サイドストーリー、管理者たちの雑談
サイドストーリー
「ふぅ」
私は、最後の転生者に今回の転生についての説明を終えて一息つく。これで、こちらの世界『アース』の魔力量は魔力喰いが現れる前と同じ量、いやっ実際は多いぐらいに回復した。地球の転生者たちの器にそれぞれ無理のない量の魔力を注ぎ込んだがたった30人で賄えるとは・・・。
なかでも最後の転生者はあの空間でかかる負荷にもよく耐えて他の転生者よりも3割ほど多く魔力を取り込んでいた。若干精神は不安定になって保つために精神が退行していたが許容範囲で収まった。あの空間は魂の記憶を削りそこに魔力を流して魂の形を無理やり保つものだから保てないと感じたら空間の外に引き上げないと消滅してしまうから。ただ我々管理者はそこのところで魂を消滅させてしまうというヘマは侵さない。そこの心得はしっかりしている。
さて『地球』の管理者に感謝しなければな。今回はこちらの世界のことでいろいろと働いてもらったからな。
「終わったかの?」
そういいながら部屋に入って来たのは『地球』の管理者である。今は老人の恰好をしている。
「ええ、おかげでこちらに必要な魔力を補てんできました。ありがとうございます。」
そういって礼をする。
「どうやら無事にそちらの輪廻に取り込めたようじゃの」
そう魂の輪廻を通して転生者の中にたまった魔力を放出・拡散、魂の形が保てなくなるタイミングで魂を肉体に宿らせるという方法をとるので、転生者に説明したように転生した時にはもう魔力は拡散できているので転生者にしてもらうことはもうない。
「いや、気にするな。多くの世界を荒らした化け物をようやく討伐できたのじゃから。こちらも憂いがなくなったわい」
そう魔力喰いは『アース』以外にも被害を出していた。いつもは後手にまわらざるを得ないが『アース』では管理者本人と一部魔力を感覚的につないで魔力が食われたときに痛みを伴う形で魔力喰いが世界に侵入したことを感知するという荒業で管理者の一人がしばらく使い物にならなくなることに引き換えて魔力喰いが別の世界に逃げる前に討伐することに成功したのだ。
「それでも、私たち『アース』の管理者を代表して感謝をさせていただきます」
「ではその感謝我ら『地球』の管理者が代表して受け取らせてもらおう」
それから先はたわいない世間話をして過ごし、『地球』の管理者は自分の領域に帰っていった。