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黄金極振りバーサクガール、VRMMO配信中! 〜攻撃するたび『1G』ドロップするスキルで稼いでたら最強になってた〜  作者: ゆーしゃエホーマキ
ブレイクアップ・メルトダウン

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#73. ボルダー武具工房(いよいよ最終強化ですか?)


《妖精国ルナデルタ》の一角にある白樹(はくじゅ)は、樹木の中で最も頑強かつ燃えづらい性質を持ち、『森の工房樹』と呼ばれている。

 これを根城にする者はこの国では一人しかいない。


「ボルダー、おいボルダー! 貴様、また白樹を燃やしたな!?」


 あれだけ優しそうだったのに今や怒りで顔を真っ赤にさせたアルメネルは、鎮火され、白樹改め黒樹と成り果てた工房を見上げているおじいさんの襟を掴んで持ち上げた。


 おじいさんことボルダーは──長耳ではあるけどエルフにしては身体が小さく、髪も白くてしっかりと歳を取っているように見える。

 服装からして職業は鍛冶師。

 ズボンと一体になっている革のエプロンを着ていて、手にはグローブ、肩に大きなハンマーを担いでいた。


「この木が燃えやすいのが悪い。ちょっと火力上げただけでこれだ。女王サマにもっと耐火性の強い木を生やすよう頼んどいてくれや」

「貴様のために女王様の権能を易々と使わせてたまるか! 退け、私がやる」

「さすがアルメネル殿はお優しいこって……ん?」


 ボルダーと目が合う。

 いや、彼の視線は私じゃなくて……武器に向いていた。


「お前さんそいつァ……奴らの工房から盗んできたのかい?」

「え? いや、討伐した時に落として……」

「ほう。濫伐者を……? そのなりでか? ほおぉう」


 まじまじと私の身体を眺め、ニタリと笑うボルダー。

 なんですか、そんなに変ですか。

 ゲームくらい多少胸を盛ってもいいでしょうが。


「お前さんの武器、オレに触らせてくれ。なぁに後悔はさせねぇ、ちょっくら素材を持ってきてくれりゃあ、そいつの性能を最大まで引き出してやる」

「え? このチェーンソーを?」

「そいつはオレ達ドワーフが開発した駆動式の近接戦闘兵器よ。ゴブリン共に盗まれちまっていたが、お前さんみたいな奴が拾ってくれたなら上々だ」


『チェーンソーの新事実!』

『サードクリアしたらドワーフ武器ドロップするんかな』

『機構武器はロマンあるぜ』


 エルフじゃなくてドワーフだったのか。

 というかこのチェーンソー、ドワーフ製だったの?


「ダイバー様の武器を調整するのは構いませんが、二度と火事にはしないでくださいよ?」

「鍛冶に火事は付き物よ」

「く・れ・ぐ・れ・も!! 気を付けてくださいね!」


 むっとした表情でボルダーに強く念を押したアルメネルは、私達に向き直るとすぐ笑顔を取り戻して「では私は女王様に報告がございますので」と軽く会釈をして去っていった。


「……ったく、アルメネルの奴め。良い武器を作るには良い火が必要だと何度言えばわかるんだ」

「でも燃やしちゃうのはまずいと思いますよ……」

「へーきへーき、アイツの結界が張り巡らされてんだ。そう簡単に燃え広がるかよ」


 犬猿の仲かと思ったけど、意外と信頼してるんだ。


「さあダイバー、改めましてだ。ボルダー武具工房へようこそ! 素材と金さえありゃあ伝説級の装備を作ってやるぜ」


 アルメネルによって修復された新築の白樹製工房は、それはそれは(たくま)しくそびえ立っていた。

 備え付けられた扉から工房に入ると、金属のニオイが鼻をくすぐる。炉にはしっかり火が燃えていて蒸し暑い。

 鉄床(かなとこ)もあり、樹木の中なのに内部はちゃんと鍛冶場だ。


「《焔輝刃ロア・ゼロス》……まぁ人間がやったにしちゃ上出来だな」

「何の素材が必要なんです?」

「そーだな……エンジンを変えて回転数を上げたいが、それに耐えうる強度が欲しい……となると……」


 ボルダーが紙にペンを走らせ、必要素材を書き出した。


「これだな」

「あ、《アダマンタイト》に《光鋼鉄(ラスタチウム)》《業焔鋼(フラマニウム)》《希鋼金(ゴルトニウム)》……《響竜の鋼拳殼》……《不死鳥の焔毛》《神狼の極雷毛》《隻燼龍の邪眼》》!?」

「見事にレア素材ばっかりね」

「邪眼ここで使うんだ〜!」


 まさか隻燼龍の素材を早々に使うことになるとは……売ろうかと思っていたけど残しておいてよかった。

 鉱石系はまだなんとかなる。

 大砂漠のエリアボスである響竜も。

 あと、代金も……なんとか、うん。


 厄介なのは残り二つの素材──《不死鳥の焔毛》と《神狼の極雷毛》だ。


「不死鳥って確か……コユ持ってなかったっけ!?」


 初めてコユと出会った時、確かコユはデュエルで《不死鳥の火花》なるものを賭け金にしていたはずだ。

 不死鳥は天空に現れるダンジョンのボスで、このダンジョンは出現確率が低い。

 今から探すのは骨が折れる……。


「羽根よね? それくらいならあげるわよ、使い道ないし」

「あっ、ありがとう! この借りはいつか必ずっ!」

「別にいいわよ。それより、この神狼ってのが気になるわね」

「わたしもわたしも〜、聞いたことないよね〜?」


『神狼? 知らんなにそれ……』

『カミサマー』

『強そうなのはわかった』

『わからん』


 視聴者も首を横に振るばかり。


「なんだ知らねぇのか? 神狼ってのは土地神なんだが、住処を作らずあちこち走り回ってるんだ。出会うのは難しいだろうな」

「ぐっ、なにかヒントとか……ありませんかねっ!」

「ヒントだぁ? つってもなぁ……伝承に載ってることしか知らねぇぞ?」

「その伝承って?」

「あー、名前は()()()()()()()()()つったかな。蒼雷を纏う青白い毛並みの大狼で、金色の角を持つ。姿を現せば辺りはたちまち雷雨に変わり、あらゆる魔を跳ね除け、雷鳴のような咆哮は全ての生き物をビビらせちまうんだと」


 アマツガノオオカミ……青い雷を使う狼か。

 聞く限りだと、強制天候変化に魔法無効、咆哮によるスタン…………って、あれ?

 戦ったことあるような。というか──。


「なんか、ユヅキさんっぽい……?」


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