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黄金極振りバーサクガール、VRMMO配信中! 〜攻撃するたび『1G』ドロップするスキルで稼いでたら最強になってた〜  作者: 或鬼ながら
ブレイクアップ・メルトダウン

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#78. クマ、それは地上最強の猛獣である。


 チェーンソー、刀使い、盾使い、魔法使い。

 一見すれば後衛サポートがある前衛主体のバランスの良いパーティーに見えるが、その実態はゴリ押し超火力、カウンター超火力、超機動力タンク兼火力、補助兼魔法超火力という圧倒的なまでの火力パーティーだ。

 しかしこれから相見える《アルドランサ結界森林》のエリアボスは、こんなパーティーでも倒せるか怪しい相手である。


 ルナデルタを出て北、鬱蒼とした森の中を進む。

 大盾に腰掛けてふよふよ浮きながら移動しているコユを見てると、ちょっと羨ましいとか思ったり。


「そういえば、ユヅキも武器強化したのよね?」

「うん、受付時間が伸びてカウンターしやすくなったかな」

「へぇ、それじゃあ相手がユヅキへ攻撃してきてもガードしなくていいのかしら」

「さすがに危なそうだったらお願いしたいよ……!?」

「冗談よ。コユがちゃーんと守ってあげるから、あなた達はうんと羽を伸ばして戦いなさい」


 コユは薄手のワンピースから覗く華奢な足を組み直し、自信ありげに口角を上げた。

 この頼もしさは誰よりもお姉さんっぽいなぁ。

 まあ、小さいけど。中学生とか、そのくらいに見えるけど。


「……流石にユヅキさんの方がお姉さんっぽいか」

「あら、どうやらカナメさんは耐久力に自信があるようね。まーそうよね、その高性能メイド服はあなたにとてもよくお似合いだものね。コユは邪魔しないよう隅っこでヒメを守ってるわね」

「さすがに死んでしまうので守ってくださいコユ様」

「ンフ……その格好で様付けされるとちょっと気分が良いわね」

「ご主人様の素晴らしいお力をわたくしめにお貸しください」

「そこまで言うなら仕方ないわね〜! 精々ご主人様のために頑張りなさい!」


 完全に気を良くしたコユは左右にゆらゆらと身体を揺らした。

 ふっ、ちょろい。


「わたしも〜! わたしもご主人様って呼んでぇ〜!」

「ふむ」


 ヒメにおねだりされ、一考した私は彼女の前に一歩飛び出し、スカートの裾を摘んでお辞儀をする。

 見よう見まねだが、カーテシーと言うやつだ。


「お呼びですか、お嬢様」

「……………………」

「お嬢様?」

「…………いくら?」

「はい?」

「いくら払えばいいの? 幸せすぎて死んじゃいそう」

「いや、お金は取らないよ?!」

「そんな〜っ! こんなかわいいカナメちゃんにお嬢様なんて呼ばれて、これが無料なんて! レジ袋は有料なのに!」

「いやぁレジ袋が有料なのはお客さんにエコバッグ使用を促してプラスチックゴミを減らすためとかじゃないかなぁ……?」

「むしろ払わせて!!」

「払わないでいいからあーーっ!」


 力ずくでゴルトコインを渡そうとしてくるヒメの腕を掴んで阻止する。

 さすがに魔法職のヒメは筋力パラメーターにはポイントを振ってないから簡単に受け止められた。


「ほら二人とも、イチャつくのはその辺にしなさい。奴さんおいでなさなったわよ」

「「はぇ?」」


 取っ組み合う私とヒメの真上に、大きな影が落ちる。

 フシュルゥと生暖かい鼻息が吹きかかり、何かと思って顔を上げれば爛々と輝くつぶらな瞳と目が合った。

 焦げ茶色で固い体毛、太く筋肉質な手脚。

 体長およそ6m……現実のヒグマの倍以上はあろう巨体。


 結界森林のエリアボス《グレイプニル》だ。

 喰暴熊(しょくぼうゆう)とも呼ばれる恐ろしいクマである。

 グレイプニルって、私の記憶が正しければなんかでっかい狼を捕まえるための縄だった気がするんだけど……このゲームではクマなのか。


 グレイプニルの強靭な右前脚は既に振り上げられていた。

 私は咄嗟にチェーンソーを手にし、振り上げる。


「【爆裂属性付与魔法エンチャント・エクスプロージョン】!」

「ナイス、ヒメ!」


 瞬間、右前脚にチェーンソーの刃が食い込み、連続して爆発する。

 爆風でコインも散らばり、数秒後に私のアイテムストレージへ自動格納された。


「グオォッルオッ!」


 連撃性能が増したチェーンソーに爆裂属性なんて与えれば、さしもの大熊も怯んで……。

 いや、仰け反ったかと思えば踏み止まり、そのまま上体を下ろしてきた。


「押し潰す気!?」

「──しょうがないわね!」


 二枚の大盾がグレイプニルの下に滑り込み、のしかかり攻撃を押さえてくれている間に私とヒメは後退。

 その隙にユヅキさんが抜刀して攻撃を仕掛ける。


「【(アギト)】ッ!」


 胴体右側の側面に命中するが、グレイプニルはビクともしない。

 それどころか、攻撃したユヅキさんの方が弾かれる。


「爆裂チェーンソーにユヅキさんの攻撃を与えてこれか……」


 HPはそれほど高くないはずだが、防御力が桁違いのようだ。


「あの毛皮……物理、魔法ダメージを吸収してるわね」

「吸収したらどうなるの?」

「あら、知らないの?」


 ──吸収したら、どこかで発散されるものよ。

 そう言って盾の影に隠れたコユは、手をひらひらと振った。

 自分で頑張れ、ということらしい。

 確かにこの人数を一度に守るのは難しいかもしれないですけど!


「グガオオオオオ!!!!」


 グレイプニルは咆哮と共に、吸収したダメージを発散。

 衝撃波となって、私は勢いよく吹き飛んだ。



クマは強い

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