レッドゾーン突入??
いつも、ありがとうございます!
寒い朝。
ヒュッヒュッ!と、空気まで切り裂くような音が、鋭く響く。
来人と章人が、朝稽古で、剣を振っている。
ソレは見事な、剣戟である。
剣を握って、日が浅いとは、到底思えない。
二人の気迫も、どんどん鰻登りである。
恵はもはや、目で追うのもあきらめて、ふて寝を決め込んだ。
最近、なんだか置いてきぼりを食っている。
勉強然り、魔法然り、スキル然り。
はや、料理まで肩を並べられた。
今度は来人と一緒に、剣戟を朝晩と稽古である。
もう、涙しか出ない…。
最初は、私も参加したのだ。
だが、言わせてもらって、良いだろうか?
大勇者の血が流れる来人と、一緒に稽古が出来る章人は、絶対に人外である。
もはや、コイツが魔王で、いいんじゃ~なかろうか…?
「私だって、勇者の血が流れてるのに、何故かとてもやるせないッ!」
章人は、勇者の血の欠片も流れていないハズだッ!
何故だ!?
何故追いつけ無いッ!?
『お主に、追いつける訳があるまい。』
「なんでよッ!?生まれた時から、一緒に居るのにッ!」
『だからと言って、同じとは限らないじゃろ…?』
「だって、納得いかないよッ!!」
『…章人は、地球でも、陰日向無く努力をしておったよ。お主を、守る為にのう?』
「え??」
『お主の居ないところで、毎日毎日、暑い日も、寒い日も、朝も昼も夜も、時間さえあれば、勉強しながらでも、熱がある時までも、鍛えておったわい。
ワシ、ずっと見とったんじゃよ。』
「何、それ…?し、知らないよッ!?」
『じゃから、お主の知らない時じゃ。
確か、一番最初の誘拐事件以降…毎日じゃ。』
「!!!」
『そもそも、年期が違い過ぎるんじゃよ。
じゃから、適わないのは、当たり前じゃ。』
私の知らない章人が、ソコに居た。
何故、筋肉質だったのか…?
何故、私をいつも助けられたのか…?
何故?何故??何故???
いくつもの『何故?』が、合わさって、今、やっとわかった…。理解した。
40年の付き合いだけど、私は、章人の何を…知っていたんだろう?
最初の誘拐事件は、確か、小学一年の時だった…。
なんて、長い時間。
私に向けるのは、常に笑顔で…。
怒っているだろう時だって、更に笑顔で…。ちょっと、怖かった。
そんな風になったのは、いつからだろう??
やはり、私の誘拐事件以降だ…。
それ以前は、普通の、子供だったのだ。
笑って、泣いて、怒ってた…。
『奴は、お主の為に強くなった…。
今後も、更に強くなって行くじゃろうなぁ…?
恵よ。お主の生きて居る限り、なあ…?そうであろう?』
「うん…。」
私、章人が側にいるのは、当たり前だと思ってた…。
いつも、努力をしていた、章人。
いつも、笑顔の、章人。
それは、当たり前じゃ無かったんだ。
章人に適わないまでも、私、努力をしてみよう。
明日から…ッ!!
そうだよ。明日から~ッ!
『え゛ッ!?』
今日は、体の神経までも、悲鳴をあげて居る。
レッドゾーン突入の、お知らせです。
昨日は、エンジン全開で、暴れてたら、筋肉痛が、半端無い。
HPバーが、見えていたら、きっと1くらいしか残って無いよ~!?
『ダメじゃーーっ!!コリャダメじゃーーっ!!コヤツに明日は無いッ!!!』
ジジイ、人生(?)最大の、心からの、叫びだったという…。
だって、体は正直だもんッ!!
ねッ!?
だよね~?
またお越しください。




