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召喚チート能力者の異世界ライフ  作者: マルチなロビー
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37話 新しい魔法は危険な香り

 風呂から上がると、カベルネは俺が召喚した雑誌を見ていた。予定通りである……。


 「あ、すいません……勝手に見てしまいまして……」


 「いや、何か欲しいものあった?」


 「どれも素敵な物ばかりで……目移りしてしまいます」


 「そっか……。何か欲しいものがあったら言ってね」


 「あ、ありがとうございます……」


 お礼を言うのだが、メルトの事が気になるのが後ろをチラチラ見ている。


 「カベルネも風呂に入ってきたら? 気持ちが良いよ」


 「は、はい……そ、そうします……」


 そう言ってカベルネは風呂場へと向かう。俺はそれを確認した後、メルトがいる部屋をノックして中へ入った。


 「やっぱり食事は取ってないか……。君はどうするんだ? これから」


 「放っておいてもらえますか……」


 まぁ、それも構わないけれどね。だけど……。


 「そう言っているのは構わない。まぁ仲間が死んだんだからね……だけどね、君の仲間がいないのは事実。だけど俺の仲間がいるの事実……ここはその仲間の部屋なんだよ。放っておきたいのは山々なんだけどね」


 「で、出て行けって言ってるの……」


 「そう聞こえる? そう聞こえるならそうしてくれると助かるんだけど。君はこの宿屋のガルボを払っている訳じゃない」


 「クッ……」


 「まぁ、食事を食べたなら泊まっても構わないよ。じゃあ、そういう事で……あ、そうそう……あの子もこの部屋で寝ても構わないよね? 君の許可を取る理由は無いんだけどね。仲良くしてくれよ」


 彼女は俺を睨みつけたまま黙り、俺はその部屋を出て行くのだった。そしてダイニングの椅子に座り水を1杯飲んで心を落ち着かせる。明日からどうするのかと考えながら……。


★★★★★★


 お風呂は気持ち良く、心が落ち着く。タイチさんが何を考えているのか分からないが、任せるしかない。タイチさんなら何とかしてくれると信じて……。そう思いながら私はお風呂の中で魔法の練習をしていると、遂に水が出るようになった! 今日一日中練習したかいが有ったと思いながら私はお風呂を出てタイチさんに報告する。


 「タイチさん! ウォータの魔法が出来ました! 遂に使えるようになりましたよ!」


 「おぉ! マジか! 良く頑張ったじゃないか」


 「はい! いっぱい褒めて下さい!」


 タイチさんは嬉しそうな表情で私を褒めてくれる。私は幸せいっぱいだった。


 「じゃあ、カベルネ……水を貰える?」


 優しい笑顔でタイチさんがコップを私に向ける。うふふ、早速私の出番がやってきた!


 「お任せ下さい! えい!」


 だが、私がやった魔法は【ウォータ】では無く、【ウォーター】で、タイチさんの顔面に大量の水をぶちかけてしまう。と言うか、タイチさんに攻撃をしてしまったのだった。


 「グボボボボボ……」


 慌てて魔法を止めるが部屋の中は水浸し状態になっており、タイチさんはゲホゲホ言って咽せている。もちろん私は茫然と立ち尽くし、顔を引き攣らせるのであった……。


★★★★★★


 「なに! この水は!」


 急に扉が開いてメルトが叫ぶ。俺は直ぐに答えることができず、咽せてしまっている。だってずっと顔面に水をぶっ掛けられていたのだもん。息できないよ……。


 「あ、あの……こ、これは……アハ、アハハハ……」


 顔を引き攣らせながら苦笑いをするカベルネ。それしか出来ないよね……うん。


 そんな事を思いながら俺はどうにか息を整えタオルを召喚する。多分宿屋から弁償と言われるだろう……。


 「な、何をしているの……あなた達……」


 「大丈夫、仲間に殺されそうになっただけだよ……」


 「そ、そんなつもりは無いですよ!!」


 驚いた顔してカベルネは俺に言うのだが、やった行為は間違っていない。俺はステータス画面を開くと、確かにカベルネは水魔法を覚えていた。だが、生活魔法では無く、攻撃の水魔法だ……本気で俺は殺されそうになったと言う事である。


 「カベルネ、床を拭いてくれ……明日多分、宿屋から……」


 言いかけると、ドアが思いっきり叩かれる。明日では無く……今のようだ。


 カベルネはそのドアを開けると、下にいた階の住人と、宿屋の店員が物凄い形相でやってきて怒鳴り散らす。仕方なく俺は弁償することを説明すると、相手は納得してくれて帰っていくのだった。


 「ご、ごめんなさい……」


 「仕方ないでしょ……やってしまった事は」


 呆れた声を有す事しかできない俺だが、さらに呆れた声を出すメルト。


 「あんた達……今日はどうやって寝るつもりなのよ……部屋の中までびっしょりなのよ……」


 「居候のくせに生意気な口を……そう言うお前は飯を食ったのかよ?」


 「食べている最中に突如水が押し寄せてきたのよ! 私が寝ていたのはベッドだから布団は無事だけど……床に布団を敷くのは無理よ」


 「別に? ベッドを出せば寝れるんだろ? 問題はない」


 「ど、どうやってベッドを出すって言うのよ!」


 「俺は便利な道具を持っていてね……ちょっとそこで待っていろよ」


 そう言って俺はカベルネの部屋に入り、扉を閉めてベッドを召喚し、布団も合わせて召喚する。もちろん高級羽毛布団だ。カベルネには素敵な生活を体験してもらう事に決めている。


 召喚し終わり、部屋からでる。すると、カベルネは泣きべそをかきながら床を拭いており、仕方なく俺も床を拭くことにすると、メルトも床拭きを手伝ってくれるのだった。


 「こ、これで宿代はチャラだからね……」


 「高い宿代だこと……」


 俺は呆れた声を出して床を拭き続けるのであった。

★――――――★

名前:カベルネ

レベル:19

力:30

器用:31

体力:31

魔力:55+50

信頼度:95

スキルポイント:180

【スキル】

火魔法:ファイア(小)

水魔法:ウォーター(小)

回復魔法:レティオ(小)

魔法感知

射撃:1

★――――――★

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