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勇者ってユウシャってゆうしゃです

『くおのアホタレがっ!キレて魔法使うなっ!死ぬところじゃったわっ!』

「ぐぶびばごっ!!!冷蔵庫声がデカ過ぎっ!脳みそにビリビリ響くわっ!!ってか念波?」

『お主ワシまで巻き添えにしようとしたであろうっ!とっさに防御しなければ、ワシ消し炭じゃったわ!見ろこの荒野!見渡す限り真っ黒焦げじゃっ!来ていきなり教えて無いのに魔法使えるとか恐っ!この子孫こっわあぁっ!ワシまで魔法で吹き飛ばそうだなんて、罰当たりめっ!!御先祖様は大切にっ!1日1回線香立てて拝めっ!むしろ崇めろっ!』

「拝まんし崇めん。むしろ去ね。」

『うわぁヒドイっ!ワシへこむっ!冷蔵庫だしっ!扉あたりがボコボコにへこむわっ!この世界案内してやろうとか考えてたのに、もう知らん!ワシ知らん!ふ~んだ!』

「ふ~んだってお前子供かよ。この世界案内って出来んのか!?」

『当たり前じゃよ!ワシこの世界の勇者じゃった。世界中を旅してまわったもんじゃよ。懐かしいのう~』

「げっ!」

『どうじゃ!ビックリじゃろ?尊敬し敬うがよい。ホッホッホッ♪』

「な、なんて残念な勇者なんだ・・・残念過ぎる」


力が抜けてガックリと蹲った。

異世界物と言ったら金髪碧眼のイケメン勇者と決まってるだろうがっ!いや、銀髪ヤサメン勇者もすてがたい。女勇者もアリだ。カッコ良く魔王を倒すのが、王道だろうがっ!


現実はなんて残酷で残念なんだ!神は死んだのかっ!?世界の破滅だ!私の精神も滅びそうだ……あまりの事にガクブルする。


『・・・そ、そこまで言われたの初めてじゃよ。以心伝心で思考ダダ漏れなんじゃよ。』


あ~もうっ!冷蔵庫のじいさんはうるさい、さっきからレベルアップ音もビンビンガンガンうるさい!あ、なんかスッゴいレベルアップした。草原に居た全モンスター倒したみたいだし。

今更だけど、冷静になるとスゴイな。



『恵はレベルアップした。称号《勇者の子孫》《怒りの大魔法使い》 スキル《辛口》《達観》を獲得した。』


『来人はレベルアップした。称号《勇者の子孫》《異世界から来た勇者》《大人物》《自由人》を獲得した。』


『レイモンドはレベルアップした。』


『ワシだけ超御座なりじゃね!?何故じゃっ!ひどくね??』


「ふんっ!イケメンでも無ければ、ヤサメンでも無い、普通のでっかい冷蔵庫だからだよ。

神様居たんだね。私達を見てたんだよ。この世界の神様に親近感を感じるし。

ねぇ~ライ君…って、寝てるし!大人物と自由人ってコレかよ!」


『やっぱり大人物になるだけあって、回りがどのように騒いでも寝られる…と。ああ…神に認められた勇者だからのう。図太くなければなるまいて。ウムウム』

「え、ウソーっ!勇者って、判断基準こんななんだ!?ゆるくない?」

『まあこんなもんじゃろ?』

「夢壊れるわっ!まあライ君はかわいいから許すっ!かわいいは正義!!」


思わず握りこぶし作って、ぐるぐると振り回して力説。マジでかわいい顔だもん♪(はあと)

親ばか結構!童顔バンザイ!


『お主親ばかじゃろ?じゃがしかし、此奴ワシの若かりし頃にそっくりだからのう。同感じゃわ♪ウムウム』

「嘘つけ!」

『ほ、ホントに本当なんじゃよ~!何故信じぬのじゃっ!?瞳の色を見るが良い。童顔なぞ実にそっくりじゃろう・・・ってワシこの体、瞳も顔も無かったわ!くうっ!痛恨じゃよ!遺憾じゃよ!残念なんじゃよー!』



なおもぎゃあぎゃあと、騒ぐ冷蔵庫のジジイに近寄り、バタンとドアを開けると、夕飯の材料を探す。


今日もうまい飯食べて寝て、幸せを感じる…平凡な日々に戻れるのか?些か疑問だが、なんとかなる。してみせる。


旦那忘れてたけど、アチラできっと、私達が居なくても、おそらくは生きて行ける。大丈夫。うん、おそらくは…大丈夫。うん。…かな?


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