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ほんとは もう少し早く投稿したかったのですが、夜中にポチポチ書いているので、眠気には勝てなかったのです。

たぶんこれからも不定期で投稿すると思います。


王様がいなくなって、みんなが近づいて来た。


「さて、どうしましょうかね」

「部屋は、シリウスと一緒でいいんだろ?急ぎ、寝具や服を用意する」


アルシャインさんが軽く首を傾げると、短い茶髪の樽体型なオジサマが、にかっと笑う。


「とりあえず、アンフィという名で仮の国民書類を作成しておきます」


長い茶髪のアルビレオさんが微笑んで言う。


「アンフィに選ばれなくて残念ですが」

「ほーんとよ。なんでシリウスなの?」


シェアトさんが頬を膨らます。

美人さんは何をやっても美人さんですねー。


「ブラキウム。どこから調べる?」


短い金髪のイケメンが美少年に訊いた。

美少年の名はブラキウムかぁ。

ブラキウムさんは、短い焦げ茶色の髪に緑色の瞳で、無表情だ。


「国内ではあり得ないから、隣国から、だな」


ブラキウムさんは平坦な声で言う。


おおぅ。あたし好みの美少年ボイス!

あたし、アニメで少年の声を演じる女性声優さんが好きだった。


突然、渋いオジサマがあたしの手を取る。


「ふむ。特に健康に問題はなさそうだな」


オジサマはもしかしてお医者さんですか?


「アンフィ。痛いところとかはないかい?」


オジサマは声まで渋くて素敵です。


しかし、あたしはひとつ困った事がありまして。


「………お腹空きました」


くーぅ、恥ずかしい!

でも、もうお腹が鳴りそうなくらいなのよ!

皆さん、笑わないでください。

人間、本能には勝てません。

特にあたしは、食う・寝る・遊ぶに金を使ってきた人間なのよ。


短い金髪の爽やかイケメンが、笑ってあたしの頭を撫でる。


「よーし。俺が美味いもん食わせてやるからな」


おう。このお兄さんは料理長とかですか?

よく見ると、白いコック服らしきものを着てるし。


「食堂に行くか」


シリウスさんが(声も落ち着いていてあたし好み!)あたしを抱き上げたんだけど、顔が近くなって、ちょっと照れますね。

シリウスさんの肩に顔を付けておきます。

もうそろそろ、イケメンがゲシュタルト崩壊を起こしそうなので。

やっぱりイケメンって遠くから見るものよね。


「しかし、この子の目の色は変わってるなぁ」


樽体型のオジサマが言った。


あたしの目の色って、何色?


そういえば、皆さん青か緑か茶色ですね。灰色の人もいる。

色彩は白人系だよね、ここの人達。


食堂まで歩きながら話してるんだけど、みんなで食堂に行くの?


「サダクビア。時間外的に、今は大丈夫だな?」


アルシャインさんが料理人さんに言う。


料理人さんはサダクビアさんか。

あたし、横文字覚えるの苦手なんだけど、大丈夫かな?


「お昼過ぎたし、大丈夫ですよ」


サダクビアさんがあたしの顔を覗き込む。


「アンフィは、好き嫌いあるか?」


好き嫌い。

前の世界ではほぼなかったけど、この世界の食べ物がわからないからなぁ。


「わかりません」

「子供なんだから、辛いものや苦いものは駄目でしょうね」


シェアトさんが言う。


いえいえ。あたし、アジア料理はほとんど好きだったので、辛いのも苦いのも酸っぱいのも好きですよ。

どちらかといえば、ヨーロッパのこってり系は苦手です。

嫌いじゃないから、食べますけどね。


そうこうする内に、食堂に着いた。

食堂もすっごく広い。

沢山テーブルと椅子が置いてある。

今はぽつりぽつりとしか人がいない。

昼休憩が終わった後なのかな?

厨房らしき部屋が隣にあって、配膳するカウンターがある。

その厨房から、二人の女の人が出てきた。


「省長!どうしたんですか?!その子っ」

「きゃあ!可愛い!」


二人共、よく似た顔立ち。

双子ですかね。

長い茶髪を束ねて三つ編みにしてる。


「この子用に、何か作ってくれ」


サダクビアさんがお姉さん二人に言う。


「わかりましたぁ!」


二人は三つ編みを揺らして駆けて行く。

元気ですね。


シリウスさんが、あたしをひとつの椅子に座らせてくれる。


「ありがとうございます」


お礼を言うと、皆さん笑いましたよ。

何故?!


「ふむ。言葉遣いもしっかりしてるし、教育は受けてたのかな?」


渋いオジサマは顎を片手で擦りながら言う。


えー?変に大人っぽい言動はしないほうがいいかな?


ちょっと考えている間に、数人が食堂を出て行った。

そうですよね、お仕事がありますものね。


あたしの側にはシリウスさんとシェアトさん、医者のオジサマと、長い金髪の優しげな青年が残った。

サダクビアさんは夕食の準備があるそうで、厨房内で働いてます。


「サビク、貴方は戻らなくていいの?」


シェアトさんがオジサマに言う。


オジサマはサビクさんというのですか。


サビクさんは微苦笑する。


「わたしが居なくても大丈夫だよ。皆、しっかりしてるからね」


そして、もう一人の青年を見る。


「君も、戻らなくて大丈夫なのかい?リギル」

「ええ」


この青年はリギルさんというのですか。


「珍しい生物は、じっくり見たいじゃないですか」


――え?!

この人、あたしの事珍生物と言ったよ?!


シェアトさんがくすくす笑う。


「リギル。もう少し言い方があるでしょう?ほら、アンフィがびっくりしてるじゃない」

「ああ、ごめんね。子供自体が珍しいから、つい」


まあ、五十年近く子供が産まれてないんじゃ、見掛けることもないだろうけどさ。

そんなに人間の子供って珍生物ですかね。


双子のお姉さんの一人が、食事を持ってやって来た。


あたしを見て、苦笑する。


「あらら。テーブルに届かないわね」


そうなんです。

あたしの背だと、椅子に座るとテーブルの上が見られないという残念な状態に。


そしたら、シリウスさんがあたしを抱き上げて、シリウスさんの膝の上に座らせてくれました。


おおぅ。テーブルの上が見られる。


お姉さんが持って来てくれたのはスープリゾットの様なもの。

それと林檎の様な果物と水の入ったグラス。


「いただきます」


ちゃんと手を合わせますよ。


スプーンを手に取り、リゾットを口に運ぶ。

美味しい!

たぶん鶏のスープに米を入れただけの簡単リゾットだけど、ちゃんと出汁が取れてるスープです。


うまうまと食べていたら、シェアトさんとサビクさんが笑ってた。


「上手ねー。こぼさず食べて。わたくしの甥っ子は、アンフィくらいの年にはボロボロこぼしていたわね」


ふーん。そんなもんですかね。


あたし用に量は少なくしてくれたみたいで、ちゃんと全部食べました。


「ごちそうさまでした」


感謝も忘れません。

食べることが生きる楽しみのひとつですから。


双子のお姉さんが食器を片付けにやって来る。


「美味しかったです。ありがとうございます」

「うふふ。どういたしまして」


お姉さんにお礼を言うと、お姉さんはにっこり笑ってくれた。

お姉さんは三つ編みを赤いリボンで結んでますね。

そういえば、もう一人のお姉さんは紫色のリボンだった。

そこで違いを見分けるべき?


「それにしても、この子どうしたの?」

「ムルジムが近隣の村から報告のあったグリズリーを駆除しに行って、森の中から現れたらしい」

「記憶喪失なのよ。可哀想でしょ?だから、陛下が城預りにして下さったの。一応、シリウスが保護者」


シリウスさんとシェアトさんが簡単に説明してくれる。


「シリウス殿が嫌だったら、僕の所においで」


リギルさんがにっこり笑って言う。


「あら、わたくしの所よね?女の子なんですもの、同じ女のわたくしの方がいいわ」


シェアトさんも笑って言ってくれる。


ありがとうございます。

お世辞でも嬉しいです。

でも、とりあえずあたしはシリウスさんを観察――じゃなかった、シリウスさんと生活してみたいです。

好みのイケメンと24時間一緒!


「サダクビア」


サビクさんが立って厨房の中に声を掛ける。


「アンフィの食事は、基本消化の良い物を。それと量は少なくな。味付けも濃くするなよ」

「わかってますよ。そこは、双子に任せますから」


そこへ、ふんわり金髪の美女がやって来ました。


「良かったわ。ちょうど服が出来上がったのよ」


美女は微笑んで布袋を持ち上げる。


「針子を総動員させたのよ。今日の分の服と下着類が三着分。あと、タオル類も入れておいたわ」


そして美女はあたしを見て眉を寄せる。


「もう!靴の事は言ってなかったじゃない。裸足のままじゃ可哀想よ!」


そうでした。

あたし、ずっと裸足でした。


「そこはアルデバランを怒りなさいな」

「ええ。ほんと、デリカシーのない」


シェアトさんの言葉に、美女は大きく頷く。


あの樽体型のオジサマの事だと思うけど、あの人省長の一人じゃないの?


「すぐに靴も用意するわね」


美女はそう言って布袋をシリウスさんに渡すと、去って行った。


あの美女さんは、どういった方ですか?


シェアトさんが布袋を奪って、中を確かめている。


「あら、可愛い。さすがね、プレアデス達」


プレアデスって…あの星座の?

いや、元になったギリシャ神話も知ってますが。

確か、七人姉妹のニンフだったような。


「とりあえず、アンフィを一度お風呂に入れるわね」


シェアトさんに抱っこされました。

お胸が大きいです。


「それで、シリウスの部屋に連れて行くから。アルデバランが貴方の部屋を本格的に改造する前に、止めた方がいいわよ」


シリウスさんは顔をしかめて頷くと、出て行った。


ああ、心のオアシスが行ってしまった。


しゅんとしたあたしを見て、シェアトさん達が笑う。


「大丈夫よ、心配しないで。ちゃんとシリウスに返してあげるから」


そのままシェアトさんに連れられて、お風呂に行きました。


読んで頂き、ありがとうございます。


キャラクターの名前は、星と神様の名前を付けてます。

後で軽く設定とかを入れたいです。

……余裕はないですけどね。


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