補助をするだけの簡単なお仕事
ロロの家に住んでから一週間過ぎた。計算すれば後三週間で異世界から変えることになる。まずい。このままでは恩返しが部屋掃除だけになってしまう。それは不本意なのでロロに尋ねてみた。
「ロロには感謝してるからさ、何か俺に手伝えることはないかい」
ちょっと期待して話し掛けたが
「うーん、ごめんあんまないかな」
「何かないのか、魔法の練習で疲れたときに水を組む仕事でもいいぞ」
「じゃぁ、お願いしようかな」
俺は毎朝ロロが学校に行く前の朝練習に付き合うことになった。ちなみに練習の内容は、
・火魔法でお湯を沸かしお茶を入れる
・水魔法で花壇に水をやる
という至極シンプルなものだった。火加減を調整し水を蒸発させないようにしたり水を出し過ぎて土をぐちゃぐちゃにしないようにするための訓練だ。細かな調整が必要なので、それなりの集中力が必要らしい。効果的な練習なんだろうがいくらなんでも地味すぎる。
「もっと派手な魔法はないのか。爆発で魔物を薙ぎ倒すとかそういうの」そんなものはないと一括されてしまった。結局手伝いはタオルと水を持ってくるぐらいしかなかった。
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何やかんやで二週間がたち、俺のやることもなく暇になってきた。あまりにも暇なのでランニングや腕立て伏せをやっていると不思議そうな顔をしたロロが近寄ってきた。
「何やら奇妙な動きをしているけど何をやっているの?」
「筋トレだけどそれがどうかしたの」
「それが筋トレ何だ。私、魔術科を専攻してるから体を鍛えることについての知識が少ないの。走り込みをしたり、肉をたくさん食べると良いのは知ってるけど」
「これだっ!」
ついに見つけた。魔法が素人の俺でもロロの役に立つ方法。うっかり口に出してしまったが気にしてられない。
「ロロ。俺がトレーニングの方法を教えてあげるよ。魔術師も体を鍛えていれば良いことがあるかも。」
「そう、それじゃ教えてもらおうかな」
俺はロロのコーチになった。