ノリノリで行こうよ!
※残酷な描写が出てきます。虫キライな方はご遠慮下さいね※
朝日だ…
シルのふっかふかで、モッフモッフの誘惑から、嫌々離れる。
息子はまだモッフリに、埋まって眠っている。
『おはようさんじゃよ。夕べもモンスター1匹出んかったわい。この辺りに出るモンスターは、軒並み厄介なヤツが多いんじゃがのう…普通は、イナグの虫除け薬草を一晩中絶やさず、焚火に焼べるんじゃ』
「ふう~ん。他にはどんなモンスターが居たわけ?」
『モグスレイと言う、地球のモグラと山嵐の間の子みたいなヤツでのぅ。肉食で地中から、いきなり襲うんじゃよ。鋭く尖った前足の爪と、鉄の針のような鎧に覆われ、ソリのような後ろ足でな。固く刃も通らないので、魔法で地中に居るヤツを焼くか、水責めじゃ。
針を飛ばしてくるので厄介でのぅ。出て来る前に、巣穴ごと殲滅するのが定番じゃ』
「ふ、ふう~ん。後は?」
『ナハトソルジャーアントと言う、地球のアリに似たヤツじゃが、コイツも鉄のような装甲を持っておってな。夜行性で肉食じゃ。アゴが強く、夜に獲物を集団で襲うんじゃ。日中、地中の巣穴を遠くから、魔法で殲滅するんじゃ』
「……うん。他にも居るの?」
『いるぞ。ロックラットと言ってな。ネズミと亀の間の子みたいなヤツじゃが、コイツは岩に擬態して、獲物を待つんじゃよ。やはり、刃もたたんから、魔法使いが居ないとダメだのぅ。このあたりは、デカイのは居ないが、弱肉強食で食物連鎖が激しくてな。
必然的に、固くて強いのが生き残るんじゃ。ここまで何にも居ないのは、経験した事が無いのう…』
「へ、へえ~っ」
『他の地域には、まだまだ居るぞい?たまたまここら辺は、種類が少ないだけじゃよ』
「コレから行くところで、魔法が効かないヤツは居る?」
『効きづらいのは居るぞい。が、まったく効かない訳ではないのう。何事も魔法の使い方次第じゃて』
「ふう~ん。そっかならいいや。レイモンド=ジジイ先生ご教授ありがとう」
『ワシジジイじゃないのじゃよ…。まあ追々、肉弾戦も覚えれば良いじゃろ?備えあれば憂いなし。さすれば、いざというとき、息子を守る事も出来るじゃろうて』
「はいな、レイモンド=ジジイ先生」
『ぢゃからジジイじゃないもん!くすん』
とりあえず、聞いて良かったのかもね?
ああ、朝日が目に染みる。
とっとと顔を洗って歯を磨いて、飯つくって…乗り物創作するか。
スキル使ってゴーレムでも出そう。歩くの飽きたし。
「そういえば、料理に関するスキルって、あるのかね?料理してもスキルが出ないんだが…?」
『あるぞい。何故か、解体で刃物を使うと出るのじゃが…。お主、解体は魔法でしとったろう?スキル覚えたいなら、刃物で解体は必須じゃぞ』
「うわ何ソレめんどくさっ!ジジイ、なんか解体出来るの無い?スキル覚えときたいし。朝食用に良さげなヤツ」
『あるぞい。しかも、あまりデカく無く、柔らかい。練習用じゃ。ほいな!』
出てきたのは青黒い、50センチ級の太ったイモ虫だった。
「ぎゃあっ!!!」
『へ?』
「キモイわ!早くしまえっ!!」
『ほぁっつ?イモ虫ダメだったんかね?コレ旨いんじゃがのう…』
「げげげっ!食えるのかよ?青黒くて、テッカテカで、コロッコロのイモ虫が?コレ毒ないのか?」
『クリーミーで、ジューシーで、尚且つヘルシーじゃよ?しかも食べれば、お肌つるっつるになるのじゃよ?』
「う゛っ!大変魅力的な響きではある。が、却下で!キモイ!コレ何てモンスター??」
『青黒揚羽の幼生体じゃよ。コレの正式名称は『ブルーブラッククロウラー』成体になると、青黒い羽をもつ蝶の妖精になるのじゃよ』
「は?」
『じゃから妖精の幼生体じゃよ?』
「よよよよよ…」
『よ?』
「妖精食うなよっ!!」
『この世界じゃ、当たり前に養殖しとるんじゃが……』
「しかも養殖!?コレがいっぱいうじゃうじゃ!?」
想像すると鳥肌がたつ。パニックを起こしそうだ。
―スキル《達観》が発動―
途端に心が落ち着いた。周りを見る。
そういえば、ここは異世界なんだ。みんなコレが普通なんだ。
むしろ私の方が浮いてる考え方なんだね…。
落ち着いてみれば、なんて事も無かった。
みんなが食べる、ただの旨い食材の1つ。
地球でも、ところかわわれば品かわるって言ってたっけ?
日本でだって生魚を食べるし、タコも食べる。昔、海外だと気味悪がっていたと聞く。
むしろ文化的な違いで、食べるものも変わる。
地球でだって、虫食う文化は何処にでもある。
ましてやココは異世界なんだ。妖精食べたって、虫食うのだっておかしくない。
むしろ普通じゃないか…なんだ。普通じゃん。
「は~っ。ひとまず調理方法教えて?どんな味付けで、どんな食材と合うのかとか。手早く捌いて、チャッチャとスキルゲットせにゃあね!」
『……了解。じゃよ』
結果
私は無事、調理スキルをゲットした。
1つ、
強く言えることは
『旨いもんに国境は無い』
って、事だろうか?
あと1つ、
やはり、
あまり、
捌くのは、
やりたく、
無い。
と、だけは言っておきたい。
うん。やっぱり異世界半端ない。
妖精さんごめんなさい




