1.プロローグ
ヒャア!我慢できねぇ!投稿だァ!
はいどうも皆さんはじめまして。荼枳尼天と申します。
こちら処女作になっており、見るに堪えない駄文ではありますが、楽しんでいただければ幸いです。
1
ある程度の情報収集を終え、席を立ち棚からコンタクトケースを取り出す。
コンタクトケースから伸びるコードを抜き取り目につけて準備は完了だ。
ベッドに腰かけ、時計を眺めつつコンタクトケースに着いている電源をつける。
すると視界にディスプレイが表示された。
『welcome!』
視界にその表示を捉えた後、ベッドに身を任せ俺はこう呟いた。
「リンク…スタート」
景色が流れゆく。
形容するにはあまりにも壮大な景色に抱いた感情は様々だ。
期待、不安、喜び。
その中でも期待は1番大きく、動くはずのない現実の体が動いた気がした。
人気タイトルロゴが表示される。
『Final eden』
スタートを選択し、キャラメイク画面に移った。
移動しようとすれば、目の前にディスプレイが表示される。
ここには個人情報を入力するようだ。
神母坂 周 15歳…っと
入力を終え、奥へと向かう。
「…ここは…」
視界を動かすと、そこはかなり大きい図書館のようだった。
本棚が大量に存在し、限界が見えない。
ただ、見えない壁のようなものが存在し前への一本道のように思える。
少し進めば開けた場所に出た。
中央に仕事机がある。そこには執事のような雰囲気をもつ男性がいた。
「ようこそいらっしゃいました。私はここの管理人」
「じゃあここが…」
「そう。ここがすべての異世界人の母胎。星海ノ禁書庫」
「すごい壮大な名前だな…」
「何もかも全ての知識がここにありますからね…壮大にもなります。このなかの1冊でも読めばあなたの頭が爆発しますが…どうします?」
「よむわけねえだろ!」
「くっくっく」
何が面白いのか管理人は笑っている。
この管理人と話しているといいことはなさそうだと思い話を進める。
「とっととキャラを作りたいんだけど?」
「おっとすみません。では、こちらをどうぞ」
そう言うと管理人は懐から分厚い本を取り出した。
表紙には『book of AVON』…って
「バカか!直葬されるわ!」
「くっくっくすみません。間違えてしまいました」
「ったく…」
本を投げて返す。
管理人は受け止めることなくその本は空中に浮遊し、本棚へと戻っていった。
管理人は机の引き出しから違う本を取り出し俺へと差し出した。
表紙には何も書いてなく、新品の本の匂いが鼻を刺激する。
開けば、ガラスのようなディスプレイが展開されキャラ作成画面へと移った。
パーツの数は従来のMMOをゆうに超えている。
細かい調整ができるためにオンリーワンなキャラが作れそうだ。
だが、俺が作るキャラの基本構造はもう決まっている。
なんならゲームを買うまでそのキャラで何回妄想したか、おぼえていない。
お金や事情などの問題で第二陣での参戦になるがランクガチ勢でもないため、気楽にゲームが始められそうだ。
キャラの設定は緻密で、その設定に沿ったパーツがすぐに見つかる。
体型などの調整に少し手間取ったが、キャラ作成自体は2時間と少しで終わった。
銀髪金眼。
サイドアップのサラサラの長髪で、快活なつり目。
小ぶりな鼻と口にギザ歯。
イカ腹の幼い体。
挑戦的なその表情は、まさしく…
「最高のメスガキだ!!!」
出来上がったキャラを投影し、達成感に鼻息を荒くしていると管理人がやってきてこう言った。
「これがあなたのガワですか…ほう…驚くべき完成度ですこの短時間でこの体を…ねえ…精神と体の綱引きでもするつもりですか?」
「なんだよそれ、そんな修行みたいなことしないよ。ただチヤホヤされたいだけ…なんだけどまあ基本ソロだし自己満足でしかないな」
「なるほど…ワタクシ、貴方様のこれからに興味があるのですが」
顔に凄絶な笑顔を貼り付けて俺に話しかけてくる。
怖気づきそうになるが自信の無いポーカーフェイスを貼り付け対抗するように虚勢を張った。
「勝手に見ればいい。俺は俺の道を進むだけだ」
「くっくっく…では、勝手に見ようと思います…」
キャラの仕上げを足早に終わらせると。
管理人はこう言った。
「では、貴方様を産み落とす作業に入ります。人によって転移場所が違いますが…基本初期地点の街に近い場所に転移するのでご安心を。街まで行けばこの世界で生きる上で必要なことを教えて貰えるでしょう」
「了解」
「転移座標を算出…くっくっく…では幸運があらんことを…期待しています」
意味深な笑いが引っかかったが、俺はその笑いをすぐに記憶の外に放り出し期待に胸をふくらませる。
目の前が暗転し、転移する。
嗅覚を刺激する草の匂いと土の匂い。
聴覚を刺激する鳥の鳴き声。
それを感じながら、俺はネカマ人生の一歩目を踏み出した…!!
はずだった。
地面の感覚がない。
視覚情報を脳が受け取ると、その脳が困惑に満たされた。
大穴だ。
俺の真下に大穴が空いている。
転移後の余韻で中空に浮遊しているが…
この先の展開は読者諸君も読めただろう。
「うっうわああああああああああああ!!!!」
変にばたついたせいで姿勢が崩れ、俺は切り揉みしながら落下し、その大穴の闇に飲み込まれた。
読んでいただきありがとうございました。
ブックマーク、評価、ご感想などいただければ活力になります!
更新頻度に関しては、書きだめが10話と少ししかありませんのでかなりマイペースなものになりますがご了承ください。