ウィリアムの秘密
カーソンはウィリアムを勉強部屋である書斎まで送り届けた。
「それでは坊っちゃん、お勉強頑張って下さい。」
にっこりと笑いながらカーソンはひらひらと手を振り、カーソンは部屋を出た。
「それにしても坊っちゃん、今日はお勉強漬けで大変ですね。午後からもまた違う先生がいらして夕方までお勉強漬けですからね。」
カーソンは書斎の扉を軽く撫でる。扉の向こうではウィリアムが家庭教師が持ってきた課題と格闘しているのだろう。
「さて、私も自分の仕事をしますかね。」
そう言ってカーソンは書斎の前から立ち去った。
朝から本日の全ての予定を終え、ウィリアムはぐったりとしていた。
「お疲れ様です、坊っちゃん。」
カーソンは夕食後の飲み物をウィリアムに給仕した。
「後はお風呂に入られたら当主としてのお仕事は終わりですよ。」
「何で風呂に入るのが当主の仕事なんだ?」
カーソンはにっこりと微笑んだ。
「清潔さと健康を保つのも当主の大切なお仕事ですよ?」
「仰々しく言ってるが、ようは早く風呂に入れってことだな?」
ウィリアムは飲み物をぐいっと飲み干して、浴場に向かった。
ウィリアムは浴場の扉の前で同行していたカーソンに尋ねる。
「お前、いつまでついてくるつもりだ?」
カーソンは首をかしげる。
「いつまでと申されましても、入浴のお手伝いをしないといけませんので……。」
ウィリアムはカーソンをきっと睨む。
「お前、僕がいくつだと思っている?風呂に位一人で入れる。」
「……御言葉ですが、坊っちゃん。坊っちゃんは一人で、あれを脱げませんよね?」
カーソンの言葉にウィリアムはぐっと黙る。
「お体を見られるのがお嫌でしたら、目隠しを致しますので入浴のお手伝いをさせて頂けますか?」
カーソンは深く頭を下げる。ウィリアムは根負けした。
「分かった。お前も浴場に入れ。但し、絶対身体は見るな。」
「かしこまりました。」
そして、ウィリアムとカーソンは二人で浴場に入っていった。
ウィリアムは上から順番に次々と上着を脱いでいった。それを、カーソンがしわにならないように丁寧に片付ける。そして、ワイシャツを脱ぎ終わった。
ウィリアムは自分の金髪を体の前側に流し、カーソンに背中を見せる。
ウィリアムの上半身にはまだコルセットが残っていた。普通、男性はコルセットなど着けない。コルセットは女性が体のラインを綺麗に見せるためのものである。
カーソンは背中のコルセットの紐を丁寧にほどいていく。コルセットの紐が緩み、身体から放れていく度、ウィリアムの体は少年の華奢な体つきから滑らかな曲線を帯びていく。
その曲線は年頃の女性らしい体つきだった。