8話、初めての魔力
8話
最近は、ネリアさんにおねだりしないで自分の部屋で魔力について考えている。
ネリアさんは俺の要望を理解してくれるスーパーお世話係なので俺が部屋から出たくないという考えを込めて呼べば「ああ、今日は部屋で過ごすのですね」といい理解を示す。
さて、こうして俺は俺のことをかわいがりにくる両親と過ごす時間やお昼寝の時間、自己鍛錬(立って歩く練習)以外すべての時間を魔力に関して考えることに費やした。
俺はまず体内に魔力があることを実感しようとした。魔力を扱うにしても俺は魔力のない前世から来たのだから、まずはそこから始めようと思ったのだ。
結果から言うと俺は魔力を感じ取ることについては身体強化を心掛けた日から10日間でできた。
実際はもう少し早くできたのかもしれないが日々の自己鍛錬の成果がこのタイミングで実り両親の前で立って歩いたからである。
俺は一日目で立つことに成功してネリアさんが母上を呼び、あとからは父上も加わって俺の少しふらふらとした立ち姿鑑賞会を始めたために魔力を感じ取る時間がその日を入れて3日取れなかった。2日目は両親に兄さんたちも一人ずつばらばらのタイミングで来て、3日目も似たような感じで使用人さんがネリアさんに話を聞きにやってきた。
さらにそこから3日後に今度は歩けてしまったため、同じようなサイクルで3日ほど時間をとられ、解放された翌日の10日目に魔力を感じ取ることができた。
だから実質4日ほどで魔力をとらえたといえるのではないだろうか?
魔力はへその下あたりにある丹田と前世で呼ばれる位置に固まっているように感じとれた。
前世での丹田は体の上下を流れる脈と腰回りを流れる脈が交叉して「田」のようになってそこで「気」からくる「丹」と呼ばれる力を作っているといわれていたが、こちらでは魔力を作っているのかもしれない。そう俺は考察した。
こうして意外と早く体内の魔力を感じ取ることができたがそこから魔力を動かすことはできていない。
動かせないことはないはずだ。実際にその方法が広がっており実際に兄さんたちは使っていることもあるからだ。ただきっかけがつかめない。動かせるようになるまでだいぶかかりそうだ。
ちなみにジークは10日で魔術をつかんだがこれはかなり早い、この世界の住人が普通に魔力を感じ取るようになるには半年ほど毎日体内に意識を向ける必要がある。魔力がない前世から来たジークのような転生者は普通ならもっとかかっていただろう。しかし、魔力を世界に送り、拡散するための器となった魂の時の経験がジークに早く魔力を感じ取ることを可能にさせた大きな要因である。
しかし、それは魔力を魂に乗せて運んだだけなので動かすことは魂も経験できていない。よってここからはジークが手探りで動かす方法を見つけていくしかないのだ。
俺は自分の体内魔力が固く重く動かないのを少量ずつ、凝り固まった筋肉をほぐすようにゆっくりとまず動かそうとするもやはり動かせなかったので、方針を変えることにした。
ではなくその場で魔力を感じ取り知ることで魔力に慣れるようになることを優先させた。
少しずつ自分の魔力と向き合うことを繰り返すことでより深く自分の魔力を理解しようとする日々が続いき、月日は流れる。




