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攻撃したら『1G』ドロップするスキルで金策してたら最強になってた ~金極振り配信、始めます~  作者: ゆーしゃエホーマキ
スタートダッシュ編

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11/62

#11. 【コイントス】×999,999


《濫伐者カリカーン》の残りHPゲージは三本。

 ただし脈々と回復し続けている。

 なら、その命を濫伐するまで。叩き斬ってやろう。



「……【コイントス】」



 一気に100枚を投げる。

 全て『表』──100枚中20枚表とかになったら精神的ダメージが大きいけど、ちまちま投げてたんじゃ時間がかかりすぎる。

 コインが舞うなか、カリカーンが大斧を持って攻撃を仕掛けてくるけど──。



「【詠唱短縮(スペルカット)】【エクスプロージョン】!」



 強靭な足だろうと、強力な爆発の前には無力だ。

 踏み出した一歩は地雷でも踏みつけたように爆発し、体勢を崩して仰向けに倒れる。



『【コイントス】の10枚目に成功しました。()()()()()()()()()()()します。【コイントス】の20枚目に成功しました。()()()()()()()を獲得します。【コイントス】の30枚目に成功しました。()()()()()()()を獲得します。【コイントス】の40枚目に成功しました。()()()()()()()を獲得します。【コイントス】の50枚目に成功しました。()()()()()()()()()()()()()()()()()を獲得します』



 散らばるゴルト。

 黄金散華、雨あられ。

 それでもボスモンスターを屠るには、まだ足りない。

 まだ【コイントス】は続ける。



『【コイントス】の100枚目に成功しました。()()()()()()を獲得します』

「クリティカルヒット率、クリティカルダメージ、スキルダメージ、属性ダメージ、攻撃力……これだけバフを持っても一撃で仕留めるのは難しいなんてね」

「ゴ……ッ、ゥ……」



 起き上がった濫伐者は、目の焦点が合っていない。

 そう、フリーズしていた。

『3つ目を認識できない』という性質が散らばるゴルトコインに適応された結果、その多すぎる量に処理落ちした。

 恐らくプレイヤーなら3人目のプレイヤーを認識できなくなり、武器なら3つ目の武器を認識できなくなる。

 ゴルトコインも3枚目を認識できない。

 散らばったゴルトコインは表が裏か当たれやがて消滅するけど、そこからさらに10枚、20枚と増えていく。

 いったいどれが3枚目と言えるのかは、アイツの目と搭載されたAI次第だ。


 そして、一撃で倒せないなら連撃で。



「うらぁぁぁぁっ!!!」



 フリーズ中の《濫伐者カリカーン》をバルディッシュで攻撃。

 そのタイミングで【コイントス】を発動する。



「……! ゴルトライザーでドロップしたコインを使って!?」

「ドロップした瞬間からこのコインは私の所持金になってる! なら、タイミングを合わせれば攻撃と同時にコイントスができるってわけ!」



 これは《ゴブリン・キング》でレベル上げをしていた時に気付いたやり方だ。

 ゴルトドロップ量が倍増してるから、1ヒットで2Gがドロップする。

 10回攻撃で20G、さらに元々の所持金も隙を見て投下。



『【コイントス】の1,000枚目に成功しました。全ステータスが上昇します』

「まだまだぁ!!!」



【コイントス】×9()9()9(),()9()9()9()()

 プラス【ゴルトライザー】でドロップ×200枚。

 100万枚以上のコインを消費する。



「私はここで埋もれる訳にはいかないんだよッ!」



 ヒメが恥ずかしくないように。

 周りの目を気にせず隣を立って歩けるように。

 対等な友達であるために。

 目の前の障壁は壊す。壊すための重機は買う。

 だってお金は使うためにあるのだから。



『……【コイントス】の100,000枚目に成功しました。()()()()()()()()()()()()()()します。……【コイントス】の200,000枚目に成功しました。()()()()()()()+()1()されます。……【コイントス】の300,000枚目に成功しました。()()()()()()()()()()します。……【コイントス】の400,000枚目に成功しました。M()P()()()()()()()()()()()()()()()()()()します。──GOOD LUCK!』



 100万G以上使って、成功したのは40万枚。

 ……たったの40万枚? これだけ投げて半分以下?



「嘘でしょ……50万ゴルト以上無駄にした……? い、いや……勝てば稼げるっ! 問題ない!」



 でも、これだと火力が足りるか分からない。

 私のレベルはたったの25なんだから。



「いい加減! 回復するなぁッ!」



 攻撃を続け、《濫伐者カリカーン》の肉体からダメージエフェクトと共に迸るゴルトコインを消費し続ける。

 敵が回復し続けるおかげでいくらでも【ゴルトライザー】は発動できた。


 ──そうして殴り続け黄金のゲリラ豪雨を浴びていると、【コイントス】のバフで超強化された私の攻撃力が《濫伐者カリカーン》の再生能力を上回り、グンッと大きくHPを削る。

 ついに残りHPがゲージ一本を切るのが見えた。



「グオオオオォォォォッッッ!!!!」

「これがお金の暴力だあぁぁぁぁーーーーッ!!!!」



 

 ダメージエフェクトまみれの灰色の肉体へバルディッシュを大きく振りかぶる。

 そのまま【ルードバスター】の発動モーションをなぞり、全てのMPを注いで最後の一撃。

 一筋の眩いライトエフェクトが閃光し、《濫伐者カリカーン》を真っ二つにブッた斬る。



「ゴルッ……グッ、オォ……ォォ…………ッ」



 最後の抵抗か、丸太のような腕を伸ばして私を掴んでくるカリカーン。

 しかしHPはゼロになり、その肉体は光に変わって──爆散していった。



「はぁッ、はぁッ、はあ…………っ、あ……?」



 肩を上下させて荒げた息を整える。

 あれ……私、勝った……?

 隠しダンジョンのボスに、勝てたの……?



「勝ったぁ~~っ!! 勝ったよカナメちゃん!」



 ぴょんぴょんと飛び跳ね、全身を使って喜びを表現するヒメを見て、私は激闘の余韻の中で勝負に勝ったことを噛み締める。

 そうしているうちに私達の目の前に『Congratulations!』と称賛の言葉が大きく表示された。



「はっ、そうだ報酬金!」

「ボス討伐報酬金が20万ゴルト……元々は20万だったのかな~?」

「いや、倍増は2回引いてるから4倍のはず……」

「あ、2回目の倍増は計算が後になってるよ~」

「そっか、その前に報酬金ボーナスを引いてるから……」



 報酬金ボーナスを何回か引いて、計400,000G。

 そこに2回目の倍増を掛けると……800,000G……。



「…………えっ、と」



 報酬金……800,000G。

 今回私が消費したのが、1,000,000G以上だから……?



「あ、あぁっ……ああああああぁぁぁぁ~~っっ!!?」

「おおっ落ち着いてカナメちゃん! 気を確かに!」

「報酬は山分けだから私の手取りは40万ゴルト! 60万ゴルト以上無駄にしたぁぁぁぁ!!!」

「ほ、ほら、まだレアドロが残ってるから~!」

「そうだった! レアドロを売れば100万や200万はすぐに……」



 レアドロップにはアイテム名の前に『R』が付く。

 カリカーンのドロップアイテムは……。


《濫伐者の破れた耳》5,000G×2ドロップ。

《濫伐者の巨骨》10,000G×3ドロップ。

《濫伐者の大牙》13,000G×2ドロップ。

《R - 脈動する心臓》20,000G×1ドロップ。

《神獣の聖水瓶》15,000G×1ドロップ。

《神獣の欠けた枝角》17,000G×1ドロップ。


 合計金額『118,000G』──。



「おわった……」



 ヒメがドロップアイテムを全てくれたとしても518,000Gのプラス。

 これだけやってマイナス482,000G……。



『まだページスクロールできるよ』


「……え?」

「あ、ホントだ~。もう一枠あるよカナメちゃん!」



 コメントでそう教えてもらい、まさかと思いつつ下へスクロール。

 するとそこには他の灰色枠とは違い、金色枠のレアドロップが──!



「って1個だけじゃん!!!」

「でもこれ……チェーンソーじゃないかな~?」

「チェーンソー? チェーンソーって、あの?」



 ドロップしたのは《チェンソー・ゼロス》という武器。

 このファンタジー世界にチェーンソーなんて文明があったのか。

 それとも流石は濫伐者と言ったところか。


 けどレアドロップはこれだけ……レアドロが武器ならこれを使いたいし、売るわけにもなぁ。

 結局割に合わないか……まぁ、長期的に見れば強い武器は嬉しいよね。うん。


 なんとか気を持ち直そうとそう思っていた時。

 不意にコメント欄が目まぐるしく動き出す。



『【¥10,000】Congratulations!』

『【¥5,000】レアドロおめでとうございます!』

『【¥1,000】攻略おつかれさんやで』

『【¥3,000】未踏破隠しダンジョンのクリアおめでと~』

『一回の戦闘で100万使うのはえぐいな』

『【¥1,000】参考になったけど参考にならない戦いだったぜ!』

『【¥500】これ祝杯用のジュース代』

『【¥5,000】散財しちゃったね。おじさんのお小遣いを足しにしてね』

『おっさん無理すな……』



 瞬きしても消えない、色付きのコメント──投げ銭で溢れ返っていた。



「あ、ありがとうございます。えと……楽しんでくれたらなら嬉しいです」

「カナメちゃんのチャンネル登録よろしくお願いしま~す♪」

「自分の宣伝しなよ……」

「今日のMVPはカナメちゃんだからね~」

「え~? まぁね」


『ドヤ顔で草』

『ドヤかわいい』

『乙!楽しかった!』


「そ、それじゃあ、今日はこの辺で……また次の配信でお会いしましょう」

「あ、カナメちゃん。終わりの挨拶を決めておこうよ~」

「えぇ? うーん……そんなの急に言われても……」



 ……まぁ、あれでいいか。



「んじゃあ、みんなの幸運を祈って、GOOD LUCK!」

「グッドラック~!」


『グドラ~!』

『GL!』

『その略し方は……いやなんでもない』

『百合の花が咲きます』



 こうして、《濫伐者の柩》攻略配信は無事……いやちょっぴり懐に傷を負いながら、けれど投げ銭のおかげで悪くない結果に終わったのだった。




◤ PN 《カナメ》Lv.25 → Lv.28

  所持金『402,550G』(換金時:4,025.50円)

  投げ銭総額『36,500円』

  -30%『25,500円』(2,550,000G相当)を獲得 ◢


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― 新着の感想 ―
出てしまったか……作品によっては神すら弑する最強武器―――チェーンソーがよォ〜〜〜〜
前のエピソードから考えて選択したほうと逆の面が出やすいように調整されているとは感じてませんでした。 それなのに今回100万回コイントスをした場合99.99%の確率で498,000回~502,000回成…
これがホントのPay to Winってか
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