289.殺人遺伝子 ☆
[作者]
菱川あいず 様
[あらすじ]
殺人遺伝子-17番目の染色体に存在するその遺伝子は、殺人、放火、強姦、強盗といった凶悪犯罪を引き起こす。
この遺伝子の存在が発見されると、国は治安を守るため、2042年に「殺人遺伝子撲滅法」を制定し、潜在的犯罪者である殺人遺伝子保有者を捕らえ、合法的に殺害することとした。
殺人遺伝子撲滅法の制定から14年後、司法修習生の佐伯楡が生まれて初めてナンパした少女-安原柊は、楡にある告白をする。
「私、殺人遺伝子を持ってるの」
楡が柊を守るために思いついた手段は、国に対して仕掛ける一世一代のテロ行為だった。
どんでん返しの連続で描かれるSF恋愛ミステリー。
[感想]
遠い未来どころか近い将来有り得てもおかしくない世界観がなかなか面白かったです。
あらすじからどういう世界観なのかはわかると思うので省略しますが、内容の補足としては、殺人遺伝子を持った少女と知り合った主人公が、危険な遺伝子を持つだけで本当に死ぬ必要があるのかということに疑問を持ち、少女のために国家に抗うお話となっております。
最初に書いた通り、もしかしたら将来同じようなことが起きるかもしれない世界というところがとても面白いですし、それに対する主人公の葛藤に共感できたのも良かったです。
しかも、ヒロインの境遇をどうするかという葛藤だけでなく、話が進むにつれて見え隠れするミステリー的な部分も上手く描かれていて、作品の良さになっていたのかなあという気がします。読んでいて「なるほど、そうくるのか!」と思わず口に出してしまいました 笑
あと、もし自分だったらどういう決断をするのかなあとか考えるのも楽しかったです。流石に主人公みたいにテロを起こすという思考にはならないと思いますが、法律だからと受け入れるのか、それとも別の方法を探すのか、実際にその状況にならないと答えの出ない問いに対していろいろと考えさせられました。
大切な人のために法の在り方に葛藤する主人公、そんな物語を読みたい人は是非一度読んでみてください。
[評価]
総合評価:7
恋愛:4
ハーレム:0
無双:0
[その他]
完結済み作品
文字数:15万文字
読了時間:5時間程度
作品URL:https://ncode.syosetu.com/n1394dr/
【次回予告】
世界を守る魔法少女に敵対する少年のお話
【追記】
次回作のタイトルがわかった場合、ネタバレ防止のために感想欄で直接タイトルを回答するのではなく、読んだ人になら伝わるなって感じで軽くボカしてくださると嬉しいです。