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死に戻りが許されるダンジョンでは、バトルロワイアルが日常です。  作者: 昼ライス
2章:富士山ダンジョン編

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58/60

2章25節

毎日17:30投稿

声が、横から割り込んできた。


ヤヒロは、

即座に盾を向ける。


だが――

ツダが、

その腕を、

軽く下げさせた。


「……人間だ。

しかも、慣れてる」


火山灰の向こうから、四人。


全員が、重装の近接職。


盾持ちが一人。


大剣。


戦斧。


双剣。


動きに、

無駄がない。


視線は、

最初から――

ワイバーンゾンビに固定されている。


「お前らがやらないなら」


大剣の男が、肩越しに、

ちらりとこちらを見る。


「俺たちが、こいつをもらうぜ」


言葉に挑発はない。

敵意も薄い。


ただの宣言。


「横取り、ですか」


ヤヒロが言う。


「違ぇな」


戦斧の男が、鼻で笑う。


「『管理』だ」

「ここじゃ、放置が一番危ねぇ」


その言葉通り。


ワイバーンゾンビが、

咆哮を上げる。


空気が震え、溶岩の滴が雨のように落ちる。


「行くぞ!」


号令一つ。


四人は、一斉に距離を詰めた。


ヤヒロは、思わず目を凝らす。


――速い。


だが、無茶じゃない。


盾役が、真正面。


ワイバーンゾンビの噛みつきを、

“受けない”。


逸らす。


顎が、

地面を噛み砕く。


その瞬間。


大剣が、首の付け根へ。


戦斧が、脚関節へ。


双剣が、翼の骨を。


それぞれ削り取る。


連携が滑らかだ。

誰も深追いしない。


攻撃したら、一歩引く。


引いた瞬間に、

次の誰かが、踏み込む。


「攻撃してるのに、前に出すぎてない」


ヤヒロは、気づく。


自分との違い。


あの盾役は、

「守りながら殴る」のではない。


殴らせない位置に、ただ居続けている。


ワイバーンゾンビが、翼を打ち下ろす。


溶岩の破片が、飛び散る。


だが


「はい、終わり」


双剣が、翼の根元を切断した。


巨体がバランスを崩す。


その一瞬。


大剣が、深々と胸部へ突き刺さる。


戦斧が、追撃。


魔物が、崩れ落ちる。


今度は完全に、光の粒子が立ち上る。


「……早い」


ヤヒロは、思わず呟いた。


「慣れだよ」


盾役の男が、振り返る。


「上層じゃ、強さより判断が命だ」


「倒せるかの判断じゃねぇ」


大剣の男が、肩に武器を担ぐ。


「倒す価値があるか。それだけだ」


ドロップが、地面に落ちる。

輝きが、明らかに違う。


「……」


ヤヒロは、何も言えなかった。


殺さなくても、奪わなくても。


こういう“狩り”が、

存在する。


守りに徹することは、

逃げじゃない。


戦場を長く生きる技術だ。


熟練の冒険者たちは、

その後ろ姿だけを残し、

去っていった。


火山灰が、再び視界を覆う。


ヤヒロは、盾を見下ろす。


――まだ、足りない。


だが、進むべき方向は、少しだけはっきりした。


守るとは、耐えることじゃない。


危険を増やさないこと。


それもまた、盾の役割なのだと。


3,000PVを達成しました!ありがとうございます!!

感謝感謝です。


いつもありがとうございます。


面白いと思っていただけたら、

★★★★★評価・ブックマークで応援していただけると嬉しいです。


本作は毎日更新中です。

明日もお待ちしています。

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