第8話王女の力
すいません。結構長々となってしまって。頑張って戦闘シーンを書きたいんですけどね。説明の部分が長くなってしまいました。
「私の力ですか?」
テレスはそう言って俺を困惑気に見てきた。それはそうだ。今まで使ったこともない力を理解しろと言う方が酷というものだ。
「そうだな。まず人と言うものに備わっている力は分かるか?」
「魔力のことですか?それなら私には存在すらしてませんよ?」
何を言いたいのか分からないと言うふうに俺を見るテレス。
確かに魔力と言うものはこの世界の人間の殆どが宿す力だ。しかしそれだけではない。
「確かにこの大陸では殆どの人間には魔力と言うものが備わるだろう。しかしこの世界にある力とは決してそれだけでは無いのだ」
「魔力以外にも私達に備わる力があると?」
「ああ、そうだ。基本的に人が宿す力は生まれた時に決まる。血筋で持つ力は決まるからな。それに俺も魔力などは持っておらんよ。しかしこのような術は使える」
そう言った俺は少し離れたところに結界を作る。それを見たルーナとクリスは驚いた表情をした。しかしテレスはわかっていない様子だった。
「なっ!魔力を一切感じなかった」
「えっ?そうなのですか?私には何も…」
「うん。クリスの言う通りだよ魔力は一切感じなかったよ。けど何か別の感じがしたような気がする」
魔力を長年使って来たからだろう。2人は魔力でなくてもそれの違和感を感じたようだ。
「今俺が使った力は霊力と言うものだ。結界や占い。召喚術が強く、魔力とは違う五行の属性をを持っている」
「では魔力はどのよう強みが?」
「基本的に魔力とは万能な力だ。大体のことは出来る。しかし魔力はその方面の力には劣る。万能ゆえに届かぬのだ」
「つまり強みが無いと?」
「いや、色々なことに対応できるからな。守りに攻め、支えることなど色々とな」
「じゃあ、どういうこと?」
「例えば同じ力の量で俺が霊力で作った結界とクリスが魔力で作った結界では耐久力が俺の方が高いのだ」
最後の説明で納得したのか2人は頷いてくれた。
「本題に入るぞ。この世界にある基本的な力の属性は7つある。魔力、霊力、霊気、龍気、鬼力、仙気、そして神力だ。全てを説明すると長くなるからせんぞ。このうち霊気と呼ばれる力がテレスに宿っている」
少し長くなったがある程度の基盤になる事は言うことが出来た。この大陸にいるものは魔力しか知らんでな説明はしておかなくてはならない。
「霊気、それがテレス様に宿る力…」
「じゃあ、霊気ってどういう力なの?」
ちょうどいい時にいい質問が来た。
「霊気と言うのはな精霊が使う力だ」
「精霊って自然を豊かにして守るって言うあの?」
「そうだ」
そう精霊だ。あの時俺に話しかけてきたのも精霊だ。基本的に人間の前に姿を表さず持って自然の中で生き、自然の力を宿す存在。そのような者の力がテレスには宿っている。
「ちょっと待って下さい。そのような力が私にあるならどうして今頃になって…しかもどうして貴方にそれがわかるんですか?」
予想はしていたがやはり先程の自信が行使した事実を忘れているようだな。
「お主にその力が宿っている理由は俺には分からんが、その力はおそらく自信かそれともお主の友であるルーナの危機に反射して出てきたのだろう。そしてわかる理由は数年前に見たことがあるからだ」
「貴方は精霊に会ったことがあるんですか?それに私がルーナの為に?」
「ああ、そうだ」
テレスは何かを噛み締めるように自分の手を見ていた。
「私がその力を使えるようになれば2人を守れるようになりますか?」
テレスは俺の顔を真っ直ぐ見ていた。
復讐を出来るかでは無いんだな。
「なれると保証はしよう。 しかし俺自身その力の使い方は知らんでな。自分で見つけるしかないぞ?」
俺は霊気を宿している訳では無い。しかし彼女が望むなら俺は己が出来る限りのことは手伝うつもりだ。
「テレス様、私が貴方を守ります。だから貴方が自ら傷つきに行く必要はないのですよ?」
クリスがテレスを気遣うように言った。多分それは己の主を必要以上に傷つかせないために。
「ありがとうクリス。でも私は強くなりたい。誰かに守られて傷を負わず逃げるのでは無く、誰かを護って傷つきたい!」
テレスは力強くそう言った。それを見たルーナも何かを考え込むような素振りを見せた。
「ねぇ、クリス私も強くやりたい。だから私に戦うことを教えて?」
「私からもお願いします」
2人の願いを聞いて少し考え込むクリスはどうすれば良いのかを考えているようだ。
確かに従者としては余り主を前に立たして戦わせたくはないだろうな。仕方の無いことだ。
それでも多分彼女達は強くなろうとするだろうな。俺が焚き付けたんだ少しぐらいはな?
「やる気あるなら十分だ。教えてやりな。それがお主の主の願いだ」
「……分かりました。やるからには厳しく行きますよ?ルーナ様」
「うん。ありがとうね。ワガママ聞いてもらって」
「いえ、私の方こそ貴方たちの覚悟を軽視してしまって。しかしテレス様の力、霊気?ですよね。それはどうやって教えるのですか?私は魔力しか分からないですよ?」
必要な心配だ。誰もこの中で霊気を使えるものは存在しないのだからな。しかし必ずしも教えなければ出来ないと言うことは無い。
「教えることは出来んよ。しかしテレスはもうその力を解放した状態だ。今までの体の中に押し込めていたのとは訳が違うからな。そなたはもう体の中にある違和感を感じれるはずだ」
昔に経験したことをそのまま教える。俺も経験があるからな。自信が知らなかった力が身に宿っていたということがな。
「違和感……何かこう、体の中でモヤモヤがあるような感じですか?」
「おそらくそれだ。少し無責任かもしれんが使い方はそなたが見つけろ。その力が存分に使えるように場は整えてやるからな」
「はい!ありがとうございます!」
元気よく挨拶するテレスは俺にわくわくしたように見ていた。
この者は周りが魔力と言う力を使えるのに対して自分だけ使えなかった。この大陸ではいくつも見てきた。魔力を使えないものを差別するところをな。我が国でもあったことだ。
おそらく帝国もこの力が目的なのだろう。言ってはいないが察しているはずだ。だからこそ力を着けて貰わなくてはな。クリスとルーナの方も話をしているようだな。、
「とりあえず大方の説明は終わった。これから旅の途中でその力の練習は行おう」
「今からでは無いんですか?」
「ああ、やる気があるのにすまんな。明日は街によって旅の準備をしないといかんからな。とりあえず休め」
ちょうどこやつらが起きてから2時間と言ったとこか。そろそろ明日に備えなくてはな。それにまだこの者達は疲れを取れていないようだからな。
「分かりました。じゃあルーナ達を呼んできますか?」
「そうしてくれると助かる」
俺の返答を聞いてクリス達の方に向かったテレスは先程よりも明るく見えた。不安もあるのだろう。しかしそれだけでは無い。自身が守ることの出来る強さを身につけることが出来ることに対する嬉しさがあるのだろう。実際のとこはわからんがな。
それから3人が戻って来てから少しして俺達は眠りに着いた。
次は戦闘シーン頑張るぞー٩(´・ω・`)و