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DAY10 3度目の正直!?狂乱の血死潮

――夜が赤く染まった。


1回目の挑戦……

狂乱の血死潮(クリムゾンムーン)


月は血のように濁り、

外を徘徊するウォーカーたちが

一斉に咆哮(ほこう)を上げた。


「な、なにっ……!? うそ、ちょ、嘘だろ!」


想像を超える圧迫感!


想像を超える速さだった。


鈍重(どんじゅう)でよろめきながら歩くと思っていた。


さすがゲームとは違う事を願ったが…

それが――違った。


想像の斜め上。


四肢を使い、壁を蹴り、

獣のような勢いで飛びかかってくる。


準備は万全じゃない。

武器は錆びた鉄パイプ一本。


窓も玄関も塞がず、物資探しに気を取られていた。


最初の1体が突進してくる。

パイプを横殴りに振り抜く。


腕に激痛が走り、骨が折れそうな衝撃。


頭にかすっただけで倒れない。

呻き声を上げながらさらに飛びかかってくる。


「速っ速っ速っ! えっ? うわっ速ぇぇぇ!」


2度目、3度目で

ようやく頭が砕け、どうにか沈黙させた。


2体目。


振り下ろされた爪を避けきれず、肩を裂かれる。


熱い血が流れ落ちる。


「ぎゃぁぁっ! いってぇぇぇ!

ちょ、なにぃ!? そのモーション!?」


必死で膝を蹴り飛ばし、倒れ込んだ頭を叩き潰す。


狙ったというより、

反射的に振り下ろしただけだった。


3体目が壁を蹴って飛びかかる。


「うわああああああっ!

やめろやめろやめろぉぉ!」


咄嗟に身を捻り避けるが、爪が頬を裂いた。


視界が赤く滲む。



恐怖と痛みで頭が真っ白になりながら、

無我夢中で頭を連打する。


3回、4回と叩きつけて、ようやく沈黙した。


息が荒い。手が震える。


「ヤバヤバヤバヤバ!

今、何匹目だよ!?まだいるのかよ!?」



玄関が破られ、4体目が突進してきた。


巨体に体ごとぶつかられ、

背中から床に叩きつけられる。


肺の空気が一瞬で抜け、呼吸ができない。


「ぐぅぅぅっ!し、しぬっ!やべっやべっ!」


牙が目前に迫る。


パイプを胸に突き立てて押し返すが、

勢いと力が桁違いだ。


押し返せない。


頭突きで偶然の隙を作り、

横殴りに叩き込む。


骨が砕け、ようやく崩れ落ちた。


「ハァッ、ハァッ……ムリだ……もうムリだぁぁぁ!」


(えぐ)れた肉から滴る血が足元をとる。

痛みが鼓動と重なる。


立ち上がる間もなく、廊下の奥から5体目が現れる。


壁を蹴り、天井に手をかけ、

蜘蛛のような動きで襲いかかってくる。


「ひっ、ひぃぃぃっ!? な、なんだよそれ!

反則だろぉぉぉ!」


回避も防御も間に合わない。

爪が胸を裂き、視界が赤に染まる。


床に倒れ、意識が…………遠のいていく。


最後に聞こえたのは


血死潮の赤い月の下で

無数のウォーカーたちが家を取り囲む音だった。


――死んだ。


次の瞬間。生まれたままの姿で目を覚ます。

身体は無傷。呼吸も落ち着いている。


唇を噛み、鉄パイプを握り直す。


あの異常な速度と凶暴性を、

もう二度と甘く見ない。


準備を整えなければ、次は確実に殺される。


そして戦場の宴にはもうひとつのクリア条件(・・・・・)

「狂気のゾンビ共を20体討伐(・・・・・)


そして…


――リポイス、3度目の挑戦。


玄関のドアが揺れ、ソファごと吹き飛んだ。

腐敗した1体目が飛びかかる。


「うわッ早い! ちょ、お前デカいな!」


振り下ろされた腕をパイプで受け止める。


衝撃で手首が痺れる。

歯を食いしばり、壁に押し返して側頭部を横殴り。


――討伐1体目


ガラスが砕け、窓から2体が這い込む。


「出た出た、ガラス割りウォーカー!

工事費いくらだと思ってんだよ!」


1体目はテーブルを

蹴り倒して受け止め、噛みつきを板で防ぐ。


黒い唾液が木目に飛び散り、鼻を突く悪臭。

隙を突いて頭を叩き潰す。


――討伐2体目


2体目は背後に回り込む。


耳元で呻き声(うめきごえ)


主人公は反射的に身を滑らせる。

牙が頬を掠め(かすめ)、服が裂けた。


「おい! 俺の服!

これ古着だけど気に入ってたんだぞ!」


肘打ちを顎に入れ、

さらに後頭部へ棍棒(こんぼう)を叩き込む。


――討伐3体目


玄関から続けざまに2体が突進する。


1体目を肩でいなす。


横から突っ込んできた個体を

自分ごと壁に押し付ける。


ゾンビの勢いは完全には殺せない。


寸前で顔を逸らし、噛みつきをかわす。


「くっそ、歯磨きしろ!

息クサすぎんだよ!」


頭突きで怯ませ、パイプを突き上げて

頭蓋(とうがい)を割る。


「はぁはぁはぁ……」


――討伐4体目


もう1体がのしかかり、床に押し倒される。

腐った息が鼻を突く。牙が目前に迫る。


必死に備えていた棍棒(こんぼう)を口に差し込み、

噛みつきを食い止める。



「おい、木材食ってろ!

俺の顔はメニューに入ってねぇ!」



歯が木にめり込み、ギリギリで押し返しながら

横薙ぎに鉄パイプだ頭部を叩き割った。


――討伐5体目


裏口の板が外れ、3体のウォーカーが雪崩れ込む。


「くそっ、そっちもか!

DIYバリケード3分持たねぇのかよ!」


狭い通路に退き、正面から迎え撃つ。

出来る限り武器を細かく通路や部屋に配置させた。


――討伐6体目


先頭の爪を受け流し、膝を砕き、倒れた頭を踏み潰す。


――討伐7体目


2体目に肩を掴まれるが、

壁に体ごと押し付け、こん棒(こんぼう)

側頭部に叩き込む。


「くぉぬぉ!オラァ」


血と骨片が飛び散る。


「やべぇ、壁紙のシミ落ちねぇやつだコレ!」


――討伐8体目


最後の1体は勢いで体当たり。


後退しながら冷蔵庫にぶつけ、

動きが止まった瞬間に(あご)を突き砕く。


「冷蔵庫壊すな!

中身まだ確認してねぇ!」


息が荒い。汗で武器が滑る。


階段の窓が割れ、4体が這い出してくる。


「うわ、二階からとか反則だろ!

ウォーカー版ジャン・ウィックか!」


主人公は階段下で待ち受ける。



――討伐9体目


1体目の足首をパイプで払う。

転落した頭を打ち砕く。


――討伐10体目


2体目が迫る。掴まれた腕をひねり、

背中から階段下へ投げ落とす。


床に叩きつけられた瞬間、頭を叩き潰す。


「階段から突き落とし!

アクション映画なら即死シーン!」


――討伐11体目


3体目が突進。


とっさに手すりを盾にして噛みつきを防ぐ。

木が軋む。押し返し、額へ連打して沈黙させる。


「DIY手すり、耐荷重500キロ!

……マジ助かった!」


――討伐12体目


最後の4体目。


振り下ろす爪をしゃがんでかわし、

脇腹へ突き上げる。


骨が軋み、さらに頭を貫通して倒す。


階段には死体が転がり、

血が段差を濡らしていく。


「絶対スリップ事故起こるわコレ……」


呻き声が重なり、5体がリビングへ突入。

主人公は倒したテーブルを盾に押し出した。


「家具の再利用!

サバイバル術ってやつだ!」


――討伐13体目


テーブルの角を顎に叩き込み、

さらにパイプで頭を砕く

――討伐14体目


横から伸びた爪を板で防ぎ、

隙をついて首を薙ぎ砕く。


――討伐15体目


3体目が体当たり。

倒れ込みながら、胸を膝で押さえ込み、

全体重を乗せて棍棒(こんぼう)を振り下ろす。


「プロレス技か!

ウォーカー相手に使う日が来るとは!」



――討伐16体目


4体目はテーブルを飛び越える。

咄嗟(とっさ)に転がって避け、

振り返りざまに後頭部を砕く。


「俺の受け身スキル、格ゲー仕込みだからな!」


――討伐17体目


最後の一体は窓枠から這い込む。


肩を掴まれ、引き寄せられる。


牙が目前。


必死に逆手でパイプを突き込み、

眼窩(がんか)から頭蓋(とうがい)を貫通。


「視力検査、終了!」


テーブルと死体が壁となり、

群れの足を鈍らせる。


呻き声(うめきごえ)が最後の3体。

廊下を破って突進してきた。


――討伐18体目


先頭の爪をパイプで弾き、(あご)を横殴り。


首の骨が折れる音。


顎関節(がくかんせつ)、粉砕! 整形外科行ってこい!」


――討伐19体目


2体目に組みつかれる。

爪が腕を裂き、血が滲む。


呻き声が耳元で響く。


肩を捻って体を入れ替え、

背後から後頭部を叩き割る。


「いてぇ! ちょっと

噛まれてたらアウトだろこれ!」


――討伐20体目


最後の1体。

壁際に追い詰められ、逃げ場はない。


牙が迫り、汗が目に染みる。


「これでラスト! 絶対クリアしてやるッ!」


全身の力を込め、横殴りに振り抜く。


鉄パイプが頭蓋を粉砕し、

壁に叩きつけられた死体が崩れ落ちる。



……呻き声(うめきごえ)は途絶えた。



静寂(せいじゃく)の中、

主人公は荒い息を吐き、武器を床に突き立てる。



床には死体が折り重なり、

黒い血が絨毯(じゅうたん)を染めていた。


「……これで20体。

クリアだ。クエスト完了!

……はぁ、はぁ、報酬はせめて

缶詰2個はマストで請求しまーす。」


汗に濡れた手で顔を拭い、

まだ震える指で武器を握り直す。


周りを見渡す……

家は半壊している。


だが今は確かに、生き残った。


時間の概念など入り込む隙も無く。


気が付けば、赤黒い月は

…もう空から消えていた。


窓の外には、

淡い光が差し込んでいる。



――夜が明けていた。

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