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ローリア  作者: だれか
1/2

第1話「御舟炉衣は戯れたい」

チュン。チュンチュンチュン。


御舟炉衣(みふね ろい)は目を覚ます。


朝は… 嫌いだ。


朝は不平等な現実を、


ボクたちにつきつける。


それに比べて、寝ている間は、


どんな、能力でも、容姿でも、境遇でも…。


人種でも、信条でも、性別でも…。


本質的に平等なのだろう。


だからボクは、   夜が好き。


「行ってきます……。」


玄関を出る時、空っぽになった家に向かってそう告げる。誰に対して言うわけでもない。自分がしたいからそうしているのである。


その家の中には、鬱屈とした闇が広がっているだけで、御舟に返事が返ってくることはなかった。


----------


《アサダヨ~。オキナカッタラ、オキナカッタラ。スゴイコトスルヨ~。アサゴハンニマヨネーズカケチャウヨ~。》


某アパートにて。目ざまし時計が鳴る。南米系外人の目覚ましボイスだ。


バンッ。少女は思いっきり叩いた。目覚まし時計が吹っ飛ぶ。


……ガシャ。


少女A「は…!!」


少女A「朝だッ---------!!」


目を覚ますと同時に、布団を吹き飛ばして、少女は飛び起きる。少女の名は彩華唯いろはゆい。今は高校一年生で、御舟と同じクラスだった。


彩葉「てッ。もうこんな時間じゃない。」


時計は7時30分を指していた。目覚ましセットしておいて、このザマである。


彩葉「急がないと遅刻しちゃうわ。」


少女はパンを咥えて学校に急ぐ。


-------


一方、通学路にて~


一人の男子生徒が歩いていた。


モブA (オレの名は(モブA))


彩葉「ハッハッ。」(走る、吐息)


モブA(どこにでもいる普通の高校生だ。)


モブA(うん。今日もいい天気。)


モブA(この角を抜ければ、すぐに校門。)


ダッダッダ。少女Aは角の近くを走っている。


モブA(今日は一体、どんな一日になるのかな----。)


彩葉「あッ。」


ドゴォッ。


モブAと彩葉唯は交差点で衝突した。


ドタッドタ。2人は地面に倒れこむ。


モブA「いってて。」


モブA(ん?)


〈もみもみもみ。〉モブA(この胸の感触は…一体?。)


モブA(ひょっとしてこれは、マンガでよくある…)


モブA(エッチなシーンなのでは!!?)


モブAはうきうきして目を開けると、


彩葉が、モブAの胸を揉んでいた。


モブA「っってt、ええぇ。なんでそうなるッ。」彩葉「フッ。」


彩葉「いつからお前は、男が、女の、胸を揉むものだと錯覚していたッッ--。」


彩葉「揉むのは私だッ!!」


モブA「!!?」


彩葉「オラオラオラオラオラオラオラオラオラッッ!!!」


モブA「ひゃ…ひゃうぅあ。」


モブA「だ、、誰かーー。助けてェェー。強姦だァッー。」


ザワザワ。人が集まり始める。


彩葉「っち。図ったな。」


ダッ。彩葉は走り去っていく。


モブA「はぁ…。はぁ…。」「今の、彩葉唯だな…。まじで許さんぞ…。」


------------------------


彩葉唯は、1年2組の教室に入った。


彩葉「よーし。間に合った。」


少女B「おっはよ~。」


彩葉「おはよう!!」


少女B「今日は何かするの~?」


彩葉「フフッ、もう派手にやらかしてやったぜ。」


ピンポンパンポン。放送が鳴る。


彩葉「げッ!」


高等教育官《え~。2年2組、彩葉唯ィッッ。教室にいることはわかっている。担任がこちらから向かうので逃げずに待っていること。もし逃げたらこの私酒井が、死ぬ気で捕まえにいくので、大人しく観念するがいい。》


ピンポンパンポン。


彩葉「モ、モブA!!。さてはチクったわね~~。」


少女B「彩葉ちゃん、それ自白だよ…(チクったって。)」


彩葉「いや、まだだ。まだ勝算はある。」


すると、モブAを連れた担任が現れた。


担任「彩葉、モブA君にぶつかって倒れた際、胸部を揉むなどのセクハラをしたと聞いたのだが、本当か?」


モブA「「胸を揉むのは私だ」とか、言ってました。」


そう聞いて、急に女らしいしぐさになる彩葉。


彩葉「な、何よ…。私がそんなこと、するわけないじゃない…。」


彩葉唯は涙目になっている。


彩葉「モブA君。ひどいわ。」


モブA「は?え?ナニコレ…。え?」


モブA(ま、まさか…)


女子「うわ~。またモブAの妄想?」「やめてよね~ほんと。」


男子「自意識過剰すぎ。」「謝っとけよ~後で。」


モブA「……。」


モブA(まじかよ、最悪だァァァ…。ふざけるなよお前ら。彩葉が何かやらかしたに決まってんだろぉ。おれを陥れて楽しんでんだろぉ、コラッ!!。)


担任「モブA君。彩葉は本当にやったのか?」


モブA(くそ、担任まで。女が男に強姦するなんてありえないもんな。そうだよな。)


彩葉(よっしゃぁぁあああッ。おしおき受けずにイタズラ成功。彩葉ちゃん、完全優勝。)


少女C「え~でも見たよ、私。彩葉ちゃんが、『いつからお前は、男が女の胸を揉むものだと錯覚していた~』とか言ってモブA君の胸を揉むの。」


一同「……。」


彩葉(し、死んだァ。)


担任「だ、そうだぞ、彩葉。どうなんだ?」


彩葉「……。くっフッフ。」


彩葉「バレては仕方があるまい。」


彩葉「だが聞けッ!!!。」


彩葉「偉大なるCMプランナァァッ、木野忠保はこう言っているッ。」  


彩葉「常識を超えたところにこそ、革新的なアイデアの種はあり、日ごろからそれを超えていく姿勢を保ち続ける必要があるとォッ!。」一同「おぉ…。」


彩葉「つまり私のこの行いは、勉学に必要な行いであり、学校側はそれを認可しなくてはならな」ドゴッ。モブAによるチョップが炸裂した。


彩葉「ぶへぇえ。」「何すんのよ。」


モブA「お前、CMプランナーじゃねぇだろ!」


担任「やめないか2人とも!!。」少年達「おーやれやれッ。」


彩葉「ニカ生主※だもん。」(※ニカニカ動画で生放送を配信している人のこと。)


モブA「関係無い!!」


彩葉「ユーテューバー※だもん。」(※ユーテューブで動画を配信している人のこと。)


モブA「関係ない。」


ぎゃーぎゃ。2人の論争は続く。


御舟「あっはは、ははははは。」


カオスな空間に思わず笑ってしまう。御舟にとってこの時間は癒しに他ならなかった。


彩葉唯はコメディアンなのだ。


--------------------


キーンコーンカーンコーン。


8限を終え、5時40分に帰りの会が終わる。


少年達「なぁ、カラオケ行こうぜぇ。」「おうよ。」「おれ部活あるから。」


みんな部活動や遊びに向かう時間だ。


御舟(ハハハ。今日も楽しかったな……。)


乾いた笑いが出る、御舟は家に帰るのが嫌いだった。


御舟「はぁ…。」


6時00分帰宅、夕食を終えて、6時45分に家を出る。


7時から10時まで、飲食店でバイトした後、帰宅し、風呂などを終えて11時。


12時までネットや映画を見て、就寝する。


別にだからどうって話では無い。料理を作るのは好きだし、それほど嫌ではなかったが、そういう問題ではないのだ。


「たとえるならカラだ。」


御舟は寂しかった。誰でもいいから、泊まりに来てくれないだろうかと、よく思うが、口に出せたことは無い。


(。)


御舟炉衣みふねろいは寝床に就く。


御舟には映画を流しながら、寝るクセがあった。


寂しいからという理由だけではない。誰にも近づけないけれど、誰かの人生に寄り添っていたかったのだ。


御舟「……。」


(静か。)


(寂しいなぁ。)


ポロ。ポロ。


(なんで僕は、一人ぼっちなんだろうか。)


ツーーーー。御舟の顔に涙が流れた。


コンコン。コンコン。


すると、右の窓から、音が聞こえた。


御舟「ん?」


コンコン。コンコン。


コンコン。コンコン。


御舟「うそ。ひょっとして、ゆうれい?」


キィィ。


窓が開き、人影が、部屋に降りる。


御舟「な、何。誰?」


ガタガタガタガタ。御舟は震えている。


?「そう怖がらないで。私よ。」


彩葉「御舟炉衣ちゃんよね。」


炉衣「い、彩葉ちゃん?」


彩葉「きちゃった☆。」


炉衣「どうして、ここに…。」


彩葉「終電、逃しちゃって。」


彩葉「泊めてもらってもいいかしら…。」


炉衣「う、うん。」


-不思議だった。誰でもいいから泊まってほしい。そう思ってたら、彩葉ちゃんが来てくれたのだ。


その日は彩葉ちゃんと、ゲームしたり、トランプしたりして、5時まで遊んだ。そしてそのまま2人とも寝落ちして、起きたのは10時。遅刻した2人は、仲良く学校へ向かったのだった。


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