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召喚チート能力者の異世界ライフ  作者: マルチなロビー
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86話 敗戦を勝利に変える事はできるのだろうか

 翌朝になり、指定されたギルドハウスへと向かう。建物の入り口は忙しく、人が出入りをしたりしていた。


 「おう、お前も行くのか? 今回の戦いに」


 「一応ね……説明はここで受ける事になってるんだ。どうすれば良い?」


 「そうなのか? お前の名は?」


 「タイチ」


 「タイチ……タイチ……」


 そう言って名簿のような物を取り出し俺の名前を探す。


 「あぁ、あった! お前は魔法の袋を持っているから水係だな」


 そう言って、奥に置いてある沢山の樽を指差し、それを仕舞うように指示してきやがった。まぁ、今回初めて大規模の戦いに参加するのだから我慢して言うことを聞くか……。何事も経験だ。


 言われた通りに樽を袋にしまい込む。暫くしてジョトワールと会い、話をすると、今回はジョトワールのギルドの他に、三つのギルドが参加するらしい。名前を紹介されたが興味がなく直ぐに忘れてしまった。


 そして移動を開始するのだが、どこへ向かっているのかわからないため隣を歩いている若い剣士、多分、10代前半くらいのやつだと思う。


 「結局どこに向かっているんだ?」


 話しかけるが、緊張をしているらしく俺の声が届いていない様だった。仕方なくもう一度声を掛けてやることにしてやると、少し驚いた声を上げる。


 「で、結局はどこに向かってるんだ?」


 「お前何も知らないのかよ? 今回はウィステッド遺跡に現れたダンドリオスを倒しに行くんだよ」


 「へぇ……そんな魔物がいるんだ〜」


 「な何言ってんだよ! 相手はドラゴン並みの強さを誇っているんだぞ! 油断したらお前なんかイチコロだ!」


 このカス、何を言ってやがんだ? そう思い、笑いながら誤魔化したのであった。


 休憩をはさみながら歩いて行くこと五時間。ようやく遺跡のような場所に辿り着く。意外と近い場所に有ったのだと思いつつ周りを見渡す。総勢50人程のメンツなので統率が取れているようには思えないのだが、ちゃんと魔物などを退治して来たりしているので、なんだかんだ言ってこういった経験があるのか、ちゃんと纏まっていた。


 遺跡の中に入って行くと、地下階段を下っていく。


 「こ、ここはつい最近発見されたらしい……」


 生唾を飲み込みながら先程の剣士が俺に言う。


 「ふ〜ん……なるほどね。そこでそのナントカってやつを発見したのか」


 「な、ナントカじゃね! ダンドリオスだ!」


 「そうそう、そう言う名前だったな。そいつってどんな奴?」


 人付き合いが苦手な俺。コイツくらいしか話せる奴が居なく、こいつに質問をする。こいつも新入りなのか、他の奴と話をしている場面をあまり見かけない。


 「だ、ダンドリオスは物凄く体が大きく獣のような奴だと聞く……」


 なんだ、こいつも見た事がないのか。強さだけが先行して広まっているのか、その魔物の数が少ないのだろう。


 「そう言えばお前の名前を聞いてなかったな。名前は何て言うんだ?」


 少年剣士に質問をする。


 「お、俺は……ジョルジーニョだ」


 「変な名前だな」


 「お、お前の名前は何だって言うんだよ!!」


 「鈴木(すずき)太一(たいち)って名前だよ」


 「お前の方が変な名前じゃないか!」


 そう言う事にしておいてやろう。そう思いながら俺は皆の後に付いて行くと、ギルマスであるジョトワールが休憩取るついでに今後の作戦を立てようと言って来た。俺も話を聞いていたのだが人が多く、あまりよく聞こえないため話を聞くのを諦めたが、ジョルジーニョは一生懸命話を聞こうとしていた。


 「そんなにしっかり聞いても上手く行くとは限らないぜ? 予定外ってことは良く起きるんだから」


 「煩いなぁ! ギルマスの話はしっかり聞くもんだぞ!」


 「ハイハイ……」


 そう答えて俺は適当に話を聞き流していた。そして、再び移動を開始すると、遂にその魔物は姿を現わす。言っていたようにかなりの大きさで、そして迫力がある。まるでゲームに出てくるベヒーモスのような感じだ。


 作戦を開始すると、その巨体の割に素早い動きをするダンドリオス。そして力も強く、一瞬で死体の山を築き上げるのであった。隣にいたジョルジーニョ。剣を抜いて構えているのだが、足が震えているらしく全く動けずにいた。


 こりゃ負けたなと思いながら見ていると、ギルマスであったジョトワールが戦死してしまう。


 ダンドリオスの巨体に踏み潰され、見るも無残な姿で死を迎えたのだった。


 「ジョルジ、悪いことは言わないから逃げろ」


 「だ、だってギルマスが!」


 「そのギルマスは死んじまったろ? お前も死ぬ必要はないじゃんか」


 「そ、そんな事を言ったって!」


 足が震えて動けないとまでは言わなかったのだけは褒めてやろうと思い、俺は武器を召喚する。既に負けは決まっているらしく、周りは撤退されており、残されているのは俺たち二人のみ。逃げ道は失っている状態であった。


 俺が召喚をしたのは名状し難き武器、荷電粒子銃と名付けた方が良いのかもしれない。


 ジョルジーニョは驚いた顔をして俺を見る。見ているのはこの若造一人ということだ。暴れるダンドリオスの頭を狙いトリガーを引くと、高速のエネルギー弾が頭を貫通させる。一瞬で絶命するダンドリオス。何が起きたのかさっぱり理解ができず、腰を抜かしてションベンを漏らすジョルジーニョであった。

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