411. ±0
[作者]
日向陽夏 様
[あらすじ]
先天的に加虐嗜好いわゆるサディズムを持つ高校生、百鬼零は妹の百鬼結の催眠技術によってその異常性欲を封印し、平温な日常を送っていた。だが幼少期に動物を殺す少女、××と出会い、また時を経て再会してしまったことで、彼の日常は狂い始める。
ほのぼのとした優しい幼なじみの恋人、白雪セリカ(シラユキセリカ)と幸せな日常を送りたいと願う理性の自分。
全てを破壊し尽くし精神も肉体も何もかも全てを根こそぎ破滅させたいと願う本能の自分。
そして、突如として学園を襲撃し、殺人鬼を育成する為の『殺人カリキュラム』を実施すると宣言する快楽殺人鬼集団《赤い羊》。
《赤い羊》を束ね、7人の殺人鬼の頂点に立つ男、透は、
「殺人鬼の、殺人鬼による、殺人鬼のための世界。僕はそれを、創造したい」と宣言し、殺人鬼として狂えば狂う程チカラを増していく《ジェネシス》というランク制の異能力を授け、生徒同士による殺し合いを強制する。
SSSランクから始まり、Fランクに終わる階級制の異能力。Fランクは殺されることしか出来ない最たる弱者で、SSSランクは全てを奪い尽くす最たる狂者。狂えば狂う程ランクが上がり、強者となることが出来る。だが……。
狂わなければ死。狂えば破滅。
究極の二者択一の中で、百鬼零が選択する”答え”とは?
[感想]
最初あらすじをみてやばそうな作品だなあと思いつつ読み始めたのですが、始終ドキドキしながら読み続けてしまいました 笑
あらすじを簡単にまとめると、歪んだ欲望を抱えつつも可愛い彼女と優秀な妹と平和な学園生活を送っていたところに、異能を持った殺人鬼たちが襲ってきて主人公たちも異能を与えられ、学園を巻き込んだ殺人ゲームをさせられるというもの。
この作品、敵がもの凄いわかりやすいくらいに悪そのものなんです。典型的なクズだったり、サイコパスだったり、そんな殺人鬼たちを主人公たちが一人ずつ倒していく、そんな展開だったら超王道の熱い作品だったかもしれません。ただ、この作品はそういうのではなく、根本的に悪の方が強く、正しい心はちっぽけなものであるというリアルさがあり、それでも主人公たちは正しさをもって屈しそうになりながらもギリギリ生き残っていく、そんな内容となっております。
主人公も本来は悪側の素質が高いですし、基本的にやべえ人間しかいないです。そんな中で圧倒的な善人であるヒロインちゃんがやばい。3話のサイコパス女とのやり取りはホント鬱りそうになりました 笑
終わり方に物足りなさというか消化不良感はあるんですが、なろうのローファンものでこういうダークっぽさのある作品ってあまりないですし、そもそも世界観とか設定もよく出来ていて面白かったです。
己の欲望に翻弄されつつも大切なものを守ろうとする、そんな物語を読みたい人は是非一度読んでみてください。
[評価]
総合評価:7.5
恋愛:1
ハーレム:0
無双:2
[その他]
更新頻度:不定期
文字数:15万文字
読了時間:5時間程度
作品URL: https://ncode.syosetu.com/n9930ew/
続編が連載開始したようです!
【次回予告】
その日、1人の作家はサディスティックな少女と出会う。
【追記】
次回作のタイトルがわかった場合、ネタバレ防止のために感想欄で直接タイトルを回答するのではなく、読んだ人になら伝わるなって感じで軽くボカしてくださると嬉しいです。