1話
目を覚ましたら森の中にいた。
何を言っているかわからないかもしれないが、俺もいまの状況がわからない。
俺は日本にいたはずだ。どこにでもいるような、男子高校生だった。そして……、そうだ、俺は帰り道にトラックに轢かれそうになっていた猫を助けるために、道路に飛び込んで……そこからの記憶は曖昧だが、たぶん死んだのだろう。
いわゆる異世界転生ってやつだろう。だてにオタクはやってない。ある程度の知識ならあるのだ。期待半分不安半分で、俺の異世界生活は始まったのだった。
異世界といったら、ステータスとスキルだろう。
「ステータスオープン」
と、唱えると不透明なボードが出てきた。
【名前】安土鈴
【レベル】1
【HP】35/35
【MP】20/20
【攻撃力】13
【防御力】21
【魔力】14
【運】35
【ステータスポイント】13
【固有スキル】ガチャlv.1
まず、ステータスだが基準値はわからないが目立ったものはない。
問題はスキルだろう。ガチャってなに……。
ソシャゲのガチャみたいな感じなんかな?それにそれにしても、異世界って感じがしないな。
と、思っていると
ガチャ:レベルを消費することで、ガチャをひける。消費レベルをあげることでよいアイテムが出やすくなる。
スキルの説明が出てきた。普通って鑑定スキルみたいなのが必要だと思ったんだが、違うのか?固有スキルだから見れたって感じか?
まぁ今考えることでもないか。
ガチャを引くためにはレベルが必要らしいし、レベル上げをするために、食料探索もかねて探索するか。
「グギャ、グギャギャ」
声がする方に行ってみると、子供くらいの身長で緑色の肌、みすぼらしい格好をしてる、いわゆるゴブリンがいた。
どのくらいの強さかわからないが、数ある作品のなかでも、スライムに次ぐ最弱モンスターだ。大丈夫だ、と言い聞かせ、気付かれないように後ろに回った。
下に落ちている、石を拾い上げゴブリンに、近づきそのまま頭に叩きつける。
グシャッ、という音と共にゴブリンが倒れ、
消えていった。
レベルは上がったかな?とステータスを見る。
【名前】安土鈴
【レベル】3
【HP】35/57
【MP】20/43
【攻撃力】38
【防御力】52
【魔力】40
【運】70
【ステータスポイント】30
【固有スキル】ガチャ:lv.1
レベルが2上がってた。ゴブリン一匹で結構上がるんだな。っと、レベルが上がったことだし、ガチャ引きますか。
ガチャ!と、頭の中で唱えると、ステータス画面のようなボードが出てきた。
【ガチャ:lv.1】
・1連ガチャ(1レベル)
・10連+1連ガチャ(10レベル)
・1連ガチャ(10レベル)
・10連+1ガチャ(100レベル)
どうやら、1連ずつ引くよりも10連で引いた方が一連お得らしい。消費するレベルも、1連1レベルと、1連10レベルがあるみたいだ。
とりあえず1連引くよりも、10連の方が得らしいので、レベル上げをするか。
ゴブリンを10体くらい倒してレベルが11まで上げた。
【名前】安土鈴
【レベル】11
【HP】58/121
【MP】50/105
【攻撃力】76
【防御力】88
【魔力】68
【運】102
【ステータスポイント】42
【固有スキル】ガチャlv.1
ステータスの上がり幅は、レベルが上がるにつれて、低くなっていくっぽい。あと、普通に見逃していたが、スキルポイントってなんだろうか。
まぁ、そんなことよりもガチャの時間だぜ。
ガチャボードを出して、10連+1ガチャ(10レベル)をポチっとな。
N【攻撃力】+5
N【防御力】+7
R【道具】収納袋
N【魔力】+3
SSR【特殊スキル】鑑定
N【攻撃力】+5
SR【武器】ロングソード
R【道具】マナポーション
N【攻撃力】+4
N【魔力】+7
SR【HP】+59
と、こんな感じだった。はじめてだから、いいのかわからないが、サバイバルには必須な鑑定が出てきてくれたためいいだろう。
他にはステータス増加系のものもある。見た感じでは、Nは、全てステータス増加系で、増加数は、1桁になっている。SRでも、ステータス増加系が出ているがこちらは2桁だ。
SRでは武器、Rは道具といった感じになっている。まぁとりあえず手に入った物の鑑定を行ってみた。
収納袋:物を収納できる袋。中に入れた物の重さは感じない。中に入れた物の時間は普通に経過するため注意。(収納数0/30)
マナポーション:【MP】を回復させるポーション。(品質:最上級)
ロングソード:刃の部分が長い剣。洞窟などでは扱いづらいが、開けた場では使いやすい。
(品質:最上級)
収納袋は、アイテムボックスのようなものだった。これはとても使いやすい。中の物の時間が経過するのはちょっと惜しいが、問題はない。
そして、マナポーションとロングソードはどちらの品質も最上級だった。まだ何とも言えないが、ガチャから出るものは、レアリティ関係なく良いものなのかもしれない。これが本当だったら、とても嬉しい。
ぐぅぅぅ。腹がなってしまった。こっちに来てから、だいぶ経ったけどなにも食ってなかったからな。飯を探すついでにレベリングもかねて、探索を再開した。
少し森の奥に入っていく。
ヤバい、超絶にヤバい。先程と同じ様に、ゴブリン狩りをしていたら、今の俺では絶対に勝てないだろう敵が俺を追いかけてきた。
「グゥルゥゥウァァアアア!!」
叫び声に怯みながらも、どうにか鑑定をかけた。
【種族名】ティタノベア(幼体)
【レベル】56
本当にヤバいかもしれない。浮かれすぎていた。見た目は、クソデカイ蛇の図体に熊の頭を持っている。成体じゃないだけ、ましだったがそれでも5mくらいはあると思う。
しかも鑑定のレベルが低いからなのか自分のレベルが低いからなのかわからないが、名前とレベルのみしか、表示されない。
逃げ続けてもどうにもならないんで、どうにかして、いまの状況を覆すためにできることを考える。
一つ目は、ガチャを引いて新しいスキルをとることだ。運良く先程レベル11になったばかりだ。
二つ目は、ステータスポイントの使用だが、こちらは今まで使ったことがないが、たぶん各ステータスの強化だと思う。
しかし、今ステータスが上がったところで、
たぶんだが、相手には通用しないだろう。ならば必然的に選ぶのは前者だ。頭の中でガチャを念じて10連ガチャを引いた。
R【道具】ポーション
N【MP】+8
SR【攻撃力】+49
N【魔力】+4
N【防御力】+6
N【防御力】+6
N【攻撃力】+8
N【HP】+7
N 【MP】+2
SR【道具】転移の指輪
SSR【武器】魔銃
スキルはでなかったか。しかし使えそうなアイテムが出てきた。とっさに指輪を嵌め込み叫ぶ。
「転移!!!!」
周りを見渡すがさっきの蛇は居なかった。とりあえず安全になった。ふと、指輪を見ると指輪は黒ずんで所々に、ヒビが入っていた。とりあえず鑑定をかけてみた。
壊れた転移の指輪:転移の指輪が壊れた物。
もうちょい情報がほしかったが、まぁいい。どうやら指輪は、使いきりだったようだ。もったいない気もするが、使っていなかったらたぶん死んでただろう。
他の道具やステータスも、確認しておこう、ゴブリンも結構たおしたし、ステータスポイントについても、気になるとこだしね。