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召喚チート能力者の異世界ライフ  作者: マルチなロビー
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94話 明日への挑戦者

 四人でリビングに座っていると、タイチ様が飲み物を差し出してくれる。私達が作る料理は最低で、タイチ様にいつも迷惑をかけているので、最近はお傍で作り方を確認しているだけである。


 私とミリーはタイチ様よりメモ用紙をお預かりさせて頂き、それに書き込んでいくのだが、私達は字が下手糞で自分でも書いている文字が読めたりしない。


 先ずは字の勉強も必要という事を理解させられる。私達は本当に役に立たない奴隷である。使えない奴隷は死あるのみ…そう奴隷館では教えられた。


 だが、タイチ様はお優しく、体が疲れているのに文字の書き方を我々に教えてくれる。なんとお心が広い御方なのだろうか。私達は夜な夜な文字や言葉を教えてもらい、多少は理解することができた。


 リビングでは皆を集めるようにタイチ様からご指示を受け、我々はアズロット様を呼びに行く。そしてリビングの椅子に座ると、タイチ様から重要なお話があると真面目な顔して言われた。


 「ミリーとシオンは俺の奴隷だがアズロットは奴隷ではない。だから二人は俺だけの言う事を聞けばいい。その他の者に頭を下げる必要は無い。たとえそれがアズロットでさえもだ。様なんてつける必要は無い。呼び捨てにしたければ呼び捨てにすればいい。分かったな」


 「ちょ、ちょっとお待ちください…それではタイチ様の品格が疑われてしまいます」


 「俺に品格なんて気にする必要は無い。俺は勝手に生きていくんだから。その中で二人…いや、三人が俺に一生ついて来ればいいだけだ。それ以外の命令に従う必要は無い。王様の言う事よりも、俺の言う事が最優先だ。俺は王様より偉いんだと思ってくれればいい」


 「分かりました…」


 「ちょ、ちょっとミリー!! 何を言っているの!」


 「だってタイチ様は私の眼を治してくれたんだよ? それにシオンの喉だって治してくれた。私達は人生を諦めなければいけないところをタイチ様がお救いになったのだから、私はタイチ様のご指示に従うわ!!」


 な、何を言っているのだろう…ミリーは…。私の喉やミリーの眼を治してくれたことには感謝しなきゃいけないけれど…だけど、こんな命令は…。


 「ご主人様のご命令は絶対だよ! シオン! シオンが言ったんだから!!」


 「あと、魔族の存在が亡くなったという情報を確認したが、ほかに、新たな魔物が出てきたという話も聞いている」


 あ、あらたな…魔物?


 「そ、それは…どういった奴らなんですか?」


 「そこまでは分からない。だから君達には新しい力を…武器を使いこなしてもらいたいと言う訳だ」


 何処でそんな話を聞いてきたのか分からない。だって彼は私達と変わらず家を作っていたのだから。


 「それで、四人もいると言う事なので、俺達はギルドを作ろうかと思う。名前は明日への挑戦者チャレンジャートゥモローでどうだろうか?」


 「明日への挑戦者…何を挑戦するのか分からないのですが…素敵な名前だと思います!」


 ミリーは目を輝かせながら答えるのだが、何だかこのご主人様はちょっと胡散臭い。どうやって手に入れているのか分からないアイテム類。そして私達の知らない知識が豊富であることから賢者か、何なのかだとは思うが……。だが、それでも不思議過ぎる。ミリーは完全にこのご主人様を信頼しきっているのだが、私は少し離れて観察させてもらう様にさせてもらおう。


 その後、私達に指導しながら食事を作ってくれるタイチ様。私はこの時のタイチ様は優しくて好きだ。だが、普段のタイチ様は何を考えているのか分からないから怖いと言った方が良いかも知れない。


 食事を食べ終わり、私達は自分の部屋に戻っていこうとすると、ミリーが勉強熱心なのか、タイチ様に話しかけて、勉強を教えてもらおうとしていた。


 私は疲れが酷いため、今日は休ませてもらい、明日に備えよう。


 翌朝になり、目を覚ます。タイチ様は起きるのが早いため私達は急いで起きなければならない。出来れば寝癖なども直したいのだが、全くそんな暇はない。時間を計る何かが有ればよいのだが、ここは王家でも何でもない、ちょっと変わった家である。というか、変わり過ぎている。普通であれば井戸を使って水を汲んだりするのだが、タイチ様がお作りになったものはレバーを上げ下げすると、水やお湯が出てくる。これはお城で使われている技術なのだろうか…謎だらけである。


 私は顔を洗っていると、ミリーが寝ぼけ眼でやって来る。


 「おはよ~…シオン。朝早いね~…」


 「タイチ様よりも遅く起きたら意味が無いでしょ? 私達は奴隷なんだから身の回りは全て私達がやらないといけないのよ。性処理など含め」


 「せ、性処理…た、タイチ様も私達の体を求めるのかな…」


 求めるに決まっている。我々はそう習ってきたのだから…。


 「さぁ、朝食の準備をして…あ…お、おはようございます!! タイチ様」


 「おはようございます! タイチ様」


 私とミリーはキッチンとか言う厨房に現れたタイチ様に挨拶をするのだが、タイチ様の様子がおかしい。


 「おはよう。二人とも…朝の風呂は気持ちがいいね」


 な、なんと言う事だ!! 我々が起きる前にこの方は朝風呂に入っていたというのか!! どうやってお風呂を沸かしたというのか!! じょ、冗談だ…いや、この臭いは確かに石鹸なる高価な物。我々獣人族は古来より鼻や耳が良い。本当にタイチ様はお風呂を所望しておられていた…ど、どうやって私達よりも早く起きる事が出来たというのだろうか…。謎は謎を呼ぶ…。


 タイチ様監修の元、我々は食事を作り上げる。このお米という物はタイチ様が見せてくれるまで見た事がない穀物であったが、これがまた美味し過ぎる。


 私はこのお米という穀物のとりこになってしまったのだった。

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