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異世界に行ったら死神になった件。  作者: 紫ヶ丘


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8/13

町の外へ


 特製というだけあって、親子丼はとても美味しかった。


 途中でドクターストップならぬ、ぶーにゃストップが入って、半分くらいナナさんに食べてもらう事になったけど、人生で一番食べたと思う。


 追加注文しようと思ってたからありがたいわと引き受けてくれたナナさんの慈愛に満ちた微笑み。


 こちらこそ本当に感謝感謝だ。

 今度お礼をしようと思う。


 ユンリーさん行き付けの肉屋で、一押し野営セットを購入したんだけど、中身が凄かった。


 干し肉や燻製肉は予想出来たけど、豚汁やビーフシチュー等のフリーズドライ、焼き鳥やカレーの缶詰まで入っていたのだ。


 女神はグルメなのかな?

 食関係が充実している気がする。


 肉屋の向かいがパン屋とおにぎり屋だったので、ここでも全種類を二つずつ購入して買い出し完了。

 三件まとめて金貨十枚だった。



 「……アッチルの町って、意外と大きいんですね」


 「ここは魔物のスタンピードを食い止める目的で作られた元開拓村だからな。森を切り拓いて、町よりも先に城壁を作ったから、人口の割に町が広いし城壁が立派なんだよ」



 町をぐるりと囲む城壁の高さと頑強さに驚いていると、ヨーゼフさんが教えてくれた。



 「さ、心の準備は出来た?町の外はどこから魔物が襲いかかってきてもおかしくない危険な場所よ。武器をしっかり持って、いつでもスキルを発動出来るようにね」


 「はい!」



 城壁に負けない貫禄の北門を守る門番達に、片手で挨拶しながら通るヨーゼフさんとユンリーさんは、何だか冒険者っぽくてカッコいい。


 肩にぶーにゃを乗せ、ルミエールと並んで門を通り抜けると、一面の草原の中を真っ直ぐに続く街道、そしてその向こうに広がる深い森が見えた。



 「サンズくん、気を抜いちゃ駄目よ?見た目は可愛い子うさぎちゃんでも、中身はアンデッドに乗っ取られてる事があるからね」


 「それを知らずにうっかり撫でようとした奴が人差し指を食いちぎられて神殿に駆け込むんだ。な?ユンリー?」


 「……昔のことよ。とにかく神殿にぼったくられたくなければ慎重にね?」



 緊張がすごい。

 オレ、魔物と戦えるんだろうか?

 血を見て気絶したらどうしよう。



 「町近くの草を刈るのも冒険者なのよ。草が伸びる時期には十歳前後の小さい子たちがギルドに刈った草を持ち込むから賑やかでね、可愛いのよ〜」



 ユンリーさんは可愛いのが好きなんだろうな。



 「草抜きではなく草刈りなのはどうしてなんです?抜いたり焼き払う方が楽でしょう?」


 「子ども達のお小遣い稼ぎの為よ。元開拓村ということもあってそこまで裕福な家は少ないの。まあ最近は大分マシになってきたんだけどね。景観も良くなるし、魔物の接近にも気付きやすいからギルドが子供向けに依頼を出してるのよ」


 「まあ子どもの頃から鎌や鉈の扱いに慣れてれば職業が決まってすぐに戦力になるって思惑も有るみたいだけどな」



 ルミエールの質問にユンリーさん、ヨーゼフさんが答える。


 この世界の子どもはたくましいんだな。

 オレ、彫刻刀で指をざっくりいってから刃物を使うのを避けてきたから、大鎌を使えるか不安で仕方ない。


 幸いだったのは、女神に調整してもらったからか、魂の導きが攻撃系のスキルだと分かったこと。

 魂を導きやすくなるっていう効果がいまいち分からないけど、大鎌をぶん回さなくても良さそうなので一安心だ。


 街道を体感一時間くらい歩いた頃、森へと続く脇道というか獣道があった。



 「ここから本格的に魔物と遭遇するの。上下左右前後、どこから現れてもおかしくないわ。しっかり気を引き締めてね」


 「はい!」



 ユンリーさんの言葉に心臓がキュッとなるが、大鎌を握った手に力を込めて返事する。



 「あ~、森に入るのはちょっと待ってくれ」



 先導していたユンリーさんをヨーゼフが制止する。



 「何よ?忘れ物でもあった?」


 「──皆、悪い。ちょっくらヤバい件に巻き込んじまったみたいだ」


 「なーに?いきなりシリアスになっちゃって。らしくないわよ?」



 オレ達だけでなく自分にも深々と頭を下げるヨーゼフに、戸惑いながらもユンリーさんが茶化す。



 「……さっきクズナさんが持ってきたヤツ、多分釣り依頼だ。危険察知が特大で警報鳴らしてきた」


 「はっ!?……釣り依頼ってアンタね、今回サンズくん達もいるのよ!?何で受けたの!?」



 頭を下げたままのヨーゼフさんにユンリーさんが詰め寄り締め上げる。

 ユンリーさん魔法使い系なのに力が強い。



 「……目的が同じだと思ったから」


 「は!?答えになってないわよ!駆け出しの子を危険に晒すなんて、アンタそれでも冒険者なの!?」


 「……サンズ達も連続不審死事件について調べてると思ったんだよ。だから一緒に行動した方が戦力が増えるし、危険も回避できると……」


 「何でそれを今言うのよ!門を出る前に聞くべきでしょ!アンタの勘違いだったらどうすんの!?責任取れんの!?」


 「ユンリー、魔物を誘き寄せたいわけじゃないだろう?少し落ち着け。ヨーゼフ、何故俺達が不審死について調べてると思ったんだ?」



 ロックさんがヒートアップするユンリーさんをヨーゼフさんから離しながら尋ねる。



 「クズナさんを警戒してるから。最初は気のせいかと思ったんだが、昼飯の時のやり取りで確信した。俺もさ、あの人に対してやたら危険察知スキルが発動しまくるから、独自でっていうか、副ギルド長と一緒に調査してるんだよ」 


 「調査?ソウさんと?私知らないんだけど?」


 「悪い。お前クズナさんと飯行くくらい仲いいし、嘘がつけないから、向こうにバレんじゃないかと思ってさ」



 頭を掻きつつ謝るヨーゼフさん。



 「──あー!もう!ムッカつくわ!!じゃあアンタが金欠だからって時々一人で外に出かけてたのも、その時だけソウさんの受付に並んでたのも、全部調査のためだったの!?」



 グサッと杖を地面に突き立て、吠えるユンリーさん。


 ロックさんは周囲を警戒する事にしたようだ。

 賢明だと思う。



 「ああ」


 「あのね!アンタがそんな風にコソコソしてるから、私はクズナさんに誘われるようになったのよ!あの人と仲が良い!?冗談じゃないわ!あの人いっつも不安になるような事ばっかり言ってきて、私が反論しようが聞こうともしないし、口を挟む隙がないくらい一方的に話し続けるのよ!?その上満足したら私がまだ食べてようが関係なく席を立つの!しかもご飯の誘いを断ったら、周りの冒険者を引き込んで可哀想な私アピールするし、何も知らない奴等からは奢ってもらってんだろって言われるけど、私一度も奢ってもらったことないからね!」


 「……悪い」



 そう。

 こういう時は謝るのが大切なんだって父さんが言ってた。


 嵐が過ぎ去るのを待つんだって。



 「はぁ~、でもアンタの言ってることも分かる。私嘘吐けないし、顔に出やすいから、絶対足を引っ張るもん。けどね!ムカつくものはムカつくの!」



 うがぁ!!と火を吹きそうなユンリーさんがはぁーはぁーと深呼吸を繰り返す。



 「──で?わざわざ私を仲間外れにしてまで調査した結果は?尻尾の先くらい掴めたのよね?」


 「……いや、それがややこしい事になってて」


 「ややこしいこと?」


 「どうも俺がクズナさんに気があると思ったみたいで、色仕掛けみたいな……」


 「あんの性悪女っ!!ヨーゼフが他の女に現を抜かしてるだなんだって私に言っておいて、自分がその張本人だとかあり得ないわ!まさか誘いに乗ったりしてないわよね!?」



 落ち着きかけたユンリーさんが再び吠える。

 実際には燃えてないけど、まるで炎を背負っているように見える不思議。

 うん、迫力満点だ。



 「調査の為に三回二人で飯に行ったんだけど、あの人二回目の時から服のボタンを二つ外したり、髪をかき上げたり、わざとらしく足を組み替えたり、やたら唇を舐めるようになってさ、ソウさんからそれ色仕掛けじゃないか?って言われて、三度目に誘われた時正直断ろうとしたんだが、何か探られてる感じがして結局飯に行ったんだ。その帰りに家に寄らないかって誘われた時に、そういえばクズナさんペット飼ってるってユンリーが言ってたなって思い出して、俺犬好きなんで、ずっとミイちゃんに会いたいって思ってたんです!って喜んだら、自分じゃなくてペット目的かって興が冷めたみたいでお開きになって……」


 「アンタ食われかけてんじゃないの!あの人年下好きで有名なのよ!?」


 「いや、そんなの知らなかったし」


 「もー!ほんと許せない!相談に乗ってるふりして裏でアンタに手を出してるとか、人間として終わってるわ!」



 クズナさんは女性に敬遠されるタイプなのかな。

 ヨーゼフさんはお人好しそうだし、押しに弱そうに見えるから狙われたのかもしれない。



 「……サンズくん、ごめんなさい。戦い慣れのために道中の魔物を倒させてあげないと駄目なんだけど、この鬱憤をためたままじゃ今すぐあの人の顔面を凹ませに行きそうなの。しばらく倒せば落ち着くと思うから、少し譲ってもらうわね」


 「いえいえお気になさらず、思う存分にどうぞ」



 そこからのユンリーさんは凄かった。

 水魔法で細かい水滴をあたりに撒き、風魔法で反応のあった場所を攻撃するという獅子奮迅の活躍で魔物を薙ぎ倒していったのだ。


 ぶーにゃの超能力みたいな風魔法も凄かったけど、アニメみたいな攻撃魔法を間近で見てオレのテンションも上がってくる。


 魂の導きもあんな風にエフェクトが出るのかな?


 

 「フゥー、いい汗かいたわ」


 「落ち着いたか?」


 「何とかね。とりあえず帰ってからお話ししようと思うくらいには」


 「そりゃ良かった。じゃあ話の続きをしたいんだが、構わないか?」


 「はい」


 「……気を悪くするかもしれないが、俺がサンズ達を巻き込もうと思ったのは、ここ数日、途切れなかった危険察知スキルが、お前らと一緒の時は収まったからなんだ。ヤバい時はユンリーだけでも逃がそうってソウさんとは話してたんだが、まとめて厄介払いを決めたのか、どうやっても回避するのが難しそうでさ、なりふり構ってられなかった」


 「だからって確認も取らず巻き込むのは違うでしょ」


 「ああ、それはマジで悪いと思ってる。でも危険察知スキルがさっきの場所まで切れなくて言い出せなかったんだ」


 「お気になさらず。オレもスキルでヨーゼフさん達が不審死事件に巻き込まれそうだと知って、親方に頼んでお二人に同行する事にしたんです」


 「え!?私達、不審死事件に巻き込まれるの!?」


 「……ユンリー、お前何聞いてたんだよ。危険察知スキルが特大の警報鳴らすなんてそれくらいしかないだろ」


 「スタンピードだと思ったのよ。しばらく起きてないでしょ?街を飲み込むレベルなら危険察知スキルが途切れないのも不思議じゃないし」


 「クズナさんにそんなの起こせるわけないだろ」


 「じゃあ不審死事件ならクズナさんが起こせると思うの?元Bランク冒険者だと言っても弱体化してるのよ?あり得ないわ」


 「弱体化してるって言ってんのは本人だけだろ。ステータスの確認を俺達には出来ないんだから。それに力試しの缶詰を開けられる人が弱体化してると思うか?」


 「あのね、もし弱体化してるって言うのが嘘なら缶詰を開けるわけないでしょ。自ら疑われに行くようなものじゃないの」


 「クズナさんは知らなかったんだよ。ただ買った缶詰が固くて開かない、開けられるヤツ居ないかって流れでクズナさんが開けたんだ。後から力試しの缶詰だと知って苦い顔していたとソウさんが言ってた。怪しいだろ?」


 「そんなうっかりするかしら?」


 「あの人チヤホヤされるのが好きだろ。力試しの缶詰だと知らない時は満更でもない顔してたみたいだし」



 うーんと考え込む二人に、ふと思いついた事を聞いてみる。



 「所で連続不審死事件はいつから起き始めたんです?クズナさんが受付嬢になる前か、なった後か」


 「……あれ?そういえば──あー、なる前から、か?あの人が隣国のダンジョンに挑戦してた頃かも……」


 「──いえ、ちょっと待って。私、最初の事件の時にギルドに居たのよ。いい依頼がないか見ていた時、遺体が降ってきたのを覚えてるわ。その直前にクズナさんと話したことも」


 「どんな話をしたんです?」


 「えーと確かね、リーダーがお宝を手に入れたけど、ダンジョンが迷宮タイプに変わったことでパーティーが壊滅したって事と、皆が自分を逃がしてくれたって話してたわ。もう危険なことは懲り懲りだから、引退してペットでも飼うって。だから元気付けようと、クズナさん達が出来なかったダンジョンを私達がクリアしてみせます!って宣言したの」



 ユンリーさんの言葉にハッチがはーいと手を上げた。



 「……それってさ、もしかしてあの受付嬢の嫌がらせじゃない?自分より下だと思っているユンリーさんにプライドを傷つけられた腹いせとかで。だってあの受付嬢は、ダンジョン踏破出来ずに尻尾巻いて帰ってきたわけじゃん?てっきり慰めてくれると思ったのに、共感どころかあなた達を踏み越えて名声を手に入れてやるわって受け取られたとか。……一時期姉さんに付きまとっていた女もそういうタイプで苦労したの覚えてるだろ?」



 そう言ってロックさんとナナさんに同意を求める。


 彼等もルミエール程ではないが、っていうと失礼なんだけど、男前系なので色々苦労してるんだろうな。



 「ああ、所構わずやらかした結果、不敬罪で追放されたが、身内が匿っていた事で結局処刑された娘だな」


 「あの時は本当に大変だったわ。一度目をつけられたら他にターゲットが出来るまで終わらないのよね、ヨーゼフくんに手を出そうとしたのもユンリーちゃんへの当てつけかもしれないわ」


 「……最悪だわ。じゃあ今回の釣り依頼も結局は私のせいって事じゃないの」


 「別にユンリーのせいじゃないだろ。あの人の性格が歪んでるだけだ」



 しおしおと項垂れるユンリーさんを励ますヨーゼフさん。

 この二人って付き合ってるんだよね?

 付き合ってないのかな?

 距離感的に付き合ってそうなんだけど、どうなんだろ。



 「でもクズナさんって冒険者ギルドの大掃除の際解雇されなかったってことは、不正に関わってなかったって事ですよね?あ、性格が歪んでそうなのはオレも同意しますけど、その点が気になって」


 「あーそれな。ソウさんより上の判断で減給処分で済んだらしい。本当か嘘か、前ギルド長が罪を被ったって話もあるし、ソウさん曰く、この三年ほぼ無給らしいから、逮捕される代わりに横領した分を返済してるんじゃないかって」


 「……あの、クズナさんって、叩けば叩くほど埃が出てきますよね?もっと早く真相解明出来そうなものなのに、どうして今まで野放しになってるんです?」


 「それがな、ボロが出だしたのが最近になってからなんだ。困窮してんのか、他に理由があんのか、開き直ってる節があるらしい」



 嵐の前の静けさっぽくて何か嫌だな。



 「捕まらないと確信しているか、バレても逃げおおせる自信が出来たか。……何方にせよ、今回で片を付けなければ連続不審死事件がこれからも続きますよ。ギルドに遺体を降らせるなんて、どう考えても愉快犯ですし」



 ルミエールが嫌そうに言う。

 そういえばさっきもクズナさんに素っ気なかったっけ。

 ああいうタイプの人に迷惑を掛けられたことが有るのかもしれない。



 「……ミイちゃんご飯食べさせてもらえてるのかな?いくらあの人が冒険者時代に蓄えてたからって、お給料がないなら、可愛がってるペットの事も後回しにしてそう。言ってくれたら私が預かったのに」


 「ユンリーさん、ミイちゃんて犬なんですか?」


 「え?ええ、多分犬だと思うわ。話を聞いただけで実際に見たことはないんだけど、肉食って言ってたし、私が犬って言っても否定されなかったし」


 「ミイちゃん実は魔物だったりして。生涯に一体じゃなくて、本当は一度に一体なら可能性はなくはないじゃん?……あ~、でも肉食の魔物は独特な臭いがあるから、隠れて飼うのはキツいか」


 「あの受付嬢は安価な香水をしていたにゃ。とっておきの消臭スプレーを振りまいていない限り、肉食の魔物の線は薄いと思うにゃ。それよりぶーにゃは依頼書の方が気になるにゃ」


 「依頼書?」


 「僕もぶーにゃさんと同意見だよ。居るかどうかも分からないペットよりも、釣り依頼書の裏に何と書かれていたが気になるんだ。見たところお二人の実力はBランク冒険者と遜色ありませんし、余程のことが無ければ二人まとめて死亡するとは考えられない。だとすると怪しいのは、裏の注意書きだと思う。ヨーゼフさん、サインした時、何か違和感はありませんでしたか?」


 「いや、いつもと同じだった。まぁ依頼書を清書するのはギルドの職員だから、クズナさんが偽依頼書を作るのは容易だと思うけどな」


 「あの受付嬢、依頼書をボードに挟んでいたにゃ。しかもめくれないよう手で押さえていたのをぶーにゃは見たにゃ。あれはサインしやすいようにじゃなくて、裏を見られたくないからだと思うにゃ」


 「ヨーゼフ、あの女が資料室から持ってきた地図は本物か分かるか?一度見せてくれ」


 「あ、ああ。そういえば危険察知スキルに気を取られて、まだ見てなかったな。えーと、ああ、これだ。……大分古いが、地形的に光苔が生えててもおかしくはなさそうだ」


 「この場所に行ったことは?」


 「ない。俺らが光苔を採取する場所から離れてるし、その辺は岩場で落石も多いから避けてる奴のほうが多いと思う」



 怪しい。

 とても怪しい。

 すごく罠っぽい。

 でも後回しにするのも何か嫌だ。



 「──行ってみます?皆、気になって依頼どころじゃないでしょう?」


 「だな。面倒なことは先に片付ける方が俺もいいと思う」


 「私も。早く片を付けてあの人をぶん殴りたいもの」


 「サンズくん。僕も行くのは賛成だけど、サンズくんは一度魔物を倒す経験をした方がいい。もし予想通りに罠があって、個別に飛ばされることになったら、魔物と一騎打ちって可能性もあるからね。自分のスキルがどんなものかを把握しているかしていないかは大きな違いだよ」


 「じゃあ道中の戦いはサンズに任せようか。危なくなったら俺も助太刀するし、Aランク冒険者のロックさんも居るしドーンとブチかませ」


 「そうね。途中で一泊するから夜の魔物も倒せるわよ。夜の方が一癖あるからいい経験になりそう」



 ユンリーさんが倒してたのは動物の骸骨や、モヤみたいな固まりの魔物だった。

 夜は人骨とかゾンビ系が出てくるのかな?


 ホラー映画はまともに見たことないから不安だけど、大鎌にはスキル補助の祝福があるって親方が言ってたし、何とかなるはず。



 「頑張ります!」







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