ウィリアムの秘密4
「師匠、呼び捨てにしたことそんなに怒っているのか?」
ウィリアムは呆れたように尋ねる。カーソンは不敵に笑みを浮かべたまま答えた。
「当然でしょう?私はあなたの為にやりたくもない執事役をやっているんですよ?
むしろ普段生意気な口をきいている弟子に寛大に接している私を尊敬して欲しいものですね。」
カーソンは掴んだままのウィリアムの頬をやっと放した。そして、その手でウィリアムの髪に触れる。
「やはり、あなたは黒が美しい。」
「師匠が僕の金髪と青い瞳が嫌いで嬉しいよ。」
ウィリアムの言葉にカーソンは薄く笑う。
「あなたの金髪も青い瞳も好きですよ?愛玩用としてなら。ですが、やはり弟子にするなら髪も瞳も漆黒に近い黒がいい。」
カーソンはウィリアムの髪に優しくキスをした。
「あなたは悪魔なんですからね。」
「師匠も悪魔だろう?それに僕は半分は人間だ。」
カーソンは深く溜め息をつく。
「そうなんですよね……。あなたはどちらかというと人間としての要素が強い。実に教えがいのない弟子ですよ。」
「師匠は僕に何を教えるつもりだったんだよ……。」
「そうですね……。例えば……」
カーソンはウィリアムの髪から手を放し、今度はウィリアムの両の腕を右手だけでベッドに押さえつける。
「人間の男を堕落させる方法とか……?
嗚呼、でも今のあなたになら人間の女性としての快楽を教えてあげられなくもない……。」
カーソンは左手でウィリアムの唇に軽く触れた。