最たる近道
続きます
旦那曰く、相手の隙を突け
と言う。
相手の思っても居ない事を、想像して実際に、成せと言う。
茄子なら如何でしょうか…?料理ではダメかしら?
要するに、想像して策を練り、隙を作り、そこを突けと…。
うん。私の、もっとも嫌いな事である。
秘孔ならば、突けるが…?
「はあ…。料理に例えれば良いですね。
1・茄子なら何通りの得意料理を、何品作れるか?
→相手の、ステータスや、スキルや魔法や武器は何か?
組み合わせは?得意技は何か?
2・組み合わせる具材は何を使うか?
→相手は何か?何人、何匹居るか?地形や気象条件は?
3・調味料は何を使い、分量はどれだけ使うか?
→相手の出方は何か?どこに何が居るか?力をどれだけ出すか?ペース配分は?
4・盛り付け、味見、吟味して修正
→総合して、相手の隙はあるか、見極めて攻撃せよ。
誘ってないか?罠では無いか?罠なら裏を突け。
ピンチなら、どうすれば打破できるか考えよ。
わざと隙を作って、誘え!
要するに、味の決め手は何か?
美味いが、全てを決めるでしょう?」
「うん!料理は味!!」
「相手をどれだけ美味い事、料理出来るか?どう捌き、どう調理するか?
想像して下さい。
それが出来れば、もう大丈夫ですよ?」
「…なんかわかった気がする。」
料理に例えれば、ちょっとだけ、わかった気がする。
回りくどいように感じるが、どんな素材も、きちんと見極め、下味をつけ、手間暇かければ、美味い料理に変わる。
つまり、そういう事だが、実際に戦闘中に出来れば良いが……。
ソレを出来るのは、章人かジジイくらいじゃないのか??
何それどんな頭脳チート??
戦闘中に、瞬時に、ステータスとか、罠云々とか、考え見極める?
私には、ムリポ。
そもそも、未だに魔法を瞬時に使いこなせ無いし…。
敵だッ!何々が弱点だッ!魔法をイメージだッ!!
とは、普通、出来ないよね?
旦那よ…何故出来る??
異世界に来て、まだ1週間ちょっと、だよね~?
何故か最初から、魔法使いとして君臨出来るくらいの実力ってなんの冗談??夢??まさか、コレ、夢??
頬をちょこっとツネる。きちんと痛いのだ。
「何をしているんですか?」
旦那が頬を、思いきり引っ張って来た。
「いひゃいいひゃーい!」
「おー!相変わらず良く伸びますね♪」
夢ではあり得ない痛みが、頬を襲う。
「はにゃしぇッ!」
「はいはい。」
ぷるんっと揺れ戻る頬を、温かい手が覆う。
「痛いの痛いの~飛んでいけ~ッ!」
「へ??まさか……?なんの冗談??」
頬を、温かい光の魔法が覆う。
すると、あっという間に痛みが引いた
来人は勇者。光の魔法を使いこなせる。
章人は、ただの異世界人に、すぎないハズだ。
光の魔法を使えるか?
否のハズだッ!
では、何故来人と同じ魔法を使えるのか…??
「わからない…。何で??」
「何をそんなに、悩んでるんですか?」
「章人…。何で、なんで魔法が使えるの??」
「ん??魔法のある異世界だからじゃないですか?」
「そんなハズ無い。光の魔法を使えるのは、勇者だけのハズ…。章人は勇者じゃないでしょう?」
「誰が決めたんですか?それ。」
「え??」
「勇者だけしか使えないって、誰が決めたんですか?」
「え??神様、とか??」
「そんな訳が無いじゃないですか?実際に私が、使えてますし。
みんな枠にはめてしまって、きちんと試さないからじゃないですか?」
「だって、私が使えないのに、おかしくない??」
「考え方の違いでしょうか?或いは思い込みですかね?」
「思い込み??」
「潜在意識レベルの奥に『コレは勇者しか使えない魔法だろう』とか、思った事ありませんか?」
「……。」
「みんなの噂や評価、読んだ書籍の記憶など、どんな些細な瞬間に見えた事でも、人間は覚えています。
意識しないで、横目で見ただけの、広告でもね。
地球で過去に、記憶に関する実験をした人がいました。
実験結果は、驚くほど見事なもので、電車のチラシに書いてある、一言一句まで覚えている事がわかりました。
無論、日数とともに、要らない記憶は掠れます。しかし、それでもだいたいは、覚えているんです。」
「私が使えない理由も、そうだって言うの?」
「可能性はあります。後はイメージと、コントロールの問題かと…。」
「う゛っ!」
「さあ、だからこその訓練ですよ?
脳筋な奥様。
身体で覚えるなら得意でしょう?」
「誰が脳筋だッ!?」
「秋津恵。」
「…。」
そんな即答しなくても、ええやんかーッ!!
自分でもちょこっとだけ、そうかも?
とかは思った事あるけれど……
チクショーチクショードチクショー!!!
訓練なんて、訓練なんて大嫌いだーーっ!!
ぐすん。
毎度ありがとうございました!




