちの世界に移動していたのではないかと私は予想しました。ミラアさんの能力を使えば、簡単に帰還ポイントを作れますからね。


 そして、子猫先輩がこの路地裏に姿を現したという事は、この街に来る為に帰還ポイントを残している可能性は高いです。私達もあの場所に行って『帰還』を使えばあの世界へ行くことができるでしょう……。


「わかった。つまり今度はそこに行って修行するって事ね。こうやってどこかに行って修行するって久々で、ちょっと楽しみになって来た」


 そう言ってチップちゃんは笑っていますが……違いますよ? 私は子猫先輩に会いに行くのです。


 なんて言ったってお願いされていますのでね、絶対に、何があっても行かなくてはならないのですよ。


 私はニヤリと笑ってチップちゃんに笑って見せました。すると彼女はそれがどういう意味かわかったようで、苦笑いをして私を見詰めてきます。


「……マジ?」


 マジです、大真面目です。


 と、言うことでパパっと行ってしまいましょう。実際、本当に帰還ポイントがあるかはわかりませんからね。


 私は歩きなれた裏路地をスイスイと進んでいきました。それにチップちゃんも続きます。


 そして、私が殺された場所に辿り着くと思ったその時です。


 行き止まりの奥から声が聞こえて来ました。


 それは誰かと何かが争っているようで……。




「こ、コラ! それはわたくしが先に見つけたお肉です! 返せ! 返して! がえじでぐだざいお願いじまず〜! あぁ!?」




 というか、一方的にやられているようで……。


 聞き覚えがある声だったので黙って聞いていると、裏路地から勝ち誇った顔で何かの肉片を加えた野良猫が出てきました。流石魔境コルクテッド、ただの猫さんもお強い。


 ひょこっと顔を出して行き止まりを覗いて見ると、そこには土にまみれたガッカリの化身の姿がありました。


「くぅぅぅぅ……! 他の神の力があればぁぁぁぁ……! くやしぃ〜!!」


 何やってんですか貴女……。


 猫にすら負けるなんて落ちるところまで落ちましたね、ディリヴァ。どうしたらそこまでみっともなくなれるんです……?


「これは酷い……」


 チップちゃんと一緒に憐れみの目で見つめていると、地面を転げまわっている幼女はハッとして起き上がり、私に飛びついてきました。何事?


「お願いしますぅ!私の信者になってくださぁい! 今なら私が付いてきますよ! 貴女のパーティに女神いりませんかぁ!?」


 あ、いらないのでお帰りください。


 私は必死に抱き付いてくるディリヴァを引っぺがし、行き止まりの奥に歩を進めました。


「ちょっと可愛そうだけど、これから危険な場所に行くからしかたないか。……あ、『帰還』使ったら『神界』って場所が選択肢に出た。ビンゴみたい」


 了解です、チップちゃん。


 問題無く子猫先輩の元に向かえるみたいですね。苦しい道のりになるでしょうが、二人で頑張って進みましょう。


 私達が力を合わせればどんな化け物でも敵じゃありません。そうでしょう?


「……うん。行こう、あの二人のところまで」


 チップちゃんがそう言って頷くと、私の目の前にウィンドウが現れました。……なんですかね? 高難易度ダンジョンに移動するとかですか?




『堕落女神の《ディリヴァ》がパーティに加入しました(追放不可)』




 …………。


「この程度でっ……! この程度では私は挫けない……!」


 書いてある文章の意味がわからずに振り返ると、必死の形相をしたディリヴァがそこにはいました。この機会を逃したらどうなるかわからないと言った感じです。


「貴女からは私とおんなじ雰囲気がします! きっと気が合うでしょう! ですから見捨てないで! わだぐじも一緒にづれでいっでぐだざいよ〜!」


 そして涙と鼻水にまみれた顔をしながら私にすがりついてきました。……ちょ!? 汚い! くっつかないでくださいな!


 私はディリヴァを抑えながらウィンドウを開き、パーティから追い出そうと試みます。

 しかしながら、選択肢を何回選んでもエラー音しか出ません。呪われた装備かなんかですか貴女は。


「ふふふ……例え殺されても貴女の側で復活しますからね! 諦めて私のご飯を用意するんです! 味は問いませんからぁ!」


 どうやら呪われた装備のようです。こんなのがパーティにいても嬉しくないんですけれどねぇ。……わかりましたよ! 連れていけばいいんでしょ! 連れていけば!


 どうやってもパーティから追い出す事ができない事を察した私は、諦めてこの汚い女神を連れて行く事にしました。


「あはは、賑やかになっちゃたね。でもいいんじゃない? あっちは女神が揃っているし、バランス取れてるって」


 ……取れてないですよ?


 大人しくなったディリヴァの頭を撫でながら、私はチップちゃんの言葉を否定しました。絶対に楽しんでますね、これ。


 えー、私嫌なんですけれどー。


 ただでさえギフトを使いこなしているからって邪神疑惑を持たれてるんですから、ディリヴァと一緒に居るのを見られたらなんと言われるか……。


 私がため息を吐くと、ディリヴァはキラキラと目を輝かせて見上げてきました。


「おや! やっぱり才能があるようですね! 信仰しても構わないのですよ!? ふふん!」


 誰がするか!




━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━




 こうして。


 私の冒険の舞台は、チップちゃんとディリヴァと一緒に違う世界へと移りました。


 現れる常識を越えた強さのモンスターを倒しながら、私達のダンジョン攻略は続きます。


 たまに全滅してクランに戻った時は、皆で馬鹿騒ぎをして面白おかしく楽しんでおりますね。


 そんな中でも、私の目標は変わりません。


 なんて言ったって、子猫先輩からお願いされましたから。






 倒してみせろ、と。






 私はプレイヤーキラーの狐さんですから、プレイヤーを倒してなんぼです。それが友人からの依頼なら尚更。


 彼女の護衛であるツキトさんはもう倒しましたからね、今度は子猫先輩の番です。きっと私達の事を楽しみに待っているに違いありません。


 だから私は進みます。


 役に立たない自称女神のディリヴァと、最高の相棒のチップちゃんと一緒に。


 ……さぁ、楽しんでまいりましょう。


 無敵のプレイヤー、『魔王』退治の旅へ。








『戦闘狂』の私。可愛い狐娘さんですが、VRMMOでプレイヤーキラーやってます




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