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架空歴史小説の話  作者: ゴルギアス
4/11

夜にその名を呼べば4

オットーが議会工作に失敗したことを知ったジギスムントはこれを喜び、仮病を止めて宮中に復帰した。

 ジギスムントはオットーが議会の同意を得られなかったことを理由に内閣予算による出兵を許さず、代わってジギスムントの私費でこれを賄うことを今度は認めた。ただし、規模は大きく縮小し兵を起すのはオットー自身の名において、という条件を付けて。これによってオットーが動かしえた兵力はもともとオットー旗下の兵力と、白けた雰囲気でもあえてついてきた一部のオットー派の指揮する軍隊のみであり、なにかと苦戦を強いられた。後世から見ればオットーのこの戦いは彼我の勢力差からすると善戦したといってよく、特に指揮官としては決断力に富んでいたと言えるのだが、残念ながら当時の政治評はオットーの失敗とみなすことがおおかった。


 オットーはこの失敗を必死に弁解しようとしたが、ジギスムントは意外にもこれを擁護した。凱旋門の使用を許可し、ジギスムントは門の前で弟を出迎えた。ジギスムントは自身の軍事的経験の浅さを自ら言及し、今や帝国は兄弟によって統治されているとまで言った。もちろん必ずそれには正帝がジギスムント、オットーが副帝ということは付け加えていたのだったが。この意外な寛大さをオットーはむしろ情けをかけられたと怒りをもって迎えたといわれるのだが、それでも形式的には兄弟同士の敬意と信愛のふりくらいは、宮廷に一時的に回復されたように思われた。


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