291.たとえ夜を明かすのに幾億の剣戟が必要だとしても
[作者]
御鷹穂積 様
[あらすじ]
この世界は、夜で固定されている。
陽の光を浴びることで魔力を生み出す人類。
夜の闇に浸ることで魔力を生み出す魔族。
魔王が魔法で空を覆い尽くしたことで、人類は魔族との戦争に敗北してしまった。
残った人類は複数の城塞都市を建造し、そこへ逃げ込んだ。
それから時がどれだけ流れただろう。
資源が限られる中で、人類は役に立たない者達を容赦なく都市の外へ追い出すようになっていた。
ヤクモは五歳の時に放り出された。本来ならばすぐに魔物に喰われて終わり。
しかし、少年はそれから十年間も生き延びた。
自分を兄と慕う少女と共に戦い続け生き残っていたヤクモに、ある日チャンスが降ってくる。
都市内で年に一度行われる大会に参加しないかという誘い。
優勝すれば、都市内で暮らせる。
兄妹は迷わず参加を決めた。自らの力で、幸福を掴もうと。
[感想]
よく作られた世界観や深く描かれる人間関係、熱い戦闘場面など、どれも心を揺さぶられる良い作品でした。
作中では武器化できる人間、そしてその武器や魔法を扱う素質のある人間が存在し、パートナー関係を結びます。 この世界ではその武器にどんな能力があるかや、魔法をどれだけ上手く扱えるかの素質が重要になってくるのですが、主人公たち兄妹の適性はほぼゼロで落ちこぼれ扱いです。しかし、幼い頃に城塞都市から追い出されて必死に魔族と戦い生き残ってきたことから戦闘経験が飛び抜けて高いため、素質がなくても少しずつ周りからの評価が変わっていくところが面白かったです。
主人公たちも最強というわけではなく、苦戦したり相手も強くて接戦だったりすることが殆どというところも個人的には良かったと思います。いや本当、戦っている最中の主人公たちの成長シーンが結構あるんですけど、そういうのグッときますよね 笑
作中では魔族との戦争と学内大会、基本的にはこの2つがメインパートとなっております。どの戦闘も描写が凄いですし、大会では両者ともに負けられない理由があったりして毎回めちゃくちゃ熱かったです。
この作品、序盤を読むと設定とか登場人物でいくつかの名作ラノベが思い浮かび読みやめるかちょっと悩んだのですが、読み進めると世界観とか展開がオリジナル要素ばかりで超面白かったので読み続けて正解でした 笑
そして一つ言いたい。タイトルがクソかっこいいと 笑
落ちこぼれと言われていた兄妹がやがて人類を救う英雄となる、そんな物語を読みたい人は是非一度読んでみてください。
[評価]
総合評価:8.5
恋愛:3
ハーレム:3
無双:3
[その他]
更新頻度:不定期
文字数:75万文字
読了時間:25時間程度
作品URL:https://ncode.syosetu.com/n7064ek/
お前熱いしか言ってなくねとかいっちゃいけない、良いね( ˘ω˘ )
【追記】
次回作のタイトルがわかった場合、ネタバレ防止のために感想欄で直接タイトルを回答するのではなく、読んだ人になら伝わるなって感じで軽くボカしてくださると嬉しいです。