どうやらここは魔法が発達した世界らしい
魔法界。字面だけで考えるならあれか、科学の変わりに魔法が発達したようなもんか?それでもにわかには信じられない。
「おじさん。俺、気が付いたらここにいて困ってたんです。迷子です。」まずは率直に困ってることを伝えてみた。
「ほう、迷子とな。取り敢えず交番に連れていくからそこで話を聞きなさい」
俺はその言葉にしたがって交番に連れてって貰った。
交番では体格のいい若い男の人が立っていた。
「お巡りさん。迷子を連れてきたので、面倒を見てあげて下さい」
「げんさんいつもご協力有難うございます。さあ君中に入りなさい」
赤髪のおじさんはげんさんと言うらしい。去り際に有難うございますと伝えて中に入る。おじさんは手を振ってくれた。
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中に入ると涼しい風とちょっとしたミストがかかった。しかし機械らしきものはない。そんなことを考えていると
「君何処から来たのかね、名前も合わせて正直に言うように」
と言われた。俺は正直に
「名前は一樹です。日本から来ました」
と答えた。しかし警察の人には渋い顔をされた。
「もう一度いいたまえ」
「名前は一樹です。日本から来ました」
再び沈黙。暫くすると
「ハァ。また異世界人か。今度は何だね、科学が発達した世界か、または筋肉が正義の世界か、それともこの世界以上に魔法が発達した世界か」
「ええとその、科学が発達した世界です」
驚いた。まさか異世界があるだけじゃなく数もたくさんあったなんて。きっと警察に長い間お世話になるんだろうなぁ。俺はちょっとげんなりした。