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召喚チート能力者の異世界ライフ  作者: マルチなロビー
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27話 嘘っぱちの魔法使い

 カベルネがいる場所へ戻ると、カベルネは不安そうな顔をしていた。冒険者でしょ? 君は……。


 「ごめん、ちょっと遅くなっちゃったかな?」


 「だ、大丈夫……い、いえ、心配しました」


 おや? 強がりを言わなくなった……。


 「それは悪かったよ。ごめんね……で、ギルバートさん……食事はどうするんですか?」


 「そ、それなんだが……」


 ギルバートさんは苦笑いをする。やはりね。知っていたよ……。しかもその手にあるのは俺の水筒……と言う事は、全く何も無いと言う事なのだろう。


 「ギルバートさん。俺は神様じゃない。それに勇者でもない……」


 「?」


 俺の言葉に全員がポカーンと口を開けて聞いている。


 「だけど、物凄いことが出来る凄い冒険者なんだよ」


 「タイチさん?」


 カベルネが少し驚いた顔をする。子供たちは不思議そうな表情をしており、俺はこれから話すことを最大限に考える。間違えると黒く歴史に名を刻んでしまうからだ。


 「これからある約束をしてもらいたい。これが俺の報酬と言う事……」


 「な、内容によるが……」


 「これから見る事することは一切他言無用……言ったらあんた達家族の命は無いと思ってくれ。それだけ重要な事だ……」


 ギルバートさんが唾を飲み込むのが分かる。


 「約束が出来ないというなら……俺はこれ以上の協力はできない。俺は勝手にさせてもらう……。言っている意味は分かっているよね? これはあんた達がここで魔物に襲われても助ける事はしないという意味だ……」


 ハッキリ言ってギルバート一家を脅迫している。


 「わ、分かった……や、約束する」


 「子供も喋ったら……」


 「わ、分かっている……子供にも言わせる事はしない……」


 「じゃあ、言うよ……俺の正体は大魔法使いだ。この名前も嘘っぱちだ! 本当の名前は……えっと……み、ミケランジェロ! そう、ミケランジェロという名前だ!」


 無理があり過ぎるだろうな……。とっさに浮かんできた言葉がミケランジェロだもん……。


 「ミケランジェロ……様?」


 「そうだ。ミケ様と呼ぶことを許してやる……」


 ごめんなさいギルバートさん。全て嘘です。神様ごめんなさい、ミケランジェロごめんなさい。


 「み、ミケ様……」


 「これから凄い魔法を見せてやる。その力、とくと見よ!!」


 ははぁ~……と、土下座をするように頭を下げるギルバートさん。呆気にとられるカベルネ……。


 俺はガスコンロを召喚して全員分のチャーハンを作り始める。何と情けない魔法使いなのだろうか。一瞬で作ることができない大魔法使い……。そして、ランタンを召喚して明かりを灯し、周りに有刺鉄線付きのバリケードを張る。これで魔物が現れても問題なし! いざという時のために銃はホルダーに仕舞い、ギルバート一家は安心して食事をする事が出来た。


 「これで終わりと思うなよ? これから不思議な馬車を見せてやる……」


 そう言って俺はハイエースを召喚し、ハッチバックを開ける。


 「ギルバートさん……ここに荷物を入れるんだ。我弟子のカベルネよ、お前も手伝うんだ!」


 「で、弟子?」


 「早くやれ! カベルネ!」


 「は、はい!」


 慌てて荷台の荷物を車に積み込むカベルネとギルバートさん一家。俺はそれを見守るだけ。だって手伝ったら威厳が損なわれてしまうでしょ? しかもそんなに荷物は無いので30分程で荷物を積み終わる。


 「それではお前達もこれに乗るのだ! 急げ!」


 そう言って全員を車に乗り込ませるのだが、カベルネは助手席に座らせる。荷台は俺の袋に収納し、運転席に座る。久し振りの運転で緊張する……。


 「め、目線が高い……」


 カベルネが初めて車に乗った感想がその一言か……。


★★★★★★


 これはタイチさんが教えてくれたクルマという馬車だということは、荷物を積み込んでいるときに気が付いた。と言うか、思い出した。大魔法使いミケランジェロ? 何それって思ったけれど、やはりタイチさんは優しい人だった。タイチさんは私の隣に座り、チラッと私を見る。心配してくれているのだろうか……もしそうだとしたら少し嬉しいかも知れない。


 そして、クルマという馬車はブルルンッと小さく鳴き、ユックリと動き始める。タイチさんが言うように本当に馬がいないで走り始めた事に私は目を丸くする。だが、タイチさんは少し緊張した表情をしており、手綱? のような丸い何かを弄っている。


 すると、目の前が明るくなり道を照らしている。ギルバートさんは声を上げて驚くのだが、私は我慢する。だって、私は弟子という役割を与えられているのだから……。


 「カベルネ……あの時話したのを憶えているか? 初めて二人でテントに泊まった日のこと……」


 「は、はい……た……み、ミケ様……」


 「よろしい……これが車だ……」


 「さ、流石……た、お師匠様です」


 私が言うと、タイチさんは小さく微笑み不思議な馬車を夜通し走らせてくれたのだった。

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