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召喚チート能力者の異世界ライフ  作者: マルチなロビー
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25話 マイエンジェル

 翌朝、アラームの音で目を覚まして体を起こす。隣では可愛い寝顔をしているカベルネが寝ている。俺は再び起こさないように外へ出ると、有刺鉄線付きバリケードのところで男が座っていた。


「だ、誰……あんた?」


 座っている男に声をかけるが全く動く気配を見せない。取り敢えず銃を召喚していざという時に備える。そして、有刺鉄線付きバリケードの召喚を解除して男に近づくと、男は寝ているのだった。


「お、おい……おいオッサン……起きろよ」


「んあ?」


「あんた、誰だよ……昨晩はいなかったよな……」


「ふぁ~あ……良く寝た……丁度良い所に冒険者がテントらしきものを張っているから俺も参加させてもらおうかと思っていたのだが……変な棘の付いた柵が邪魔でな」


 そりゃそうだ。そのためにバリケードを張っていたのだから。


「で、あんたは誰だ?」


「俺か? まず人に物を尋ねるときは自分の名を……」


 こんな馬鹿を相手にしている暇はない。取り敢えず死んでもらおう。俺は速攻で足に弾丸をぶち込み、男を黙らせる。


「おい、俺を怒らせるなよ……本気で殺すぞ。俺は大魔法使いだぞ」


 そう言う事にしておけば万事OK。


「ぐ、ぐぁ……」


 男が足を押さえ蹲る。俺は少しだけ距離を取り、再び銃を構えると、テントの中から俺の天使が現れる。


「な、なんの音ですか!!」


「カベルネ、怪しい奴だ……気を付けろ」


「ま、待て……は、話を……」


「くだらない事を言ったお前が悪い。因みに俺は朝が物凄く強くてね……目覚めは良い方なんだ」


「な、何が言いたい……」


「オッサンと違って頭の回転が速いって言ってんの」


 もう一発逆の足に弾丸をぶち込む。オッサンは叫び声を上げもだえ苦しむ。


「お前は一体何者だと俺は質問をしたんだよ……早く答えろよオッサン」


「お、俺は……ぼ、冒険者だ……。や、宿に……と、泊まるガルボが無く……」


「休んでいる冒険者を襲うつもりだったのか?」


「……」


 オッサンは何も答えない。さて、どうするかな……。


「た、タイチさん……相手は人間ですよ……」


 全く……この子はお人好しという能力もついているのか?


「こいつは俺達の寝込みを襲うつもりだったんだよ……きっと」


「ま、待て……い、命だけは……」


 命乞いするオッサン。マイエンジェルは心配そうに見ている。まぁ、別に何も取られている訳でもないし、殺す必要までは無いか……。


「オッサン……彼女に感謝するんだな……【レティオ】」


 魔法を唱え、怪我した足を治すと、オッサンは慌てて逃げていく。


「た、タイチさん……」


「全く……カベルネは優しいね。それがカベルネの良い所なんだろうけど」


「べ、別に優しく‥‥は……」


「それよりも顔を洗って飯にしよう。朝から疲れちゃったよ」


 俺が笑いながら言うと、カベルネは少し頬を膨らませたように見えるが、それは演技に感じる。


 俺は魔法で水を出し、召喚した桶に入れる。カベルネはそれで顔を洗い、寝癖を直し始める。


「カベルネ、タオルはここに置いておくよ」


「は〜い」


 顔を洗い終わり、俺は食事の準備を始める。カベルネはテントの中に戻り、身支度を始めていた。


 食事はレトルトチャーハンにして俺達は食べ始める。コンソメスープをカベルネに渡すと、小さい声でごめんなさいと、手伝わなかった事を謝ってくる。どうせ俺の方が早く起きるのだから……。


「気にしなくていいよ。女の子と違って男は支度が簡単だ。家を手に入れたら……その時は手伝ってくれよな」


「はい! もちろんです」


 この笑顔を見られれば今日も一日頑張れるというもの……。そう思いながら俺は食事を終わらせるのだった。


 カベルネも食事を終わらせ、俺達は再び移動を開始する。二時間ほど歩くと町の城壁が見えてくる。


「あ、町が見えて来たね」


「本当ですね……」


 ★★★★★★


 町が見えてきた。もし、あの町に着いたら……私達の冒険は終わってしまうのかな……それともまだまだ続くのか……。


 ★★★★★★


 カベルネは何かを考えているのか上の空気味である。俺からすると、あの町は何か様子がおかしいように見えるのは気のせいなのだろうか……というか、煙が上がっているように見える。


「カベルネ……あの町……なんか、おかしくないか?」


「え?」


「煙が上がっているように見えるんだけど……」


 ★★★★★★


 目を凝らしてみると、確かに煙のようなものが上がっている。だけれど、私にはあの町の情報は全くない。チラッと横目でタイチさんを見てみると、何かを召喚したらしくそれを使って町の方を見ている。


「カベルネ、今町に近づくのは危険だ! 何かに襲われているようだ!」


「ど、どういう事ですか!」


「わ、分からないが……魔物ではないようだな……一体何だって言うんだ」


 タイチさんが使っている物が一体何だというのだろうか。私はそちらの方が気になる。


「参ったな……人間同士の争いっぽいぞ……」


「に、人間同士の? ど、どういう事ですか!」


「これを覗いてごらん?」


 そう言ってタイチさんは私に変な二つの筒がくっついた奴を渡してくれる。これは一体……。


「それで町を見てごらん……町の状況が少しだけ分かるから」


 先ほどタイチさんが覗いていたように私も見てみる事にする。それは町が近くに見える不思議な筒だった。


「ま、町が近くに見える……」


「それは双眼鏡って言うんだよ。それは遠くを見るために作られたものだ。それよりも町の状態だ……」


「ほ、本当だ……あ、あれは……へ、兵士と兵士が戦っている?」


「と言う事は……どっかの国とどっかの国が戦争を起こしたって事か……参ったね……こりゃ」


 せ、戦争? おじいちゃんに聞いた事があるけれど……あ、あれが戦争なの……だ、だって人間同士だよ……。


 ★★★★★★


 カベルネは震えている。多分戦争を見るのが初めてなのだろう。まぁそう言う俺も時代劇やそう言った物でしか戦争というのは知らないけれど……だが、これでは町に近づく事が出来ない。さて、どうしたものか……。


 そんな事を考えていると、町から逃げてきた人と思われる人たちに出くわした。家族で町から逃げて来たのだろう。旦那と思われる男が荷台を押しながらやって来る。


「あ、あんた達、この先は危険だよ!!」


 そりゃ、見ていたから分かる。何が危険なのかを教えてくれよ……。というか、あんた等怪我しているではないか!!


「怪我をしているじゃないですか! カベルネ、皆の怪我を治すぞ!」


「は、はい!」


 話を聞く前に怪我人の治療を始め、俺達は感謝されるのだが、そんな事よりもどういうことなのかを教えてもらいたい。


「どうしたんです……一体」


「あ、アッサラート王国とキシミトル王国が戦争を始めたんだ!」


 やはり戦争だった。面倒臭い。


「両国は元々同じ国だったんだが……キシミトル王国が独立宣言をして……」


「それで戦争になったのか……」


 正直馬鹿らしい。どうせお家騒動だろう……。


「我々はリンダールの町へ避難するつもりなんだ」


「リンダール? こっちはブルクスの町ですよ?」


「このまま真っ直ぐ行けばそうだが、こっちの道に行くとリンダールの町に続く街道に繋がるんだよ」


「で、ですが、魔物とかが……」


 カベルネが質問するのだが……優しいマイエンジェル、そんな目で俺を見ないでくれる?


「分かりました……俺達はハーゲンに行こうと思っていたんですが……あの状態だと危険そうですから、俺達もリンダールの町へ向かいます。それまで俺達が皆さんを護衛いたしましょう」


「ほ、本当か! だが……我々にはガルボが……」


「いりません。困っているし、我々もそこへ向かうんですから……」


 マイエンジェル……そりゃないぜ……。


 こうして俺はハーゲンの町からリンダールの町へ行く先を変える羽目になる。しかも無報酬で護衛という仕事付き。誰がこの家族の食事を作るのか、俺のエンジェルに聞きたいものだった。 それから幾度となく俺達は魔物と遭遇する。知っている魔物もいれば知らない魔物もいる。だが、殆どが知らない魔物で、俺達は着実に別の土地へと来ていることを理解する。

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