神杯で完敗に乾杯?5
いつもありがとうございます
やることは終わって、審査員が料理の出来を見て回る。
まず、見た目チェックだ。
じろじろ見てないで、早く食えッ!と、すごく言いたい。
お腹すいた…。
あの馬鹿貴族の公爵が腹肉を左右に揺らし、汗をフキフキ、ぜーへーぜーへー息を吐きながら、こちらへ来た。
うわぁ~ッ!汗臭いッ!来んなッ!シッシッ!!塩巻きたいーーッ!
息をすんなっ!!口臭いしッ!
いやらしい笑いを浮かべながら、頬を染めるなッ!寒気がして吐きそうッ!
背筋が凍りつきそうだから、こっち見んなッ!
きっと私は青い顔で、震えていたのだろう…。
あろう事か、声をかけてきやがったッ!
息を止めて、やり過ごそう。
「出来上~がりましたかぁ~ッ?おやおや~?
品数は豊富ですなぁ~ッ!?
おやおやぁ~?まぁた~、庶民的な食べ物ですなぁ~?
ヤレヤレ~。期待外れでーすねぇ~?
はあ~、皆さんわかっていらっしゃらないようですね~ぇ。
せめて~、こ~の~私が~満足する味の~もので~ある事を、祈りま~すよ~お??」
「公爵様ッ!次々参りますぞッ!」
ぞろぞろと貴族とおぼしき、取り巻き達を引き連れ、ゆっくりと去って行く。
はよイケッ!息が苦しくてたまらないッ!
「ぷはーっ!」
はあ~ッ!苦しかった!!残り香が、しんどいねっ!
マジでウザい嫌な野郎だっ!
あのクソ貴族の取り巻きども…臭くないんだろうか?
平然としちょるけど…。
ある意味、強者かもしれない…。
平民とおぼしき審査員が数人、大人しく通り過ぎ、後は実食のみである。
はよ終わらんかなー??
*~*~*~*~*
いよいよ、審査員が料理を食べて判断する。
小皿に人数分、料理を盛り付け完璧だッ!
まあ、多く作ってあるので分量は、普通に、子供の一人前くらいある。一般人の普通に、だからねッ!?
私の普通はメガ盛りだ。
いや、普通だろう?うん。普通である。普通だよね…?ね?
給食センターのおばちゃん並に作ってたんだけど、皆さん喜んでるからいいよ、ね??
先ほど、抽選で選ばれた20人が、実食して投票するそうな。
先ほどのクソ貴族達審査員が5人。
平民の審査員が、5人。
一般の投票者が、20人である。
「我こそ大食いだあーっ!」と言う人から、抽選で選んだらしい。
ちなみに、料理大会参加者は、私を含めて51人。
それぞれ、一口ずつ食べても、腹いっぱいである。
腹いっぱいの時に食べると、不味く感じるから、後の人ほど不利になる。
アレ?私最後から、5番目じゃね?不利くねぇ??ヤバくねぇ??
ま、まあ、何とかなるかな…?
―なりませんでした。あららららっ!?マジですかッ!?
―でも、勝つ為に、来たわけじゃないからいいや。来人のためだし~♪
結果、1番の人が優勝しました。
メニューは分厚い、猪ステーキである。
なんでも、お貴族様に、いたく気に入られたらしいです。
汗をかいた司会者が、どもりながらのアナウンスで、私の準優勝を告げる。
私は「庶民から人気の料理」だったらしく、拍手喝采でした。
はて?
確か審査員に庶民は20人以上居たはずだよなぁ~?…とか、ふと思ったけどいいや♪
投票結果が、発表されるはずだったけど、何故かされなかった。
……けど、気にしな~い。
言うと、嫌な結果になりそうだからね~?
見ざる言わざる聞かざる~♪
一般投票参加者20人、及び回りの観客の皆さんも、首をひねっていた。
それはそうだろう。
だって、お貴族様達は、ステーキしか食べて無いのだ。
平民の審査員5人が、青い顔をして、隅で震えているけど……まあ、すごくありがちですね。
お貴族様達5人は、1番の人の料理をガッツリ食べて、他の人のは一切食べて無い。
ざわつく会場の中で、良く通る声が響く。
「ねえねえッ!何であの人達審査員は、ステーキしか食べて無いの~?
審査員が、他の人のお料理を食べて無いのに、優勝が決まったんだって~??
不思議だねぇ?
全員のを、食べて無いのに、優勝きまっちゃったねえっ!
よーっぽど、美味しーいお肉、だったんだね~??」
来人の声がどこかから響き渡る。
やめてーー!刺激しないでーー!騒ぎオコスナーー!ジジイ、とめてーっ!?
スルーしたかったのにぃッ!
ざわめきがますます大きくなった。
司会者はオロオロするばかり。
私のため息と動悸は、大きくなるばかりである。
お願い届け私の祈りッ!なんにもおこるなッスーー!
「会場の皆さん落ち着いてください。御静粛にお願い致しますッ!王様から御挨拶がございますのでっ!皆さん静粛にっ!」
え?王様?居たんだ…?わかんなかった。
人混みをかき分け、王様が宰相と登場である。何故か民衆の只中からである。
「みなのものッ!静粛にッ!」
シーンと、静まりかえった会場に、王様の声が響き渡る。
マントさえ着けずに黒の上下のスーツ姿は、まるで、SPである。宰相の方がそれっぽい格好だ。
でも、やはり王様は威厳がある。オーラが違う。回りの空気が違うみたい。
「この度、豊穣祭料理大会において不正行為の摘発と、ソレを行なった主犯グループをすでに捕獲した。このような事が起きるとは、誠に遺憾である。国民の皆には、引き続き、料理大会を楽しんでいただく為に、こちらで料理を追加したいと思うッ!腹いっぱい食べてくれッ!」
あちこちから、うおーっ!と歓声が上がる。
静まりかえった会場が、あっという間に大騒ぎになった。
見渡すと、いつの間にか、あのクソ貴族の一団と、1位だった料理人が居ない……??
あんな目立つ一団が、いつの間にッ!?
わざと騒ぎを起こし、そちらに注意を惹き付けたのかな??
「今回、準優勝だったメグミ=アキツ前にッ!」
「へ??」
「メグミ=アキツ前にッ!」
「は、はいッ!」
もはや頭の中が真っ白である。
何事かわからずも、前に進み出る。
「今回、準優勝だったソナタを優勝といたすッ!おめでとうッ!優勝賞金とトロフィーだ。受け取りたまえ」
王様はキレイなウインクをした。イタズラそうな顔である。
とっさに受け取った、表彰状とトロフィーと賞金が重く、とても重く感じて……
ふと見ると賞金袋がかなり厚い。まさかまさかである。
トロフィーを見ると、純金である。
賞状をみる
表彰状
貴方は、豊穣祭料理大会において優秀な成績を修めたのでこれを表する
賞金五千万と
純金トロフィーを賞与として贈呈する。
アンノン王国
国王
ガウリー=エール=アンノン
どないせーちゅんじゃね?こんなもん?
「あ、ありがとうございます~」
盛大に顔をひきつらせつつ、何とか声を出した。
王様がポンと肩に手を置いた。
「ものは相談なんだが、料理の追加を作ってもらえないだろうか……?」
「はいいいッ!?」
「おお、そうかッ!やってくれるかッ!」
「―は?ちが……」
違うと答えようとすると、肩に置かれた手に力が入る。
王様の後ろには、にこやかに見えて、何故かスッゲー怖い顔の宰相がッ!
目が全く笑って無いんだよっ!
『目は口ほどにものを言う』を実体験したよ……。宰相怖い。
「では、お願いするよ。料理、また頼むね?」
肩をポンポン叩かれ、見上げると『ニヤリ』と笑う王様の顔があった。
あーっ!まったくもうっ!
してやられたッ!
絶対計画的である。確信犯がココにいた。
背後の宰相の怖い顔に負け、しぶしぶ頷いた。
無論、材料を出してもらって使いきる勢いで作ってやったが……
唯一の救いは、料理人のみんなが手伝ってくれて、ワイワイガヤガヤ、楽しんで作れた事かな?
美味しいレシピも新たに入手して、皆で料理を食べた。
「神様に乾杯っ!」
「豊穣祭に乾杯っ!」
「御先祖様に乾杯っ!」
「国王様に乾杯っ!」
「メグミ=アキツの食いっプリに乾杯ーーっ!!」
誰かが出した料理用ワインで、皆で乾杯をした。
最後は宴会になったが……その後の記憶がスッパリと無い。
まさかまさかの城の庭で、朝??
芝生が顔にちくちく痛い。
そこら中に、死屍累々である。
ああ、王宮に住まう方々からの視線が痛い。
頭もガンガン痛い。
王様の策略に完敗し
宰相の笑顔に完敗し
酒にも負けて
優勝したのに
負けた気分である。
―それにしても、来人もジジイも、どこいった??
「オーイ!誰か迎え来てぇーーー!!!」
王宮の庭に、恵の叫びが木霊した。
―酒を飲み出した恵を見て放置されたのだが、恵は知らない。
―料理大会の最中から、来人もレイモンドも、悪の殲滅に奔走中だったが、恵は全く知らない。
―知らぬが仏なのである。
めでたしめでたし
である。
ごちゃごちゃしているので、後で書き直すかもしれません
(´・ω・`)すいませんすいません。




