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DAY46 世界線とルール

コンセントを、

無理やり抜いた家電製品のように

意識が途切れ暗くなる。


肺に空気が、

勢いよく流れ込んでくる。


一馬(はっ!)


一馬の意識が戻ってくる。

意識と同時に記憶が、

流れ込むように鮮明に蘇る。


一馬「クソっクソっクソ!!」


どうしようもない怒りが、

一馬の胸に、こみ上げてくる。


変電所で起きた、

瑠奈と誠の死に錬次のゾンビ化…


一馬(とりあえず

道中進みながら変電所の……)


ここで一馬の思考は違和感を覚える。

何かが違う…そんな違和感はすぐに発覚した。


一馬「はっはっは…は、

裸じゃない?マジ?なんで?」


死んでしまい、

リポイスをすると1日目に戻る。


今回でリポイスは10回目なる。

少なくとも9回のリポイスは1日目から再開した。


経験値やゾンビの記録などは残るものの、

スマホ以外は身ぐるみ剥がされ草むらで仰向けから始まる。


しかし今回は装備一式で、

周りも草むらではない。


一馬「サ、サービスイベント中…

頑張っている一馬くんをサポートリポイス中…?」


驚きを軽口で

相殺しようとしたが、言葉を失ってします。


一馬「はっ?……10日目???」


一馬の頭の中は、

フル回転で動いている。


何故?なぜ?ナゼ?


一馬(10日目という事は、

……瑠奈と誠は?どこだ?)


一馬「お、落ち着けよッ一馬!」


自分自身に一喝する。

一馬は今どこにいるのか確認する。


ローザにギバー付近にあった廃屋。

一馬は瑠奈と誠に、

会わなかった世界線に、居る事を理解する。


一馬(今回は何で10日目?重要だから?)


一馬は何となくスマホのステータスを確認する。

「死亡ペナルティ」


一馬「死亡…ペナルティ?

初めて見るステータスだな。」


ゲームの世界では、

死ぬと持ち物から、

離れた場所からスタートする。


そして今までは、

死ぬと1日目に戻る。

しかも「死亡ペナルティ」なんて

一度も見たことが無い。


一馬「違い……じ、自殺…か?」


前回と今回の違いは、

殺された(・・・・)のか自害した(・・・・)のか。


この状況を、

良いと取るのか、

悪いと取るのか、一馬は考え込む。


ここまでわかっている事は、

成功ルートが存在している事である。


瑠奈と誠に合流できなくて、

セントマーク病院まで、

たどり着かなかった経験がある。


一馬「とりあえず、

ローザに会いに行こう!」


一馬は身の回りの物を担ぎ、廃屋を出ていく。


**********


ローザのギバーに辿りつく。


瑠奈や誠の気配が無く、

まずはローザに会いに行く。


ローザ「あら、知らない顔ね。

はじめまして”ローザ”です。あなたは?」


一馬「あっ、一馬です。

瑠奈と誠はどこにいるかわかりませんか?」


ローザの雰囲気が変わる。

一馬も不躾(ぶしつ)な質問をしたと口ごもる。


ローザ「お前…何者だ?」


ローザの口調が威圧的になる。

ローザの極太の腕に力が入っていく。


一馬(やばいやばいやばいやばいッ!

この世界においてお人よしは命が無い。

ましてや初めて会って、

挨拶もまともにしていない、

どこの馬の骨ともわからない男に、

瑠奈と誠の情報を、流すような男?女じゃない。)


一馬のチャクラ(営業モード)が開く!


一馬「不躾で申し訳ありません。

以前、瑠奈さんと誠さんに助けて頂いて、

ローザさんの所にお邪魔していると聞きました。」


ローザ「あっ?助けた?」


一馬のチャクラ(営業モード)は、

高速回転を続ける。


一馬「はい、誠さんが大切な食料を、

しかも調理までして頂いて、るな…」


一馬はわざとらしく咳払いをする。


一馬「んっんっ、瑠奈さんは

最初は少し不愛想なイメージでしたが、

丁寧に傷の手当てをして頂きました。」


ローザの眉間の(しわ)が、少し緩んでくる。

一馬は更に畳みかける。


一馬「誠さんは見ず知らずの僕に、

コーヒーまで振る舞ってくれました。」


ローザ「…コーヒー」

ローザの眉毛が少し動く。


一馬「はい、コーヒーです。

この世界では稀少価値が高い物ですよね。

…あっローザさんの所で購入してるとか?」


一馬は実際、

セントマーク病院に着く前に、

コーヒーを振る舞ってもらっている。


一馬(誠の性格だ…

過去にも買っていてもおかしくない。)


一馬「瑠奈さんなんて、

”どうしてそんな苦い泥水飲むの?”って。

はははっ今思い出しても癒された瞬間でした。」


ローザが小刻みに震える。


ローザ「んもーそぉーなのよぉー。

瑠奈ちゃん、まだお子ちゃまでしょ?

まっそこが可愛いいんだくど。

私の若い頃にそっくりね。」


一馬(それは無い!記憶の蜃気楼おつっ)


ローザ「何よぉ!?

とても親しいのね。はー安心した。

この世界はとても物騒だから…疑ってごめんね。」


ローザの懸念は当然である。

そしてチャクラ(営業モード)全開で、

話してはいたが、真実も含まれている。


一馬が心の拠り所にしていたのは真実。


一馬「瑠奈さんと誠さんの力になりたいんです。

どこにいるか知りたくて…。」


ローザ「んーひと足遅かったわね。

今回セントマーク病院へ物資の回収を頼んだの。」


一馬(しまったっ!)


一馬は正直2人で、

行くとは思ってなかった。


一馬「いつ、いつ出ていきました?」


必死に聞いてくる一馬に、

ローザは少し驚いてしまう。


ローザ「は、1日ほど前に。」


一馬「ありがとうございます。」

一馬は入口に走り出す。


ローザ「一馬ッ!!」


ローザの声に振り返り停まる。


ローザが革袋を掘り投げ、

両手で受け取る。


一馬「こ、これは?」


一馬が受け取って革袋の中には、

ハンドガンと銃弾が入っている。


一馬「ローザ!愛してるよぉー」


ローザに向かって指ハートをする。


ローザ「まっ」


ローザのギバーを後に、

瑠奈と誠を追いかける。


**********


足の先から全身に、

乳酸が回り始める。


一馬は、休まず歩き続ける…

しかし、瑠奈と誠に追いつかない。


一馬(2人の出発は1日前…

もしかしたら違うルートかも…

いや、そんな…しかし、

必ず同じルート(世界線)で行動する保証も。)


不安が(つの)るが、

歩くことを()められない。


以前、共に野営した、

ポイントに到着する。


何体かのゾンビと遭遇したが、

とりわけ苦戦する事も無かった。


一馬は着実に強くなっているのを実感する。

しかし夜歩き続けるのはリスクもある。


一馬「とりあえず休もう。」


周囲に注意を払いながら、

ペグを刺して回る。


石を組み火をつけて、

寒さをしのぐ。

暖を取りながら

落ち着いて周りを見る。


一馬(誰かがいた形跡があるな…

2人共まだ生きてるな…。)


一馬は4人が居ない夜が、

とても久しぶりに感じる。


当たり前になった存在が、

いない孤独感が、

一馬の胸を締め付ける。


一馬「ダメだッ切り替えろ!」


一馬は頭を切り替えるように、

自分自身に言い聞かせる。


膝を抱え、思考を整理していく。


・死亡ペナルティが有利か?不利か?

・殺されれば、ペナルティは解消するのか?


追い付いたとして、

瑠奈は受け入れるのか?


何より、瑠奈や誠や錬次を、

死に戻る事が出来るからと、

見殺しには出来ない。


一馬(瑠奈の警戒心を解けるか…?)


セントマーク病院で、

暴れまわる錬次は、

大丈夫だと仮定しても、

瑠奈が納得しないと無理スジ。


突然、隼人の笑顔が頭をよぎる。


一馬「あっ!?」


実はセントマーク病院には、

隼人が潜伏していた事を思い出す。


一馬「決めた!

隼人さんと合流しよう。」


時間が過ぎる事も忘れ、

思考することに熱中する。


そして、少し早起きした、

鳥さえずりが遠くから聞こえてくる。


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