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使徒降臨!その行動、武力介入させてもらう!  作者: にゃん旅
ファースト、護衛
7/12

5話

扉が開き曇った表情の青年が入ってくる

皆の視線が一挙に集まる

気が付かなかったが奥にもたくさんの子供たちがいたようだ。私に気が付かせないとは、やるな

近づいてくる

「ん?」

可愛らしく首をかしげる少女

青年が近くでしゃがむ

「ナオミ、」

護衛対象の名前はナオミというらしい

「なぁーに?お父さんとお母さんは?」

肩に手を置かれる

「…」

「え?」

「もう会えなくなってしまった…」

「え、死んじゃったの?ねー死んじゃったの!」

「そうだ、勇敢にな」

呆然とするナオミ。一筋の涙が頬を垂れる

それだけ言い残すと次の子へ向かっていった

ここに盗賊いますよー!なんでスルーなんだ?まぁー騒ぎにならなかったからいいけど

ナオミの手から血が滲んでいた

彼女の肩に手を置く。余計な慰めは逆効果だ。ここで病んでしまったり、人間不信にでもなってしまったら世界をうごかしてくれない、つまり報酬がもらえない!多分前払い分も貰えないだろう。そんなの絶対嫌だ!

振り向いた顔は鋭く私と後ろの盗賊隊長を睨んでいた

だがそれも一瞬の間。すぐに元の表情に戻る。どのように慰めようか悩んでいた私にとっては好都合、好都合

ナオミの頬を濡らす涙を手で拭う

「これからどうするの?この村はここ以外全部全焼しているんだよ。食料もすぐに底をつくだろう。そうなると消費が激しく労働力にならない成長期の子供はただの穀潰しだよ」

村だけの小さい視線ではナオミの世界を動かすという能力がフル活量できないだろう。その点冒険者となっていろいろな場所を巡れば素早く任務を終わらせられるかもしれない。あと泡良ければ観光も!

「うん、でも私にできることなんてない。さっき労働力にならないって言っていたのは誰?」

弱弱しかった声が徐々に覇気を帯びてきた。感情を押し殺し冷静に状況を理解しているのではなく。狂気を感じる気がするが気のせいだろう

「そうだったな。だがここにはスペシャリストが2人もいるぞ。武功のスペシャリストと武術のスペシャリスト」

言いながら後ろの盗賊隊長を指さす

「お、俺?いや、さっき負けかけたし…」

「武功、武功?魔法とは違う何か…魔法は別か、」

ナオミがぼそぼそと何かを言っている。非臨戦状態である私の耳は聞き取れなかったが大した話ではないだろう

「武術というより心の広さ?漢?まぁー精神的な話よ」

「まぁーあてもないからな。あんた…ゴホン、アカリが殺さなかった俺の仲間も連れて行くという条件でならいいよ」

「呑んだ」

「出発するといっても明日になるな、」

「そうだね、とりあえず私たちが村人に見つかると騒ぎになるから村の外で待っている。ナオミちゃんは他の人と話し合って、翌朝荷物整えて来てね。そこらへんで寝ているから。じゃぁーおやすみ」

盗賊隊長と一緒に倉庫の穴から出る

さっきの青年、穴の存在にも気が付いていなかったのか…

「さすがに丸投げすぎでは?あの子がかわいそうです」

隣の男がなんか喚きだした。うるさいな

「私は眠いんただ早く寝たいの!あと彼女だけのほうが話が速くまとまると思うよ」

「そんなのあんまりですよ」

「この世は力を持つものが正義だ」

「…」

「愚の字も出ないか…ところで名前聞いていなかったな。長い付き合いになりそうだから聞いておく」

「もう少し気遣いというものを知ってからにしてください。アロエです」

「気遣いねー。確かに自分のことでいっぱいだったかもしれないな」


ある程度歩くと茂みからひょろい男が茂みから出てきた

「隊長!って、ヒェェェエエエ!大量虐殺鬼のサイコ野郎!」

「殺していいかな?」

「契約違反になります」

「ッチ、」

「ルーカス慎め、まっとうな仕事を用意してもらえそうだ」

「ほんとですか⁉」

「ああ、ただ冒険者という…」

「前、門前払いされたではありませんか…」

「え?そうなの?」

「ええ、臭いだの、元傭兵は草むしりでもしていろだの無茶苦茶言われました」

「そっかー大変だったね、で寝やすそうな芝生はあるかい?」

「完全に空返事…聞いていないなこいつ…」

「ん?なんか言った?」

「いいえ、聞き間違いかと」

「そっかーならいいんだけど。聞き間違いねー、空耳じゃなくてねー」

「芝生ですね、こちらです」

「うん、案内ありがとう」


案内されたところにはちょうど3人寝られる空間があった

風呂に入りたいがそんな贅沢な物はないし…寝汗で唯一の服を汚したくないしな。川でも探すか?いや、眠い!今何時だと思っていやがる!

パンピースを脱いで岩の上に置き寝転がる

「なつかしいな、ん?2人ともどうしたの?早く横たわったら?」

「なぜ、」

「どうして?」

「ん?どうしたの?」

「なぜ、脱いだ!」

「よく裸になれるな!」

「唯一の服が汚れちゃうから脱ぐのは当然では?」

「いや、もともと汚いし」

「じゃぁ気分!」

「誘っているのか?」

「うんうん」

「次余計なことを言ってみろ、先祖を生で拝まらせてやる、OK?」

後頭部を向けながら横たわる男二人

「おやすみなさい、」

「Good night」

「んーおやすみー」


「だから気遣いがないゆうてるやん」

静寂を破り、隣からぼそっと声が聞こえた

確かに小物の装備が多い男二人が裸になれば紛失の可能性が高まる。だから寝にくいけど服を着たままなのか。なのに私だけ裸になって寝やすいのは不平等だ!っといいたいのだろう。なんか理屈が通らないけど、これが協調性、気遣いってやつなのだろう。美しい満開の星空を見ながら考える



日が昇り小鳥が囀る中

強い殺気を帯びたものが近づいてくる

即座に目が覚醒する

隣を見ると二人とも意識が浮上中っという感じだ

とりあえず服を着る

相手を視認できない今先制攻撃は危ぶまれる。なら浮上しよう。ってあれ?翼出したら服敗れない?内攻で翼を装っているから本物じゃないとしても服が一枚しかない今実験するのはやめた方がいいだろうし…

そうこうしているうちに殺気は搔き消えた

ハテハテ

手を顎に当てながらぐるぐる回っていたら、男二人とも完全に目が覚めたようだ

「なにしているの?」

「かわいいところもあるね、」

ルーカスが茶化してくる


「あ、ここにいたのですね、探しましたよ」

ナオミが現れた。なかなか見つけれなかったことへ対して普通は照れ隠しをするはずだが彼女の目は異様に座っていた。ナオミと男2人以外気配はない。位置的に考えて先ほどの殺気はナオミから出ていることになるが…思い違いだろう

「ナオミちゃんその荷物何?」

「あーこれはね、ただの穀潰しである私は親が死んだ今、復興中の村にとってお荷物でしょうから出ていきますっていたらくれた。内容物は僅かな食糧と金だったよ」

「出ていくとしたら冒険者以外考えにくいのに武器は渡されなかったの?」

ルーカスが聞いてくる

「確かに普通は渡してもいいよな」

アロエが賛同する

「えーと、武器と言っていいのか分かりませんがこれをもらいました」

恐る恐る鞄から棒を出してくる

「これは、ヒノキ?」

「お、ひのきのぼうと来たか、縁起がええな!」

興奮口調で言ってしまった自重、自重

「へええ、縁起物なのですね」

「これに村人の愛情がこもってるね。愛されていたんだね」

「今もこれからもです、」

怒気を含んだ低い声が場の空気を凍らせる

「そうだな、すまない。今のは忘れてくれ。にしてもひのきのぼうか、縁起ものなんだよね。薪としてくべたらダメかな?」

「そりゃ、ダメでしょ」

場の空気が和んで笑い語が輪の中で木霊した

ナオミが笑っているように見えて目が平らだったことに彼らは気が付いていない

昨日まで敵だった者同士なのによくナオミは適応しているよな

場違いに感心している亜薫里だった


「冒険者ギルドがある都市はどこら辺にあるの?」

「そうですね、ここは最も辺境な場所にあるので歩いて3日ですな」

「遠お!」

「我らを背負って飛んでくれたら1日もかからないじゃない?」

「え、でもそれは…」

「お、名案だ!ナオミは私の背中に…二人は両手で担ぐから!」

「担ぐ…」

「俺らは荷物の様に…」

「え、あはい。背中にですね」

ナオミがおどおど乗ってくる

「よし、落ちない様に気を付けてね。あと首を掴まずに斜めに掴んでね」

「ッチ、あ、ごめんなさい」

今ベロ嚙んでいない?気のせいかな

「いいよ、いいよ、今度から気を付けてね。ほら二人とも、」

「んー」

「女子に担がれるおっさん。ただの変態じゃね…」

両腕に担がれる男2人

3人とも落ちないか確認して浮上する

「翼無くてもいけるんだね、」

「空気を掴めないからかなり不安定なるけどね。高度も速度も上げられない。戦闘になったら即、壁にぶつかるか失速するよ」

「戦闘が起きませんように!」

「ああ、神様仏様!」

「神に祈るならこの使徒様にも祈りなさい」

「えええ、」

ナオミは完全に置いてきぼりになりながら和気あいあいとした会話は続く。隠蔽は他人に掛けることができないため人目に注意しながら彼らはゆっくり飛行する

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