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3 楽しい川遊び

竜を拾いたての頃に戻ります。

ハンナが竜を助けた数日後。


南の森に住むハンナはたまに川遊びへ行く。拾った竜を川に連れていった。

「川では何をするの?」

「うん、魚釣りだよ!」

のどかな生活を送っていたハンナは川で釣れた魚を焼いて食べるのが楽しみの一つだ。


釣竿を持つハンナは川に釣り糸を投げ込んだ。川岸に座り込みながら、魚がかかるのを待つ。

水面はキラキラしている。のんびりと時間は過ぎていく。


「釣れるかな?」

魚が釣れるのが待ち遠しい竜はハンナに聞く。

「こういうのはね、焦ると上手くいかないのよ。それに釣れないことだってあるよ。気長にいこうよ」

魚釣りの経験が豊富なハンナは竜に告げた。

「焦らないようにか・・・」

何やら竜は考え込んでいる。

「どしたの?」

不思議に思ったハンナは声をかけた。

「う、うん。竜になる前の僕は今まで焦りすぎていたかもしれないなって」

「そうなの?」

「うん。僕の家は少し大きくて、その運営というか何というか、結果を焦ってしまう所があってね」

「ふーん、商売でもしているのかな?何事も焦るのは良くないよ。条件が整えば、上手くいくことが多いから。上手くいかないのは何かしら足りない場合だよ。薬を作るのもそう。足りない材料があれば、その薬は完成しないよ」

竜は悟ったように

「あ、そうだね!足りないものがあると良くないんだね」

「薬を作るための材料で足りないものを手に入れるためには色々と探したりすることになるね」

「なるほどね。足りないものを探すのか。ハンナといると色々と気が付くことが多いよ。ありがとう」

「どういたしまして。何か忙しい生活を送っていたんだね」

「えっ?!まさにその通りなんだけど。ハンナはどうしてそう思うの?」

「うふふ。忙しいと周りのことが見えなくなるというか、分からなくなるというか、客観的に見るのは大切だよ」

「そうか。僕にはゆとりがなかったんだね」

今まで人間だった事を考えた竜は人間に戻ったら、もう少しゆとりを持とうと決めた。


(人間に戻っても友達のハンナにはいつも近くにいて欲しいな。そうして僕を励ましてもらいたいし、こんな感じで話し相手になって欲しいな)


今までの自分に足りないものは信頼出来る友達だったんじゃないかと竜は気が付いた。


(そう言えば、お城では誰も僕の話し相手はいなかったな。当然と言えば、当然だけど。皆、家来だものね)


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