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召喚チート能力者の異世界ライフ  作者: マルチなロビー
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51話 巻き込まれる面倒事

 ランタンを召喚して奥へと進む俺達。メルトは理解ができていないためキャンキャン騒ぐが、カベルネは俺を信じ、黙ってついてきてくれる。流石、俺を一番理解してくれているだけはある。


 「取り敢えず……ここで迎え撃つ……」


 俺は機関銃を召喚して床に這い蹲るようにして構える。


 「カベルネは撃ち漏らしを頼むよ……まずはこいつで明かりを灯す!」


 そう言って照明弾を発射すると、メルトはようやく状況を把握する。


 「な、何で私達が追われてるのよ!」


 「知らねーよ! リタにでも聞いてくれ! ……来るぞ!」


 目の前から火球が飛んでくる。


 「【ウォーター】!!」


 火球に対してカベルネは水魔法で回避する。俺は照準なんか気にせずトリガーを引くと、物凄い勢いで弾丸が飛んでいき入り口に集まっていた追っ手を駆逐していく。


 逃げ惑う追っ手。俺は機関銃の召喚を解除してサブマシンガンを召喚し、カベルネと共に追撃に走る。


 逃げていく追っ手に対して俺はサブマシンガンを乱射し、カベルネは足を狙って撃ちまくる。殺さないように攻撃して自分達を守るのは良いのだが、それだけではやっていけない。だが、これが彼女に優しさだから俺は責めることができず、諦めてしまう。


 俺は生き残りを捕まえ尋問することにした。


 「さて……オッサン。何で俺達を追い回していたのか教えてくれるか?」


 「お、俺達は雇われていただけだ……」


 雇われていた? 誰に?


 「誰を追いかけてきた……教えないと……もっと痛い目にあうよ……」


 そう言って傷口に塩を召喚して塗りたくる。


 「ぐぎゃ……あ、あー……!!」


 「誰を追い掛けてきた……言ってみろよ」


 「……ペリサ姫……だ!」


 「残念だが……そんな奴は居ないよ……いるのは冒険者四人だけさ……」


 「お、お前が商館で……ひ、姫を……」


 リタの事か……。


 「なるほど……そいつは死んだよ……お前達が殺したんだ……そうだよな……カベルネ、悪いがその長い髪を俺にくれないか……」


 「え? か、髪の毛ですか?」


★★★★★★


 子供の頃からせっかく伸ばしたのに……。


 「お願いだ。頼むよ……」


 その目に私は弱過ぎる……。タイチさんからナイフを貰い、私は髪を掴んで切り、それをタイチさんに渡す。


 「ごめん……」


 「お考えがあるのなら……。それに従いますよ……ですが、後で私のお願いを聞いてくださいね……」


 私は無理矢理笑顔を作り、タイチさんに見せる。小さい頃から伸ばしていたのだけれど……タイチさんのお願いなら、断ることできないよね……。


 「おい、これを持って帰れ……これがその姫の髪だと言って差し出すんだ。そして、姫は死んだと言え……実際、姫なんてこの場にはいないんだからな……」


 「だ、だが……」


 「あとはお前が上手くやりゃ良いだけの話だろ……俺達には関係ない。それでも火の粉を振りかけるのなら……お前等の雇い主を殺しに行くぞ……俺の大事な物を一つくれてやったんだからな!」


 「【レディレティオ】」


 回復魔法を唱え、私は追っ手の傷を治してあげる。これでタイチさんが喜ぶなら……私の髪くらい犠牲になっても構わない。私の髪を自分の大事なものと言ってくれたのだし……


 追っ手の男は私の髪を持って何処かへと行ってしまう。


 「カベルネ……」


 メルトさんが同情の目で私を見る。そりゃこの髪を見れば同情したくなるよね……。


 「ゴメンな……カベルネ。だけど、短い髪もカベルネには似合ってるよ……後で、綺麗に纏めてあげるから……」


 「構いません。お役に立てるなら……ですが、さっきの事……忘れないで下さいね」


 「あぁ、分かってるよ……。ありがとう」


 そう言ってタイチさんは私の頭を撫でる。それは気持ちよく、髪を切ったショックを和らげてくれる。


 「さて、カベルネ、駄犬、リタ……その……今まで気が付かなくてゴメン。三人はこれを履いてくれるか?」


 タイチさんが私に差し出したもの。それはカラフルな靴だった。今まで見たことのない靴でとても綺麗なもの。


 「こ、こんな物を履いても良いのですか?」


 私は両手でその靴を手にする。正直言って素敵な靴だった。これは……私達が履いている靴なんかよりも凄い素材を使用されている。メルトさんも言葉に出ないくらい驚き、奴隷も驚愕する程のものだ。


 多分、先程の追っ手はこの奴隷に対してだろう。先程の会話から考えるに、何処かのお城の元お姫様だと思われる。一族を根絶やしにするつもりで襲われたという事だろうか……。


 タイチさんを見てみると、タイチさんは私の髪を見て申し訳無さそうにしており、私は少しだけ恥ずかしくなった。


 「直ぐにこの洞窟を出る。他の追っ手がやってくる前に俺達はこの場を去ったほうがいいだろう。暫くは本当に旅暮らしだ」


 平穏を求めていたタイチさん……本当に申し訳なく感じてしまう。始まりは全て私からなのだから……。確かに凄い能力を持っているが、それは全て自分のために使用するつもりで神様にお願いしたもののはずだ。しかし、現在は私達のために全てを使用している。本来の目的ではないだろう……。


 洞窟を出て私達は街道に向かって歩くのかと思いきや、山登りを開始した。道なき道を私達は歩き始める。


 「ど、何処へ向かうんですか……」


 「取り敢えずこの場所から離れる……ここらだったら分からないかもしれないけど、犬は追いかけてくる事が可能だ。だからもっと離れてから違う方法でここから離れる。カベルネには悪いが、あれだけでは決定打にかける」


 決定打にかける……それはどういう意味で言っているのだろうか。なにか、物足りないという事になってしまうという事なのか……それは私には理解できないことである。


★★★★★★


 正直言って、カベルネには申し訳ない。大切な髪の毛を切らせてしまったのだから。だが、リタの髪の毛は短すぎる。ショートカットのため渡すところが少なく、信憑性にかけてしまう。だからカベルネの髪の毛を差し出し、時間を稼ぐことにした。そして、もう一つは動物を使って調べた際、カベルネとリタの匂いは異なってしまう。正直な話、そこまでやるとは思えない。だが、リタは王族と考えた場合、相手がどこまで行動を起こすかなんてわかったものではない。したがって、警察がやりそうなことを考え、出来る限りここから離れるという方法をとるのが最善。


 俺はそう判断してこの場所から離れていくのだった。

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